22/27
17時すぎ
その日は足取りも軽く
滑るような淀みのなさで扉の前に立つと、ドアノブを回して手前に引いた
「ただいまー!
外回りから直接来ちゃった」
電気も点けないで椅子に座って本を読む君にウインクを送る
無意識のままに口角が持ち上がる
冷めたコーヒーがカップの中で模様を描く
「…
おかえり…」
呆れを視線に乗せてじとっとした半目を向ける君
「声、おっきいよ…」
ゆっくりと立ち上がると羽織っていたカーディガンを椅子にかけた
シンクの中は水に浸けられた2食分の食器達が無言のまま睨み付ける
「チョコ買ってきたよ
ゴディバゴディバ
いらない?」
ニヤリと口元だけに感情を込めて、カサカサと紙袋を揺すった
「たべる…」
ほんのわずかにだけ少女の綻びが宿った目が紙袋の動きに合わせて揺れた
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