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泣いた烏  作者: 実嵐
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のちの行動

立花は一度アパートに帰った後に警視庁に行った。P&Bでは少し達樹とたわいのない話をしたが大したことはないと思った。未解決事件捜査課に行くと浅間がコーヒーを飲んでいた。

「そうか。黒崎は休みですものね。」

つぶやくように言うのを聞いていたのか彼は少し首を傾けている。お前がさせたのではないかといいたいのだろうか。棚に上げるのもいいところなのだ。

「挨拶もしないでそんなことをつぶやくのか。いい気味だ。」

「誰が元でこんなことになったかなんて俺はわかっているんですよ。浅間さん、こんなことが分かったら上から処分は受けますよ。捜査一課は検挙率が上がるどころか下がっているんです。それにかかわったのは同罪ですよ。課長という肩書の屑の無駄な討論会がね。」

被害者遺族がこんなくだらないことを知ったら怒り心頭することくらいわからないのだろう。自分の立ち位置が重要なのだろう。立花の強気の発言に嫌な顔をしているが、ことの発端であることをわかっているのかと思う。隠しもっているがボイスレコーダーが鍵のかかった引き出しの中にしまってある。離れたときに何を話しているのかがお見通しという感じなのをわからないのだろう。

「一課長が屋上で謝罪をしたいといってきたから行きなさい。」

「それなら行かないですよ。来るのが当たり前でしょう。謝罪するのに来いというのがおかしいんじゃないんですか。それも当事者がいないと勝手に決められるんですね。じゃあ呼んでくださいよ。それまではこのことに対して対応しませんよ。」

立花は自分の机について事件の資料に没頭した。このことを柴田が知ってもとやかく言わないことはわかっていた。権力をもらったり他人の権力で傲慢になるのは軽蔑されるべき人達なのだ。何をしたかと問わない人間が新たに何も問わない人間を生むのだ。悪循環を呼ぶのだろうから。浅間は急いで連絡をしているようだった。自己防衛はいずれ聞かなくなるのだ。効き目のない薬を飲んだところで無駄骨なだけだと気づけないのなら誰かに頼ってでも知らされるべきだ。テレビでは1人の部下をえこひいきして他の部下を放っておく上司としては身勝手な上司なのだ。そのくせ、何も行動をしなかったのを他人の所為にするのが一番だと思っているのだろう。甘やかした部下の言うことしか聞かないのであれば上司としては失格なのだ。自分の言ったことですら守れなかった弱った信頼に何が響くと思っているのだろうか。改革も誰の改革で自分が上に立ちたいという願望、欲望に飲まれて大切なものを失ってからじゃないと気づかない嘲笑されるべき人間に成り下がりたかっているのだろうか。その渦には見えない毒の性質があるというのに・・・。


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