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詩 彼が手紙を書くと言い出した

作者: WAIai
掲載日:2026/05/22

「手紙、書いてもいい?」

「え」


私は彼の言葉にびっくりし、思わず口を押さえる。


「いけないか?」


私の様子を伺う彼。

まるで肉食獣が小型化したみたいな、愛らしさのある仕草。


私は勢いよく首を横に振る。


「全然!! 大丈夫!!」

「そうか。良かった」


彼は安堵したのか、息を吐き出す。


何で急に手紙?


まだドキドキが止まらないが、彼が手紙を書いてくれるなら、欲しいに決まっている。


「どうして急に?」


思いきって顔を上げ、彼と目を合わせる。

彼は長身なので、少しだけつま先立ちになる。


「前から思っていたんだけど、俺ってお前の前にいると、上手く喋られなくなるからさ。言葉を伝えるためにも、手紙を書いたほうがいいかなって」

「…ああ」


私は納得し、笑みを浮かべる。


「気にしなくてもいいのに。あなたはあなたなんだから」

「…そうか?」

「そうよ!! 私が好きになったんだから、自信を持って!!」


私は言った直後、顔を赤く染めていく。

夕日よりも真っ赤だと、自覚がある。


言い過ぎたみたいだ。


照れていると、彼がくすりと笑い、私の頬に指を当ててくる。

ピアニストみたいに、長くて綺麗な指。


何度も押してくるので、そのままにしておく。


「書いてよ、手紙。嬉しいから」

「おう」


彼は男らしく答えると、身体をゆっくり倒してくる。

そして耳に吹き込むように、小さく言う。


「好きだよ」

「!!」


反則だと思ったが、自然と彼の耳に顔を近づける。


「私も」


それだけ言うと、彼の肩に額を当てるのだった。

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