「ギルド」
【電姫】によるLAMOの支配が始まった日の夜、俺は自分のプレイヤーハウスに居た。
何もする気が起きず、ただボーッとしていた。
ピンポーンと客がきたことを告げるチャイムが鳴った。
「入っていいぞ」誰だろうと思いながら、鍵を自動で開けた。
「うーす!ネオン 久しぶり!」
シオンだ。俺のパートナーであり、(リアルでも)親友である。
シオンの種族は【獣人】(ビースト)だ。銀髪青眼で、モデルの獣はライオンだ。
ちなみに俺は、【雷人】(ボルタニアス)だ。特徴は右頬に青いカミナリのタトゥーがはいっていることだ。
「どした、ネオン?」
「いや、ちょっと考え事をしていたんだ。ていうか、シオン お前塔攻略に行くのか?」
「んーどうしよっかな?ネオンは?」
俺はあることを考えていた。
「なあ俺たちベータテスターでギルド作らねえか?」
ベータテスターとはベータ版から始めていてある程度実力がある人たちのことだ。
俺が知っているテスターは10人ほどだ。そのうち不幸にもログインしていたのは、7人だった。
シオンが俺に賛成してくれて、俺たちはギルドを作ることになった。
というわけで、ログインしていた不幸なテスターさんたちを6人ほど集めてみました。
今俺のホームにいるメンバーは
「青き雷獣」こと【ネオン】の俺。レベル454
「危険区域」【シオン】レベル446
「キャットキラー」【風嘩】レベル433
「龍狩り」の【★白夜☆】レベル450
「悪魔の右眼」【うーみん】
「悪魔の左眼」【さーみん】共にレベル435
「狂狼男」【ジャッカー】レベル454
そして「LAMO最強」【桜月】(おうげつ)レベル470の8人だ。
「おういえ!なんだい!ネオン!御用は何よう?」といつもどうりテンションの高いジャッカーさんが喋りかけてきた。
双子プレイヤーのうーみんとさーみんは家の中で鬼ごっこをして遊んでいる。元気のいい奴らだ。え 白夜も入ってるし、風嘩は勝手にコーヒーいれて飲んでるし、桜月さんは、シオンと決闘してるし。なんなんだよもう。
仕方なく俺が手を叩き集める
「はーい みんなーおやつの時間ですよー」
「「「「「「「はーい!!!」」」」」」」
幼稚園生かよ。みんな集まったし、早えな。
みんなが座ったところで、俺が早速「俺たち同盟くんでギルド作らねえか?」と言うとみんな真面目な表情になった。
「確かに、ギルドをつくって俺ら全員で塔いったら最強だろうね」
と白夜が言った。
「ギルドに参加してくれる人は手をあげて。」とシオンが言うと。
全員が手を上げた。
テスターは基本ソロなのだ。
こうして俺たちのギルド《桜吹雪》が発足した。
ギルド名はギルドリーダーになった、桜月さんがつけた。
ギルドにはギルドハウスが一棟与えられ、そこは、LAMOの世界でのお金である『シェル』を払えば大きくできるシステムだ。
最初は、一部屋しかなく狭いのだが--ー俺が地図に示された《桜吹雪》のギルドハウスに向かうと、とんでもねえぐらいの大きさの、建物があった。
「どうしてこうなった…」
地図の位置を何回も確認したが、間違いはなかった。
このバカデカイ建物は《桜吹雪》のギルドハウスだ。
桜月さんがたくさん投資してくれたようです。あ・・ありがてえ。
とりあえず、自分のプレイヤーハウスにあった家具を全部チップ化させて、アイテムボックスに入れて、それをギルドハウスの俺のアイテムボックスに移転させた。
桜月さんは、一人一部屋丁寧に増築してくださったのだ。
空き部屋もたくさんあり、皆で集まれるリビングもある。
ざ...財力パネェ・・・・