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泣いた烏  作者: 実嵐
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指摘の言動

廊下からドタバタという音が響いていた。いた場所は近くで指定していた割には守っていなかったことが分かった。鉄のノックがされた。せかされた音だった。ドアが開くとやはり一課長だった。

「屋上って言っていた割には早いですね。捜査一課にいて俺が上がったら上がるつもりだったんじゃないんですか。伝える人間がいるんですから。」

一課長は見破られて絶句をしているのかただ急いで息が上がっただけなのなのか分からないが立花を見つめていた。

「君の指摘通りだ。此処で謝罪をさせてもらえないだろうか。」

「嫌ですよ。屋上で聞きましょう。指定されたところにはいきましょう。貴方の弱いプライドにも傷がつきにくいでしょうから。」

彼は椅子をキチンと机にしまって立ち上がって一課長をにらむようにしている。プライドで飯は食えるかもしれないがそのプライドには罠と大切なものがぶら下がっているのだ。気づかない人間はたいてい両方を得ようとあがくが得ることは簡単じゃないと知るとプライドに目移りするのだ。屋上につくと一課長は土下座をした。コンクリートに頭を垂らしたのだ。

「君の要望を聞く。必ずかなえるから捜査一課に協力してほしい。」

絞りだすように言うしかないのだろう。立花は外の作られた世界を見つめた。今は機械が支配しようとしているが、限度はいずれ迎える。全てが全てそうならないのだろう。奪っていても何処かで不具合が出れば人間の仕事になるのだから・・・。楽になりたがって苦を選んでいるのだろう。自由を望んで縛られるのを望む。

「それじゃあ黒崎を捜査一課に戻してやってください。あいつは捜査一課に必要ですよ。データ分析にはたけているのを見ているとね。聞き込みに動かすともっと発揮するでしょうね。早めにしてくださいね。二課の仕事とかかわっているので・・・。未解決事件は俺で何とかできそうなんで・・・。」

「その言っていた資料だ。派遣会社で噂になるほどの人間がいたんだ。目を通してほしい。」

透明なファイルに資料が透けていた。情報が漏洩されるのだろうと思った。一課長から受け取って一枚目を見た。

「黒崎を捜査一課に戻す。それじゃあ一課の事件を手伝ってくれるのか。」

「俺は3つを抱えているようなものです。やれる範囲でしますよ。情報はキチンと流してくださいよ。それでもくだらないプライドに負けるようなら前以上に辱めに合わせることくらい俺にとっては簡単なんですから。」

立花は不敵な笑みを浮かべた。裏で動かすより表でみられるほうがよほどのことで簡単に動くロボットに成り上がる。

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