つぶやく
雲がどんよりしているのかもしれないが晴れやかな気持ちが染みわたっていた。
「浅間さん、歓迎会をしませんか?俺たちしてないでしょう。いいところがあるんですよ。」
「そうだな。此処に来ても喜んでいる人間なんていなかったんだ。けど、君たちは違うからするか。これから行こう。」
重い腰を持ち上げた。行動は嫌そうだが、表情ははにかみが漏れていた。やっていた仕事を切り上げて3人で早めの食事会という形にした。捜査一課は忙しそうに見せている。この中から違反者がいてももみ消すのだろう。矛盾を肯定することはもう改善のしないことはわかっているのだ。3人は繁華街より少し離れた路地にいた。光のノイズはほどほどになっている。多くの人は下を向いている。携帯だ。破滅や自爆を促進したする道具なのだ。共感を得ることにもつながるがつまらない見えか傲慢さか何かはわからないが偉そうに書いているのだ。燃えていてもわからないのか上っ面の謝罪で油を注いでいるだけなのだ。ハンドルネームだからわからないとか人をバカにしているようにしか聞こえないものもある。いったいそれを見て誰が得をするのだ?誰が共感するのだ?ぞんぶんにしゃしゃっり出て不愉快にさせているだけなのに・・・。立花は上を向いて看板を探した。表は和風だった。
「此処ですね。入りましょう。」
「いいのか。いきなり入って困りはしないのか?」
「この人数くらいどうってことないですよ。」
横にスライドするタイプのドアを親しんでいるかのように開けた。店主はさほど驚いている様子はない。エプロンを身に着けている。細身の大学生のように見えた。
「達樹、3人分の席と、あと適当に作ってよ。あれは鉄測ね。」
「わかった。信之はいつものでいいでしょう。他の2人は後で聞くからさ。」
客は多いはずなのにバタバタした感じではなかった。中は洋風という凸凹した感じに思えた。テーブルに着くと常連なのか小太りの男性が声をかけてきた。
「珍しいじゃないか。誰を連れてくるなんてな。」
「そうでもないよ。1人で来ても達樹も飲むんだ。だからな。別に対して考えたことないよ。」
「そうかい。俺のつけで食べていけ。俺も恩に着るからな。」
男性の言葉に縦に二、三度うなずいた。男性も納得したのかその席でせっせと食べ始めた。
「此処は君の知り合いの店か?」
「そんなものですよ。融通が利くのを考えたら此処しか思いつかなくて・・・。バイトも雇わないんですよ。」
笑い話のように語っていた。




