表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/72

01:【プロローグ】~デンジャーラ・ガレーラッツェ国王

 第三者視点~



「それではゼフリン・・・・。お前は儂に騎士か魔術師を貸せと言うのだな?」



 そう言って王座に座る、肥え太った男は、口ひげをいじりつつ、偉そうにゼフリンを見下ろした。

 その男こそガレーラッツェ王国国王、デンジャーラ・ガレーラッツェであった。



「仰せの通りでございます。セグメト王国はいつこの国に攻め込んでくるか、わからぬ状態でございます。その最初の標的が我が領、エオセーヌ領であることは間違いないでしょう」



 ゼフリン伯爵の統治する、エオセーヌ領はセグメト王国と接しており、現在色々ときな臭い噂のあるセグメト王国は、いつ攻め込んできてもおかしくはないと思われた。


 そのためゼフリン伯爵は、国王との謁見にて、助力を願い出たのだ。

 とくにこのガレーラッツェ王国で力を持つのは、騎士や魔術師であり、あのセグメト王国のアイアンゴーレムに対抗するためには、ぜひとも欲しい人材であった。


 そこでゼフリン伯爵は、デンジャーラ国王にセグメト王国のアイアンゴーレムの、脅威についても説明した。

 


「ほう? 冒険者が操って見せたのか? そのアイアンゴーレムを? しかもそのアイアンゴーレムを仕留めたのもその冒険者であったと?」


「はい・・・・。無名の冒険者パーティーではありますが、まあ・・・・実力だけは確かです」



 ゼフリン伯爵は助成は必要だったが、その冒険者については、デンジャーラ国王に知られたくなかった。

 それはこの欲深なデンジャーラ国王に、あの風変わりな聖獣を、会わせたくなかったからに他ならない。

 だから出来るだけ彼らについては、伏せるつもりでいた。


 だが状況はそう上手くはいかなかった。


 側近の者がデンジャーラ国王に何か耳打ちすると、デンジャーラ国王の口角が上がる。

 どうやらその側近には、彼らについての情報が、漏れていたようだ。


 大方使用人の中にスパイでも、紛れ込ませていたのだろうと、ゼフリン伯爵は勘ぐる。



「その冒険者に会ってみたくなったぞ」



 そしてにやけ顔で、デンジャーラ国王はそう口にしたのだ。

 王の口にしたことは命令にも近い。

 側近はただちに王の意向を果たすために動き出すだろう。

 その前になんとかせねばと、ゼフリン伯爵は口を挟む。



「し、しかし国王! 相手は粗暴な冒険者でして・・・」


「貴様なら冒険者の躾などいくらでもできよう。儂が助成するかどうかは・・・それからだ」


「は、はあ・・・」


 

 そう言われてはゼフリン伯爵も、何も言い返すことが出来なかった。


 こうなれば出来るだけ、悪い方向に行かないように、立ちまわる他ないとゼフリン伯爵は、頭を巡らせるのだった。


 この一ヶ月後、ゼフリン伯爵の屋敷に、国王からの使者が、やってくることになるのだ。





 熊太郎視点~ 



「やい貴様! なぜ結城(ゆうき)の後を追わなかった!?」



 オレが依頼をこなすために、旅立つユーキを見送った話をすると、藤田会長がそんなことを言って来た。


 その日の昼過ぎに、田中と護衛の黒服に連れられて、藤田会長がオレの部屋に尋ねて来たのだ。

 その時にユーキの話を聞かれ、事情を話したのが事の発端だ。


 田中はそのもめ事に巻き込まれまいと、我関せぬ様子で、デスクワークならぬ、座卓ワークに徹していた。



「勘弁してくださいよ会長! オレやて色々用事があるんです!」



 報酬はあれから受け取ってはいないし、オレがユーキについていく義理もない。

 それに狩りや依頼で稼がないと、オレやヒマ、エマの生活にも影響しかねない。



「それに国王から招集がかかっているんです。行かないとどうなるかわかりません」



 数日前にオレたちの前に、国王からの招集を知らせる、使者が来ていた。

 オレたちはその国王の招集に従い、王都に行かなければならないのだ。



「なに!? 貴様どんな悪さをして呼びつけられた!? 貴様が処刑でもされていなくなれば、結城と私をつなぐ者が、いなくなってしまうではないか!」


「初めから悪いことと決めつけんでください! 謁見に行くだけです!」



 もしオレが何か悪いことをして、連行されるなら、牢屋に入れられて運ばれるはずだ。

 ところが今回迎えにきた使者は、明らかに友好的な感じだ。


 あれでいきなり引っ付構えて、連行し始めるとか、ありえない話だ。


 そして謁見の理由についても、ゼフリン伯爵からすでに聞いているのだ。

 なんでもゼフリン伯爵が、国王に騎士または魔術師による、応援要請を頼んだようだ。


 それはセグメト王国が、ゼフリン伯爵の統治する、エオセーヌ領に攻め込んでくる可能性があったからだ。

 

 その時にセグメト王国の物と思われる、アイアンゴーレムを倒した冒険者パーティーの名前を聞かれ、答えずにはいられなかったという。


 そこでぜひ国王が、会ってみたいと言い出し、オレたちに招集命令が出たのだようだ。


 最悪聖獣の名前を使い、すっぽかすことも出来たかもしれないが、報奨なども出るそうなので、これは悪い話ではないと思ったのだ。



「くそぉ! いっそ私がそのゲームに入れたなら・・・・」



 すると藤田会長が、そんなことを言いだした。

 その藤田会長の言葉・・・・何かのフラグにならんやろな?

 お読みくださりありがとうございます。


 面白い!

 また読みたい!


 と感じた方はぜひ・・・・


 《ブックマーク》 と


 評価★★★★★を

 

 お願いします。

 いつも誤字報告を下さる方、ありがとうございます。

 感想、レビューもお待ちしております。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ