私怨により髭撲滅2
「建国記念祭に国家プロジェクトの立ち上げを行いたいと思います」
私は前世にならい、大きな黒板を用意してプレゼンを開始しました。
黒板は覚醒してからのち、公爵家の使用人への連絡とか、予定の書き込みなどを掲示したり、治安部の作戦遂行の時の会議に使うために作りました。
相手は自分の家族とは言え、国家の中枢を担う者たちですから、きちんとしないとね。
「概要いついて説明いたしますので、お手元にお配りした資料をごらんください」
各自の手元には鮮やかな印刷をされた紙を配ってます。
他国では獣皮なんかを使ってるようですが、ここの国は紙があるのです。
その上活版印刷まであるのですが、それ以上の技術はあまり進んでないようです。
だから文字だけの本とかが主流で、絵を入れようと銅板が主流なので、さらに時間と金がかかります。
貴族は絵入りの本を持っていたりしますが、庶民は字だけの新聞を共同で買って回覧板のように回し読みしたり、貸本屋などを利用してます。
今回のようなプレゼンのための資料には使えません。
この世界は単色しかなかったので、多色刷り木版画手法で図入り資料もそえてます。
公爵家の広報担当として活版印刷&木版画彫師を雇用したので簡易連絡には重宝してます。
なかなか力作と自負しているんですが、家族が興奮気味で黒板やら、資料を弄繰り回してます。
それ今回関係ないので、話を聞いてくださいな。
などと言ってたのですが、陛下がこう言ったのです。
「アシュレイ、、これはまた、黒い板と白い筆?に、この資料とやらはどうなってるんだ?これ自体が国家プロジェクトになると思うんだが」
宰相さんも興奮気味です。
「すばらしい、この黒い板といい、鮮やかな印刷といい、これはどのように」
それからしばらくはこの黒板とチョークと木版印刷についての開発と販売と利権の話になりました。
今回の議題ではないんですけど、そうですね私が悪いんです。
普段使いしてるからチートとかまったく思ってなかったです。
話がすすまないわ、今度から気を付けないとね。
大幅に時間を食い込みながらも、各自政務を調整していただいたので一通りのプレゼンができました。
「よい、おまえの思うまますすめるがいい、他の者もアシュレイを手助けするように」
陛下のおすみつきをいただきました。
このプロジェクトが発動した今、髭男達の命運はついたも同然です!




