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1《編集中》

2作目です・・・。

前作はなろうの規定上削除ができないのでしばらく放置です。


稚拙な文章で申し訳ありませんが、読んでいただけると嬉しいです!

 端的に言うが、私は転生者だ。

 と言っても、前世の記憶と思われるものには靄がかかっており、それが本当に自分の記憶なのかははっきりしていない。

 しかし、一つだけ。この世界の「設定」だけは、飲み込めない違和感として、私の中にずっと痞えていた。


 「恋色学園|こいいろがくえん|〜you aholic〜」


 そんなありきたりな名前が、今日から私の学舎となる「虹ノ色高等学校」を舞台とした乙女ゲームの題名なのである。

 

 恋色学園(……を略してこいがくとする)は、一見すると王道な学園恋愛ゲームなのだが、その実は一風変わったものなのだ。

 まず一点。通常、乙女ゲームの舞台となる学校は私立高校である場合が多い。しかし、こいがくの舞台となる虹ノ色高等学校(……これまた略して虹高とする)は、公立の進学校なのだ。

 なぜそうであるのか、前世の私はとても不思議に思っていた。もし私立であれば、校則など、ゲームと密接な関わりを持つ部分の設定を作る際に都合の良い部分が多くある。それに、独特な設定を持ったゲームにはやはり興味が湧くものだ。

 しかし、ゲームを始めるとすぐに、このような珍しい設定を組み込んでいる理由が掴めた。

 こいがくは、ヒロインである夢野ゆめのいろはになりきって、アバターを着せ替えたり、ミニゲームをこなしたりし、地道にストーリーを進めるタイプのオンラインアプリである。そのような乙女ゲームに多いのが、ミニゲームで自身の魅力などを上げて、展開を進めていくもの。こいがくもその一つである。

 しかし、こいがくのミニゲームは、公立進学校という設定を生かした、頭を使うタイプのクイズ型ゲームだったのだ。楽しみながら知識も増える為、個人的には、勉強をしている気になれて嬉しかった……。

 母に、「あんた、またゲームしてるの?勉強しなさい!」だなんて怒りられた時は、「違うよ!こいがくは、(イケメンと恋をして)楽しみながら勉強ができるんだよ!」などと、某学生向け通信講座の広告のような台詞で撃退したのをうっすらと覚えている。

 

 それでは閑話休題……と言いたいところであるが、私

 こいがくの攻略キャラは隠しキャラを含め7人で、全員の名前に色が入っている。

 ちなみに、『赤&青』、『黄&緑』、『黒&白』のルートがあり、3つのルート全てで2人のイケメンから取り合われた末、好感度の高いどちらかとエンドを迎える。

 また、エンドの種類はトゥルーエンド、グッドエンド、ノーマルエンド、バッドエンドの4種類なのだが、ある一定の条件をクリアすることで逆ハーエンドなるものが登場する。

 逆ハーエンドを迎えるためには、トゥルーエンド(このゲームでいう好感度MAXの状態で迎えるエンド)を6人全員分迎えた後、隠しキャラである紫色でもまたトゥルーエンドを迎えなければならない。

 ちなみに私は、隠しキャラについての知識が全くないことから、全員の攻略が終わらないうちにあちらの世界を発ったのだと思われる。でも、ゲームの知識は十分なのに対し、前世での自分について何も思い出せないのがちょっと不思議。


 とりあえず説明はここまでにして、今世での私について話してみようと思う。

 乙女ゲーム転生系の小説といえば、主人公とか悪役とかそこらの目立つ位置、もしくは本編では取り上げられなかったモブ(何故かヒロイン並みに可愛い)みたいな位置に転生することが多いよね。

 正直私も、前世について思い出したのが丁度ゲーム開始時である入学式の日だったのもあって、ヒロインへの転生を期待してました……。だから、鏡を見たときは衝撃だったよ!だってまさか、「悪役の取り巻き」に転生してるだなんて思ってもいなかったから。

 恋色学園……聞いたことある! → あっ、この校門は……! → ひょっとして私、ヒロインに転生した!?

――――だなんて浮かれていたあの時の自分、今すぐ地面に穴掘って入れ!


 まあ、そんなこんなで私「悪役の取り巻きB」こと、秋山あきやま檸檬れもんは――。

 ……ってそこは笑う所じゃない!これでも、他のキャラに比べたらキラキラネーム度は低めなんだよ?

 そうそう。攻略キャラだけではなく、それ以外の重要なキャラの名前にも。重要なキャラの名前にも色が入っているのだ。

 つまり、つまりだ。私の名前……檸檬。レモン色!これが入っているということは、私も重要なキャラなのだよ。重要・・!ふふんっ。

 あ、ちなみに、悪役の取り巻きがいるということは、もちろん悪役がいるんだけど。私がこれから金魚の糞の如く付きまとうことになる悪役少女の名前は、天羽あもう琥珀こはく様。いやぁ…名前カッコいい。ちょっと羨ましいかも。


 琥珀様は、名前の通り美しい琥珀色の髪を持つ美人さん。

 赤&青ルートでは、セレブな俺様生徒会長である鬼龍院きりゅういん赤哉せきや、クールなメガネ副会長、ひいらぎ青葉あおばを攻略する際に、ライバルキャラとして登場する。彼女は赤哉様のファンクラブの会長でもあり、攻略キャラの二人と同学年の3年生。

 ちなみにゲームでの私は、『新入生ながら赤哉様への熱烈な愛を認められた有力取り巻き』という位置だ。なんかすごい。

 しかし、そんな私に与えられた台詞は「そうよそうよ!」しかないのだ。台詞らしい台詞は全て、取り巻きAの結原ゆいはら向日葵ひまわりさんに持って行かれた。ケーッ!

 ……いや、私はまだ恵まれているのかもしれない。取り巻きCとDに関しては台詞すらないのだ。うん、超恵まれてる(泣)。


  さて。冷静に考えてみると、ここは乙女ゲームの世界なのだから、放っておけば……もしかしたら放っておかなくても、私や琥珀様達は最終的に「ヒロインを虐めた悪役」として学園を追放されてしまうであろう。

 でも、せっかくゲームに関する知識があるんだし、私も青春を謳歌したい。学園追放とかやだ!

 確かに、悪役がいないと締まりのないゆるゆるとした話になっちゃうかもしれないけど……実際に自分が悪役転生しちゃうと、納得がいかないものだ。

 ということで、本当の意味での大団円エンドを迎えるためにシナリオを変えちゃいたいと思います!

 そしてあわよくば私も誰かとイチャラブ高校生活を……ウヒッ。

 

 そうと決まったからには、私、ここに宣言致します。

 ゲームが終わる一年後までに、我らが隊長、天羽あもう琥珀こはく様を、ただのツンデレにしちゃいます!

 これで私も琥珀様も「悪役」から脱却できるのだ。ああ、我ながらなんと素晴らしい案なんだろう……。

――こうして、私の輝かしい青春は始まりを告げた。


 

 ……はずだったのだが。

 それは、入学式が終わって一週間と少し経った頃のこと。

 あ、その前に。何故入学式をぶっとばしたのか疑問に思ったかもしれない。

 まあ、乙女ゲームの入学式ならば、ヒロインが入学式当日に寝坊し『どうしようっ!遅刻しちゃう!』みたいなことを言いながらパンを咥えて走ったり、式の真っ最中に生徒会長や校長先生の話を遮って登場したりと、派手なイベントがあってもいいと思う。

 しかし。こいがくは入学式イベントがあまりにも地味すぎるのだ。

 はっきり言ってしまえば、こいがくの入学式イベントはもはやイベントではない。初日から悪役として登場するのはもちろん御免だが、もうちょっと何かあってもいいと思うの。

 だって……普通通り、いや、むしろいつもより早く目覚めたヒロインが普通に登校し、普通に入学式で話を聞いて普通にクラスに馴染んじゃうのだ。さすがに単調すぎる。


 あ、ちなみに。私、秋山あきやま檸檬れもんは、ヒロインのいろはちゃんと同じクラス、つまり一学年に一クラスしかない特別クラスと呼ばれる1年A組に属している(ドヤ顔)。

 入学式は単調だったが、クラスでは、いろはちゃんがサポートキャラの桐沢きりさわ瑠璃るりちゃんと出会い意気投合するシーンを目撃した。美女二人の戯れはやっぱり眩しかった。イベントが現実で起こるとこうも興奮するんだな、といった感じ。

 でも、ゲームでは描写がなかったはずなのに、いろはちゃんが副委員長に推薦されたのには驚いた。本人も驚いたようで必死に断っていたけどね。

 しかし、いろはちゃんが推薦を断ったせいで、副委員長が何故か私に回ってきた。やめてくれええええ!

 しかも、私が副委員長になった理由は、「女子の一番前にいたから」だそうだ。私の苗字……あ、秋山じゃん!と、私は初めて自分の苗字を恨んだ。

 ちなみに委員長になったのは、青縁メガネに黒髪のなんとも地味な男子だった。

 副委員長になったその日からいきなり先生に書類運びを頼まれたので、「この地味男君に押し付けちゃえ☆」なんて考えていたのだが、いつの間にかそんな私の両手に書類が載せられていた。地味男だからってナメていたら意外と手強かった。こ、この外柔内剛野郎めッ!

 しかし、私に持たせた量の三倍くらいの書類を自分で持っていた。……思わずキュンとしかけたがやめた。

 そんなこんなで一週間委員会仲間として一緒に行動したりしたのに申し訳ないが、名前を覚えていない。ごめん地味男君(合掌)。


 そういえば前に色持ちについて話したけれど、それと同じで、このゲームの主要キャラは髪の色や目の色が明らかに日本人じゃない。戸籍上はもちろん日本人なんだけどね。

 例えば、ヒロインちゃんは長くて絹のようなストレートの金髪にスカイブルーの瞳。しつこいようだが戸籍上は日本人だ。

 また、赤&青ルートの攻略キャラである鬼龍院きりゅういん赤哉せきや様は髪も目も深紅。あ、もちろん充血しているわけではないよ?

 同じく攻略キャラのひいらぎ青葉あおば様は、コバルトブルーの髪に藍色の目。

 他にも……我らがボスである天羽あもう琥珀こはく様は、琥珀色の髪に胡桃色の瞳!取り巻きAの結原ゆいはら向日葵ひまわりさんは髪も目も向日葵色。

 また、先程紹介したサポートキャラ、桐沢きりさわ瑠璃るりちゃんはモスグレーの髪に瑠璃色の目。なんか凝ってるよね。

 ……そしてそしてそして。私の髪色はレモン色、瞳は胡桃色で琥珀様とお揃い。素晴らしい!

 そしてもう一つ。まあ、ここまでくれば何を言いたいか分かるかもしれないけど……。

 私の髪色や瞳の色がおかしな……いや、ファンタスティックな色をしているのは?

 ――そうです、私も列記とした主要キャラだからなのです(ドヤ顔)。

 

 げふんげふん。とりあえず話を戻すけれど、私のクラスで髪や目にファンタスティックでビューティフォーな色が付いているのは、ヒロインちゃんとサポートキャラ、私の3人しかいないのだ。

 そのせいもあって、どうしても他のクラスメート達が地味に見えてしまう。いや、別にドヤってる訳じゃないよ?本当本当。

 ……そういえば、前に隠しキャラである紫色の人物にについても説明したけれど、その人ももしかしたら髪や目が紫色なのかもしれない。

 私は、学校を舞台とした乙女ゲームでは存在することが多い『先生』という立場に紫色が隠れているのではなのではないかと予想している。『若すぎる理事長』とか『保健室の先生』とか……。おっとニヤニヤが。

 まあ、この話はここまでにしておいて、本題に移ろう。

 私は今日、ちょっとウキウキしている。何故なら今日は私にとって……いや、悪役の私達にとってとても大切な日であるからなのだ。

 これまでの平和な一週間の間に分かったこと。それはヒロインであるいろはちゃんが『赤&青』のルートに進もうとしていること。

 こいがくでは、入学式から一週間以内に攻略キャラとの出会いイベントとルート分岐があるのだが、私の必死のストーキンg……調査で、赤哉様・青葉様との出会いイベントを偶然・・目撃することができた。

 恐らく、他のキャラとは関わりを持っていないことから……。あ、恐らくね?べ、別に一週間ずっとつけ回していた訳じゃないんだよ!?


 とにかく、いろはちゃんは赤・青ルートを選んだということは、琥珀様率いる私達悪役の出番なのだ!

 秋山檸檬という存在に転生したからには、私も自然と会長のことを好きになるのだと思っていたが、生憎入学式の俺様スピーチで居眠りをしていた私は、一度も会長の顔を見ていない。私の鼻ちょうちんが割れたのは、スピーチの後ステージを降りていく会長に女子生徒達が歓声を上げた丁度その時だったのだ。惜しい。

 でも、琥珀様をいじめの主犯格から引きずり下ろすには、私がファンクラブに

入って彼女をツンデレにするしかない!(思い込み)


 ということで、三年生の教室まで足を運び、会長への愛という名の嘘を並べ、見事『取り巻きB』の座を手に入れました。いやー、頑張った。

 琥珀様にも無事気に入られることができたのでひとまず安心。それにしても生で見る琥珀様は最高だった。ヒロインの可愛さとは違った…高嶺の花のような手に入れ難い美しさ!思わず会長への愛より琥珀様への愛を語ってしまったが、恐らく問題ないと思う。


 そして今日は……私たちファンクラブ一同が食堂へ向かうと、会長の近くの席――つまり琥珀様の特等席にヒロインちゃんが間違えて座ってしまい、お叱りを受けるというイベントがあるのだ。

 昼休みの始まりのチャイムが鳴り、私がいつものように琥珀様の隣に並べば、ボーリングのピンのように綺麗に並んだ会長ファンクラブの御成~!

 入学した頃は、上級生も通る廊下を横に広がって歩いていたら怒られる!だなんて怯えていたが、流石に琥珀様の家柄なまえを知っているから何も言えないという人ばかりだった。まあ、家を知らないとしても、会長ファンクラブのメンバーは皆気の強そうな顔をしているので、近寄りたくないのだろう。

 私もなんだかんだでそれに慣れてきてしまったが、このままではいけないと思っている。

 早く琥珀様をデレさせて皆の好感度を上げ、追放を回避せねば。

 ふんっ、と鼻息を鳴らした私は、琥珀様のお叱りイベントをぶち壊すことを心に決めながら、食堂までの長い廊下を歩き始めた。

ありがとうございました!


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