サイド L
『第3部隊が壊滅。生存者なし。バルバロスがやられました。ついでに側近のズールも』
円卓を囲う一人のディアブロが重苦しい空気の中で口を開いた。
誰も座っていない席に一斉に目線が集中する。ある者は笑い、ある者は軽蔑の眼差しを向け、そしてある者は静かに思い出に浸る。
『人類に負けるなど円卓の騎士の恥さらしよ』
『馬鹿を言え。バルバロスの実力は知っているだろう。奴は油断などもしない偉大な戦士だ』
『人類を相手に円卓の騎士が敗れるのはいつぶりか…由々しき事態になるかもしれない』
『相手は誰?巷で噂の騎士団長ランスロッド?』
『パラディンだ。男女二人組で行動しているようでバルバロスを倒した人間の名はユート・オモカゲ。男だ。もう一人の名はユカコ・ホシモリ。最大までチャージした【スティル オブ ジェノサイド】を真正面から打ち破った。女だ』
『男だ、女だ、なんてどうでもいい。バルバロスが倒させたのだ。これからの事を考えよう…うん、次は私が戦いに行こう。良いと思う』
『勝手に自分だけで問答するな、バトルジャンキーが…。それと由々しき事態になるかもしれないじゃなく、もうなっている。人類に円卓の騎士が倒されたのは36年ぶり。しかも新参者の人間に、あの高潔のバルバロスがトリニティのSoloで正々堂々と負けたのだ。悠長にしている場合ではない。ここまで抵抗されてきたのは怠慢だった。事の始まりは…』
『話が長い』
各々が好き放題に喋りまとまりがない。数人は全くしゃべる様子もなく何を考えているのかわからない。
『ふーん、やるじゃん』
玉座に鎮座していたローブの男が口を開いた。凍てつくような冷めた声。その瞬間、各々喋りたい事を口にしていた円卓の騎士が一斉に口を閉じ、玉座に視線を移す。
注目の的となった男は歯をむき出しにしてニヤリと不敵に笑う。
『円卓の騎士でも指折りの防御力を誇るバルバロスを倒すとは…悪くない。まぁズールは残念ながら予想通りかな。あの火力には少し見込みがあると思ってたけど所詮は候補生か…俺の目もまだまだだな。円卓の騎士の新しく候補を探さないとね。まぁバルバロスの代わりになる逸材が今のディアブロの中にいるとは思えないが…。ロイド、その役目は君に任せていいか?』
円卓の十席に座っていたロイドと呼ばれるディアブロが立ち上がり。
『ハハッ!承知しました!必ずやご期待に沿えるようこのロイド、身を粉にして働きます…【ルシファー様】』
その言葉にルシファーは満足げに笑う。
『ここまでたどり着けるのか…楽しみにしてるよ─
─面影夢叶』




