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オラクル11のふたごころ  作者: 立夏 葉


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オブシディアン 2

そして結婚式が華やかに行われた。1年後には子どもも産まれた。母とオラクル11の計画通り、民は結婚に掻き立てられ、出生率はあがっていった。みなではないものの一部はマイバディとの絆の単調さに飽きていたようで、生身の人間との刺激的関係への回帰が始まった。自分とフローライトとの結婚だけではなく、有名モデルや人気作家、インフルエンサーがたて続けに結婚したり家族をつくったりしてみせたことで、結婚することこそ最高の幸せという風潮がまたたくまに広がった。人は幸せを、周囲を参考に見極めるのだと母は言っていたが、おそらくその通りなのだろう。


 だが見えているものが事実とは限らない。人々の幸せのロールモデルとなった自分たち夫婦の実態は、見せているものとは違う。そう考えるとやけに虚しくなる。見えているものが事実とは限らないなら、何を信じて生きていけばいいのだろう。


 空虚さを抱えて生きていくことに折り合いをつけるしかないのだろうと思った。この生活と人生を幸せと呼ぶことはとてもできそうにない。ただ、次の王としての義務を果たせたことでほっとした気持ちはあった。おそらく、人生とはこんな風にいつの間にか過ぎてゆくものなのだろう。日々はそれなりに忙しく過ぎていく。ただ心はいつも空っぽだった。


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