公爵のお仕事
いろいろと転生チートと言うのでしょうか、ようするに元日本人の自分が過ごしやすくする生活改造の毎日をおくりつつ、公爵としての仕事をこなしている私のもとに事件がもたらされたのは、王都である危険な団体が活動していると言う話からでした。
その日はつまらんお茶会にみせかけたお見合いだったのですが、どうしてこうも令嬢ってのは同じような会話しかしないのでしょうかねえ。
まるでファーストフードの店員さんみたいな。同じような返しをするので、誰が誰だったか忘れそう。
中身もいまいちなのに外見はさらに、あなた舞台女優ですかと思うような今流行の厚化粧で塗りたくって改造してるけど、どっちかと言うと怖いんですけど。
もと女のおばさんだから言わせてもらいますけど、若い子は薄化粧が一番。
まつ毛にマッチが何本のるんですか?
頬がピエロのように真っ赤なのはどうなんですか?
なんかこうすでにホラーです。それが繰り返されるともうねえ悪夢です。
女性との結婚は記憶が蘇らない間は男性としてちゃんとすることできたんですが、今は前世の私とまじりあってるので、ちょっと遠慮したいというのと、私の今の立場から、他の貴族との縁ができるのはまずいと言う政治的判断があるんですよね。
決してナルシーに自分の姿を愛ですぎとか言うわけではありませんよー。少しはあるかもしえれないけど。
まあそんなくっそくだらないお茶会で疲れた心を、私の愛する姫君の笑顔で癒すべく家に帰ろうとしてたのですが、そこに仕事が待っていたのですよ。
馬車に乗り込むとレファーソンさんが申し訳なさそうに言いました。
「旦那様、大変お疲れとは存じますが、少々面倒なことがございました」
「私が出ないとならないのですね」
「申し訳ありません」
私の仕事は公爵としての領地(引退したお嫁さん両親任せ)を統治することと、社交界での政治力の操作。
そして影に隠れてるけど、王都の守護としての役割があるんです。
なんたって元王弟なんで、なんで、、兄弟全員仕事しないと許されんのです。
他の貴族だってみなさん商会やら人材派遣的なことして食べてますからね。
貧乏な貴族は他の貴族の家で雇われて糊口をしのいでるシビアな世界。
バラとか宝石は勝手に湧いてこないんですよ。
と言うわけで、私も国からお給料いただいてるので、仕方ないですよね。




