表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/72

04:装備を作ってみた

「おお! これが鉄の鉱脈か!?」



 オレは妖精たちの案内で、チュートリアルフィールドにあるといわれる、鉄の鉱脈に来ていた。

 そこには鉄の鉱脈らしき岩山があり、そこの岩壁から鉄鉱石が採掘可能なようだ。


 鉄鉱石は【操土】で岩壁を操作することで、簡単にかつ大量に、採掘することができた。



「他にもおもろそうな石が転がっとるな!」



 またその周囲には白い【綿石】という石が、無数に転がっていた。


 アイテム説明によると、この【綿石】からは、布製品が作れるらしい。

 そして【綿石】は嬉しいことに、【操土】で使えるようだ。

 まさか土魔法で衣類までもが造れるとは思いもよらなかった。


 また【綿石】は重ねて使うことで、革のようにもなるそうなので制作の幅が広がる。


 そして次の目標は【ゴーレム製作】を覚えることだ。

 【ゴーレム製作】は【操鉄】を使いまくることで覚える魔法だ。


 そのために鉄鉱石を使い、【操鉄】でかっこいい鉄製の装備を造りまくってやるのだ。



「いったい何作ろうかな・・・♪」



 オレは鼻歌交じりに製作を開始した。


 オレが最初に造り上げたのは鉄製の剣だ。

 長さが1.5メートルほどの、騎士が装備するようなロングソードだ。

 オレはそのかっこよさに、ほれぼれする。



「ぬ! 重くて振り回せん!」



 だが筋力のないオレには、残念ながら、そのロングソードを扱うことができなかった。


 オレはロングソードを諦める他なかった。



「しゃあないな・・・・。次は鎧を作るか・・・・」



 そして次に造ったのは、騎士が装備するようなかっこいい鎧だ。

 この鎧はオレの身長に合わせて、小さくしてあるのだ。


 さっそくオレはその鎧を装備してみた。



「・・・・・動かれへん!!」



 だが筋力のないオレには、その鎧を着て、動くことが出来なかった。



「こないないことあるか! 装備くらいまともにさせて!」



 オレはそのゲーム仕様に憤ったが、現実はあまくないようだ。

 ゲームは現実ではないが・・・・・。


 けっきょく装備できたのは、上着と赤いマフラーと革のベルトくらいだ。

 武器はなんとか10cmほどの、ミニマムダガーを装備することができた。



『土魔法に【ゴーレム製作】が追加されました』


「おう?」



 そしてこのタイミングで、ようやく【ゴーレム製作】の魔法を、習得することが出来た。


 

「リファレンスやと?」



 【ゴーレム製作】にはリファレンスなる、魔法における命令系統の説明書がある。

 その命令系統を上手く使うことで、自由自在にゴーレムを、造り出せるというわけだ。


 そのリファレンスには、色々とサンプルも掲載されており、そのサンプルを使うことで、標準的なゴーレムを造り出すことも可能だ。


 オレはさっそく標準的なゴーレムを、造ってみることにした。



「鈍重やな・・・・」



 ところが完成したゴーレムは、想像以上に動きが鈍重だった。



「拳ロケット!」



 拳ロケットはその名の通り、拳を切り離して飛ばす技だ。

 ゴーレムには体の一部を切り離して、飛ばすことが出来るのだ。

 ところが鈍重ゆえに、標準を合わせている間に、敵に逃げられてしまいそうな感じもある。



「微妙やな・・・・」



 正直このゴーレムが、本当に戦闘に役立つかどうかは微妙なところだ。



「だがあれならいけるんちゃう?」



 だがそのゴーレムの技を見て、オレはあることを閃いたのだ。

 オレはさっそくその閃いた物の、製作に取り掛かった。



「完成や!」



 その武器は小さく、ゴーレム程の製作時間は、かからなかった。

 そいつはオレが片手で持てるくらいに、小さな武器なのだ。



 パン! パパン!


「おお! 成功や!」



 オレがその武器から放った弾丸が、石の板に突き刺さる。


 そう・・・・オレが造ったのは拳銃だ。


 その拳銃は24発の弾を装填可能で連発も可能だ。

 拳銃の弾を飛ばす仕組みには、ゴーレムの拳を飛ばす仕組みを転用した。

 その拳を飛ばす仕組みも、速度の調整が可能で、速度を上げることで、威力も増すのだ。


 この拳銃は、非力なオレでも装備可能な、見た目よし威力よしの完璧な武器だ。 


 そして【ゴーレム製作】の次には、【タロス製作】を習得することが出来るようだ。

 この【タロス製作】は、魔法を使うゴーレムを造るためのクリエイト魔法だ。


 その【タロス製作】を使うことで、ゆくゆくはこの拳銃を、魔銃にも改造可能というわけだ。


 だがその【タロス製作】を習得するには、【ゴーレム製作】を使い続ける以外にも、習得条件があるようなのだ。


 だから魔銃を造るのは、まだ先の話になりそうだ。



「待てよ・・・。これいけるんやったら、あれもいけるんとちゃう?」


 

 オレが次に注目したのは、ゴーレムの関節の動きについてだ。 

 拳を飛ばす速度の調整が可能ならば、関節を動かす速度の調整も可能だと考えたのだ。

 そして関節の動きを速くすることで、ゴーレムの鈍重な動きも解消できるはずだ。


 オレはリファレンスを読み直し、それに関する命令を探し始めた。



「あったああああ!!」



 そして無事に関節の動きを速くする命令を、見つけることが出来たのだ。



「でもせっかく造るんやったらもっとロマンを追い求めんとな・・・・」



 こうしてオレはさらに何日もかけて、ゴーレム製作に、ロマンを追い求めたのだ。

 


「できたああああ!!」



 そして出来上がったのが、このごっついゴーレムだ。


 そのゴーレムは両手が長く、足が太く短い。

 身長は4メートルもあり、まるでゴリラのような見た目だ。


 お腹の部分にハッチがあり、そこからの搭乗が可能なのだ。

 ちなみにそのハッチ、透明なガラスがついているが、実はそれはガラスではない。


 【操鉄】では鉄の色の変更も可能で、透明度もいじれるのだ。

 そこで鉄の透明度を上げて、ガラスのような見た目にしているのだ。

 おかげでそのゴーレムも、カラフルでかっこいいものに仕上がった。

 


「お前はゴリメタルマークワンや!」



 オレはそのゴーレムを、ゴリメタルマークワンと名付けたのだ。

 ゴリメタルマークワンは、搭乗者の動きに合わせて動く、超高性能ゴーレムだ。

 さらに左手にパイルハンガー、右手にはガトリング砲を搭載している。


 ゴリメタルマークワンの起動には300MP必要だが、オレのMPであれば問題なく起動可能だ。

 しかもオレのMPはあれから、魔法を使い続けることでさらに成長し、475まで増えているのだ。



「ゴリメタルマークワン・・・起動!!」



 オレはさっそくゴリメタルマークワンに搭乗すると、試運転を開始した。


 

『魔力出力が不足しています。起動にはMAGが160以上必要です』


「なにいいいい!?」



 HP 32

 MP 475

 STR 2  (標準男性の数値 11)

 AGL 52 (標準男性の数値 8)

 MAG 93 (標準男性の数値 6)



 ところがゴリメタルマークワンを起動するには、オレのMAGが足りないことが判明した。

 考えてみれば、あちこちの関節部位の動きを速くすれば、稼働に必要な出力がさらに必要になる。

 基本的なゴーレムが鈍重な動きである理由は、MAGが低くても、十分に動かせるようにするためだったようだ。


 

「くそおおお! ロマンと言う名の沼に溺れた!!」



 オレは憤ったが、人は時にロマンを追い求めるあまり、冷静さを欠くことがあるのだ。

 今のオレが丁度そんな感じだった。


 

「ぬぬぬぬ・・・・・ゴリメタルマークワンは・・・・失敗だあああああ!!」



 こうしてオレのロマンは、オレの涙と共に、現実と言う名の理不尽に衝突して、砕け散ったのだ。 


 そんな失敗もあったが、オレには拳銃と言う兵器を手に入れたのだ。

 これで戦うには、問題がない。

 

 次はいよいよこのチュートリアルフィールドを出て、冒険に出てみるのもいいだろう。



「あれ・・・ちょっとまてよ・・・・」



 ところがここまで来てオレは、重大なことに気付いたのだ。



「このゲームの目的ってなんや?」



 そう。それがこのゲームでのオレの目的だ。


 通常ゲームには魔王を倒す、クリスタルを集めるなどの目的があるはずだ。

 いったいこのゲームの目的とは何だろうか?


 まあ今までそれを失念していたのもおかしな話だが・・・・。


 このゲーム【聖獣の伝説】は、次々と伝説を造り上げ、聖獣として活躍していくゲームだ。


 ならその伝説はどうやって作っていけばいいというのだろうか?



「目的ならクエストに書いてある!」


「ステータス欄のクエストだよ!」


「クエストをタップするといい!」


「クエストだと?」



 オレは妖精たちに言われるがままに、スマホを手に取り、ステータス欄にあるクエストの文字をタップした。

 するとクエストの内容が、記載されたページが開いた。



「勇者ユーキにコーラを届ける?」



 そしてそのクエストの内容に、そう記されていたのだ。

 


「コーラってあの飲むコーラのことやろか? なんでまたそんなんが伝説になるんや?」



 オレはそのクエスト内容を見て、困惑せざるを得なかった。

 


 フォボス

 年齢 0歳

 種族 熊の聖獣


 HP 32

 MP 475↑

 STR 2  (標準男性の数値 11)

 AGL 52 (標準男性の数値 8)

 MAG 93↑ (標準男性の数値 6)


 スキル

  土魔法 : 【操土】【操鉄】【ストーンバレット】【アースウォール】【ゴーレム製作】


 お読みくださりありがとうございます。


 面白い!

 また読みたい!


 と感じた方はぜひ・・・・


 《ブックマーク》 と


 評価★★★★★を

 

 お願いします。

 いつも誤字報告を下さる方、ありがとうございます。

 感想、レビューもお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ