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オラクル11のふたごころ  作者: 立夏 葉


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2/13

王 2

 父王は私に民を幸せにすることが王の最大の努めだと教え育てた。私が王の座についてしたことは参謀としてオラクル11を迎えることだった。オラクル11は脳を模倣したニューロモルフィックチップを搭載した人型マシンで複雑な予測シミュレーションやシナリオ分析に優れていた。私の相談役として、判断し私を導いてくれた。しかしその結果はどうだろう。これが幸せな国なのだろうか。おそらく、「幸せ」の概念が私にもオラクル11にも、そして民にも正しく理解できていないのかもしれない。国の幸せと個人の幸せはまた異なる。私たちが民の幸せのために行った施策は、誰も子どもを持とうとしない社会を作り上げたのだ。



 私がオラクル11にまず出した指示は、民の不幸の源を分析するようにということだった。我が国は福祉が充実しており衣食住に困るような民はまずいない。それでも何故彼らは幸せとは言えないのだろうか。


 オラクル11の分析をシンプルに言えば、それは孤独のせいだった。人間は人との関わりのせいで苦しみを味わっていた。絆を望んだのに拒絶されること、望まぬ相手からの執着や裏切りなどのトラブル、気持ちを伝えることに怯え関係が進展しない孤独、気持ちを閉ざし他者を求めないことによる孤独、さまざまな関係による痛みの多くは深く分析すれば孤独に集約された。だから私たちは孤独の源を解析しどうすれば紛らわすことが可能かを検討し実現可能な計画を立案した。それがマイバディ計画だった。オラクル11ほど超高機能ではない安価な人型マシンを10歳以上の希望者に貸与するプランで、想定より多くの民から申し込みがあった。マシンの能力としては、労働能力は低いもののマルチモーダルAIに特化しておりコミュニケーション能力を高く設定してあった。また、オラクル11の分析により性的充足が幸福度と強い因果関係を持つことが明確だったため成人に貸与されるマシンにはセクサロイドの機能もつけてあった。


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