「初陣」
塔攻略初陣まであと2時間、俺はギルドハウスの俺の部屋で防具&武器の整備をしていた。
俺の愛剣である大剣《砲雷電剣ー壱ー》を砥石で研ぎ、斬れ味を最大限までにした。
一応、砥石を二個ほどポータブルバックにいれておく。
俺の今の防具は「岩蛸」の素材から作った《ストーンディフェン》一式を付けているLevel Sクラスだ。
俺は棚の上にある箱を開け、指輪を取り出す。
俺の父は、LAMOの開発者だ。
父が誕生日プレゼントにこの指輪を特注で造ってくれたのだった。
指輪の名前は《森羅万象》
スキルは『雷撃無効』だ。
その名のとおり雷属性の攻撃を指輪が吸収し、無効になる。
ある意味チートだ。
指輪を指に着け、部屋を出た。
部屋の前には、うーみんとさーみんがいた。
「ネオン、もうみんな準備出来てるよ。」
「ネオンだけだよ、後は。」
と2人が交互に言う。
「オッケー、じゃあ行こうか」
「「うん!!」」
リビングに着くと、皆は準備万端だった。
桜月さんがソファから立ち上がりみんなを見渡して言った。
「よし!行こうか!」
【電姫】が造った「塔」は不気味な藍色に染め上げられていた。
とりあえず、たけぇ。
まあ500階あるんだから仕方ないか。
塔の前には700人前後のアバターがいた。
種族もいろいろだ。《ナナホシテントウ》ギルドリーダーのサンドラさんが、俺の方に近づいてきた。
「よお!おめえ達 ギルドつくたってな!ま!せいぜい死ぬなよな!」
不吉なことをいうな。
「ぢゅうぢゅう!?」
俺たちが塔に入ってから1時間が経とうとしていた。
今俺たち《桜吹雪》一団の目の前には、数匹の芋虫がいる。
モンスターの名前は「ラヂュウ」だ。強さはEランク。
芋虫たちが突然俺たち・・・いや白夜に向かって飛び込んで行った。
「「「「ぢゅううううっ!!」」」
「えっ!?うわ!きっしょおおおお」