【ネタバレ注意!】解説21~25
本章は創作意味怖21~25本目までの作者意図となります。
ネタバレになりますので、自身で考えたい人、先入観無く読みたい人はブラウザバックを押していただくのがよろしいのかな?と思います。
また、あくまで作者意図であり私の解釈なので、これ以外の解釈が不正解と言う意味合いはございません。
よろしければ↓にスクロールしてください。
21 近所のラーメン屋はお昼時しか開いてないのにいつも並んでて諦めちゃうから入ったことない
「いらっしゃい…」
店に入ると無愛想で強面な店長が地を這うような声で出迎えてくれる
この飾らない感じも魅力だよね
「店長、4番さん出ます!」
弾けるような青年の一声にピクリと目線で答える無骨な大男
これここ最高…
彼湯切りの時に人差し指がピンと立つんだけどさ、それ店長も同じ癖あるんだよね!
昨日珍しく店長のワンオペでみちゃった…
もうヤバイよね
確定じゃん…
まって…また目合わせてる…
うちまじでスープとか要らんかも
余裕で白米食える
客層見て察したよね
こういうのまじで当たるからね?
ポタリ
オレンジジュースのカップから落ちた水滴が膝を覆うスカートの裾にシミを作る
行列は絶えない
【作者意図】
主人公は店に入らず、客ですら無いのに日常的にこのお店を監視してる。
遠巻きに眺めながら妄想の種にしている。
22 17時すぎ
その日は足取りも軽く
滑るような淀みのなさで扉の前に立つと、ドアノブを回して手前に引いた
「ただいまー!
外回りから直接来ちゃった」
電気も点けないで椅子に座って本を読む君にウインクを送る
無意識のままに口角が持ち上がる
冷めたコーヒーがカップの中で模様を描く
「…
おかえり…」
呆れを視線に乗せてじとっとした半目を向ける君
「声、おっきいよ…」
ゆっくりと立ち上がると羽織っていたカーディガンを椅子にかけた
シンクの中は水に浸けられた2食分の食器達が無言のまま睨み付ける
「チョコ買ってきたよ
ゴディバゴディバ
いらない?」
ニヤリと口元だけに感情を込めて、カサカサと紙袋を揺すった
「たべる…」
ほんのわずかにだけ少女の綻びが宿った目が紙袋の動きに合わせて揺れた
【作者意図】
主人公の軽薄な男性はおそらく不倫相手の家に手土産片手に訪れている。
慣れた様子からこれが初めてではないことが伺える。
そして彼女は朝、昼の食事に使った食器はそのままにして彼を待っている。
家事より彼を優先している可能性が高い。
そんなどこにでもありそうな出来事。
23 ペット
「ただいまー
お父さん、いる?」
「わん!わんわん!」
「わっ!
んふふ、たろうは僕が帰ってくるといっつも出迎えてくれるね」
「わんわん!
わぉん!」
「うんうん、お腹空いたんだね」
「わん!」
「でもごめんよ
ご飯の時間は決まってるんだ」
「くぅーん」
「あ!そうだ!
給食のパン、食べきれなかったから持って帰ってきたんだった!
ママには内緒だよ?」
「わん!」
「んふふ、美味しいかい?
牛乳持ってくるね」
「わん!」
「はい、どうぞ」
「わん!わん!」
ゴクゴク
ゲフゥ…
「夜ご飯は19時だからね、それまで運動してお腹空かせておくんだよ?
ママにバレちゃうから」
【作者意図】
会話がかなり成立していることと水の飲み方から、たろうは人間であろうことが伺える。
帰宅して父を探すが、たろうを見て以降探していないことから、たろうは父親である可能性がある。
たろうの様子から、彼も楽しんでいるものと思われる。
24 ひとだすけ
不謹慎な話だけど、これで自信が付けられたんだよね
この件のお陰で、数日後の面接で受かることになるなんて、この時は思ってなかったなぁ…
連絡した数分後、たぶん2分も経ってないくらいかな?救急隊が駆けつけたんだ
「救急隊です!患者の女性はどこですか?
通報頂いたのはあなたですか?
ありがとうございます!手遅れになるところでした」
彼らは野次馬にもハッキリ聞こえるであろう、一語一語流暢に腹式呼吸で謝辞を送ってくれた
簡素な担架が車から引っ張り出される
一瞬のやり取りだったけどこの時の台詞はたぶん一生忘れないよ
ホントに、良くないなぁって思ってたんだけど
達成感と万能感で顔がニヤケ大変だったんだ
その後、僕は背中にサイレンの音を聞きながら立ち去ったんだ
【作者意図】
主人公は劇場型の詐偽の登場人物の1人。
駆け付けた救急隊も当然偽物。
通報者にお礼なんて普通言わない。
25 朝には良い天気
その夜は嵐だった
夜ご飯の時、父さんは明日には止むだろうと言っていた
風の音はうるさいけど、この日の僕と母さんの秘密の時間は、いつもより特別なものだって思えた
「いい?お父さんにも内緒だよ?
これは犬、これは猫
こっちは馬」
ほん、と言うらしい
なんだってよかった
ネーナが産まれてから付きっきりだった母さんを一人占めできるのが嬉しかったんだ
ダァァアン!
翌朝、父さんが撃たれた
家の扉は壊され、母さんとネーナは何処かに行ってしまった
僕を買ったのは大きな男の人
そいつは連れてかれた狭い部屋で壁を指差して口を開いた
「これはなんだ?」
そこには紙が貼られていた
"D"、"O"、"G"…
「犬…?」
男の人は大きなため息をついた後、乱暴に僕の腕を引いた
痛くて「やめて」って言っても無駄だった
ここは狭くて冷たい、窓の無い部屋
1日に一回だけパンと水が渡された
【作者意図】
奴隷の識字能力をチェックする様子。
18世紀から19世紀ごろの奴隷は識字能力があると反乱の可能性があるとして、懲罰の対象となる可能性があった。
母親が内緒で教えたのは、彼女なりに将来を思ってのことだったんだと思う。




