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06:盗賊の調査

 お読みくださりありがとうございます。


 面白い!

 また読みたい!


 と感じた方はぜひ・・・・


 《ブックマーク》 と


 評価★★★★★を

 

 お願いします。

 いつも誤字報告を下さる方、ありがとうございます。

 感想、レビューもお待ちしております。


 そのころオレたちは、街道に出没するという盗賊の調査をするために、街道を進んでいた。

 調査のメンバーは冒険者である、オレとヒマにエマ、それにサロモンの護衛が4人程だ。

 サロモンの護衛は、元冒険者のC~Bランクの、ベテランばかりだ。

 それにゴリメタルマークワンに乗り込むヒマに、大きなハルバートを携えたエマがいる。


 その誰もが大変心強いメンバーだ。

 ただオレを除いては・・・・


 オレは盗賊からの、弓矢などの飛び道具による攻撃を恐れて、へっぴり腰で、ゴリメタルの後ろに隠れている。

 面白そうだからという理由から、参加した調査だったが、盗賊が木の影などに隠れて、弓矢などで攻撃してくる話を聞いて、怖くなってきたのだ。


 何気ない口調でそんな話をしたのは、今も余裕な感じで歩いているエマだ。

 彼女は12歳くらいの見た目の少女だが、相当な困難を潜り抜けてきているようだ。


 そしてここらに出没するという盗賊だが、かなり厄介なのだという。

 この地域を商売の生業とする行商人や、移動中の商人や貴族が、立て続けに襲われ、その盗賊の被害にあっているそうだ。

 討伐依頼を受けた冒険者も、次々と依頼を失敗しているらしい。


 なんでも盗賊の中には、巨大なアイアンゴーレムをテイムしている者がおり、そのアイアンゴーレムが討伐を困難にしているようだ。


 アイアンゴーレムは三体目撃されており、その頑強さから、武器も魔法も効果が薄いようだ。



「と、とと、盗賊は本当にこの辺りに出るんか!?」



 この子熊ボディーが攻撃を受けて、本体のオレに何かあるとは思えない。

 だがこのゲームのリアルさが、攻撃を受けた時の恐怖を、駆り立てるのも確かだ。

 最悪この子熊ボディーが死ねば、二度とログインできなくなるのではないかという、考えもよぎってくる。



「クマへたれ~」


「クマさま・・・・いくら何でも怖がりすぎです。そんな具合であれば、村で待っていれば良かったではないですか・・・」

 


 そんなオレをヒマとエマは呆れるが、怖いものは怖いので仕方がない。



 ガキーン!!



 その時エマがハルバートを振り回したかと思うと、何かが弾けるような金属音が響いた。





 第三者視点~



「冒険者らしき集団と、未知の魔道鎧装が近付いているだと?」



 口髭をたくわえた偉そうな男が、そう若い男に言葉を向ける。


 そこは森の開けた場所で、いくつかの天幕と、焚火の跡が見られる。

 その男二人の他に、十数人の男がその場には集まっていた。

 そして天幕から離れた場所には、三体のアイアンゴーレムが立っていたのだ。


 そのアイアンゴーレムはずんぐりむっくりな体型で、頭は平たい円盤のような形をしている。

 その頭には飛び出た筒のような、目のような部分が付いているのだ。

 その身長は4m程と巨大で、装備している剣も3mはある。

 巨大なタワーシールドも携え、その守りもかなり頑強なように見える。


 口髭の男は目の前の若い男に、何かの報告を受けているようだ。



「ガレーラッツェ王国は魔道鎧装を所持していないという話だったが?」


「それがその・・・・ロックモンキーのような見た目のタイプでして・・・・」



 ロックモンキーとは、山岳地帯などに出没する、主に岩を投げて攻撃してくる、猿型のモンスターである。



「その魔道鎧装の性能・・・・我らが【イーパ7式】を使い、確かめてみる必要があるな・・・・」



 口髭の男が言う【イーパ7式】とは、彼らが所持する三体のアイアンゴーレムのことである。

 またそのアイアンゴーレムことを彼らは、【魔道鎧装】とよんでいた。


 彼らの正体は隣接する国である、セグメト王国から送られた工作部隊である。

 そして口髭の男は、工作部隊の隊長で、その名をゼーゲブレヒトといった。


 その任務はガレーラッツェ王国の、戦力を調査することであり、また【イーパ7式】とよばれる【魔道鎧装】の、起動データを収集することでもあった。


 そのため盗賊に扮し、商人や冒険者、貴族などを襲い、その戦力をはかっていたのだ。


 このセグメト王国は通称ゴーレム王国とよばれ、多くの魔道鎧装を開発していた。

 そして自国の魔道鎧装こそ最強だと、自負もしていた。


 そしてゆくゆくはこのガレーラッツェ王国に、魔道鎧装で攻め込み、占領する気であった。



「未知の魔道鎧装の装備は、何であるかわかるか?」


「右腕には杭のようなものが付いており、左腕には筒のようなものが付いていました」


「筒と杭だと? そんなもの何に使うんだ?」



 その筒と杭とは、パイルバンカーとガトリング砲のことである。

 ところが銃すら存在しない、セグメト王国の彼らには、それが武器であるということすら、理解できなかったのである。



「その魔道鎧装は武器すら持っておらぬと見える。恐れる必要はないだろう・・・」



 ゼーゲブレヒトはその未知の魔道鎧装を、戦力外と判断した。

 そして巨大な剣と盾を持つ、イーパ7式の優位性を見て笑みを浮かべる。



「先遣隊は先に現場へ向かい、弓矢で敵の戦力を減らしておけ。倒せるならその魔道鎧装の出来損ないもついでに倒しておいてもいいぞ!」


「「ははは!」」



 ゼーゲブレヒトの貶すような言葉に、周囲の男たちがいっせいに笑い声を上げる。





「矢が弾かれたぞ!」


「なんだあの怪力少女は!?」



 向かった先で、冒険者らしき集団に矢を射た先遣隊は、その巨大なハルバートでその矢を弾かれ、驚愕していた。

 その巨大なハルバートを振り回すのは、まだ年端も行かず少女だったのだ。

 そしてそんな存在に、彼らは覚えがあった。



「あの大斧・・・・もしかしてヴァルキュリアか!?」



 その存在こそ大陸中で噂になっていた強力な種族、ヴァルキリアだったのである。

 彼女らは数多の戦場で活躍し、その名前を轟かせていたのだ。


 その巨大なハルバートは、強固な鎧をも叩き切り、馬だろうが人だろうが、簡単になぎ倒した。


 そして彼らも、例外ではなかった。



 ズバ! ズバ~ン!!


「「ぐああああああ!!」」



 飛ぶように距離を詰めて来た彼女に、先遣隊は手も足も出すことができず、次々と倒されていったのだ。


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