私怨により髭撲滅4-転生者?
いや、危ない、危ない、この子ってリアハタシュタ公国の公位継承者じゃないですか、あそこはあからさまな権力闘争があって、前の大公の子供達が病死やら事故死、そして、大公の弟家族が火事で死亡。
今の大公には継承の権利の薄い、大公の親戚の男がなってると言うことで、あまり国内情勢は良くないみたいなのですが、ここに来て、その火事で亡くなったはずの弟家族の長男が生きていたとなれば。風雲急を告げ、国家騒乱の幕開け的な問題です。
これは家族会議にかけないとダメな案件ですよ。
私はもしも暗殺者であった時の用心のために入れた牢獄から子供を運びだし、拘束を解いた上でスリープを解除して起こしました。
大公の子息が起きた時に牢獄とかやばいでしょう、体裁を後付でもね。
うっすらと目を開けた子供はぼんやりとしてます。
やはり尊い血筋なんでしょか、めっちゃ美形ですね。
アシュレイといい、この世界の王族はなぜか顔面偏差値が高いです。
濡れたような黒髪に真珠のような白い肌、そしてうっすらと見開かれた瞳は朝焼けのようなウルトラバイオレット。
「もう大丈夫、君が私に直訴したわけがわかった。これは我が国としてもよく相談して対処させてもらう」
この国の王族としては慎重にすべきなんですが、こんな小さい子が、親を殺されて、犯罪集団に捕えられ育てられてたんですから、私としては全力で助けてあげたいです。
「リアハタシュタ公国のアンドレア殿ですね?私はアーマーハラ国のアシュレイ・ジュリウス・メイフィールド・サクストン公爵です。あなたは公国での大公位争いで命を狙われてる、だから私にお話しをされに来られたのですね。あなたを秘密裡に保護させていただきます。安心してください。」
安心させるように言い切ったけど、微妙な顔をしています。
私を信用しかねるのでしょうか?
「あの、、僕の保護についてはありがとうございます。でも違うんですよ。今回公爵様にお会いしたかったのは、僕の前世の記憶とこれから起こるかもしれないことをお知らせしたかったのです」
アンドレアはいきなり予想外のことを口走りました。
と言うか前世の記憶って何?
いやサイコメトリーした時に出てたっけ?そんな記憶?
「ぶっちゃけこのままにしてたら、イベントが始まってしまいそうなんです。秘密にしたのかも知れませんけどあなたも転生者ですよね?この世界のこと知ってますよね」
はあ?この子何言ってるの?
転生者ってのはその通りではあるけど、この世界の秘密って、、私は全く知らないんですけど?




