05:冒険者の盗賊討伐依頼
第三者視点~
その日盗賊討伐以来を受けた、冒険者の一団が、盗賊が出没するという街道を目指していた。
その数は6パーティーで40名ほどだ。
討伐対象の盗賊団の人数は不明、ゴーレムらしき魔物をテイムしているという話だった。
そして盗賊団が出没するという街道は、すぐそこまで迫っていた。
「アントン! そろそろ例の場所だ!」
「ああ! 全員戦闘態勢に入れ!」
斥候の知らせを受け、全パーティー代表のアントンが、全員に指示を出した。
すると強面の冒険者たちは、次々と武器を抜き放った。
「出たぞ! 盗賊は20名あまりだ!」
現れた盗賊は20名ほど、全員すでに弓矢をつがえて待ち受けていた。
「待ち伏せか!?」
「盾を用意しろ! 矢を防げ!」
アントンの指示に合わせて、盾役の冒険者が一斉に前に出て盾を構える。
ピュ! ピュピュ!
「ぐわっ!」「ぎゃ!」
数名がその矢に被弾するが、その矢に倒れたのは一名ほどだ。
「次をつがえさせるひまを与えるな! 全員突撃だ!」
「「わあああああ!!」」
盗賊が矢をつがえ直すには、その距離は短い。
冒険者の一団は、一斉に盗賊の一団に斬りかかった。
「盗賊が逃げるぞ! 追いかけろ!」
その冒険者たちの気迫に負けたのか、盗賊たちは急にかかとを返して逃走を開始する。
ガキン! ガキン・・・・!
盗賊を追いかけていると、そこに巨大な何かが姿を現した。
「アイアンゴーレムだと!?」
「姿が変だぞ! 特殊固体か!?」
通常アイアンゴーレムは、鉄の塊を積み重ねたような、人型をしているものだ。
だがそのアイアンゴーレムは、奇妙な姿をしていたのだ。
それはずんぐりむっくりの体系で、円盤のような頭をもつ、妙に形の整ったアイアンゴーレムだった。
「ここは俺たちに任せろ!」
「我らの魔法ならゴーレムごとき・・・!」
そこで二人の魔術師が前に出た。
彼らは今回ゴーレムを倒すために雇われた火力の高い魔術師2名だ。
「「・・・・ファイヤーボール!!」」
ボボウ!!
二人の魔術師が同時に大きな火球を放つ。
アイアンゴーレムは体の合間に、岩石なども含むため、魔法などの強力な攻撃を受ければ、弱い部分から崩壊していくのだ。
ガガ~ン!!
「何だ!? 防がれたのか!?」
だが見るとアイアンゴーレムは、巨大な盾を構えており、その火球を防いでいたのだ。
「接近して足を狙え! 何度か攻撃すれば倒れるはずだ!」
「「おおおおおお!!」」
そのアイアンゴーレムは巨大だ。
その重量を支える足には、かなりの負担がかかっているだろう。
そのため足を何度も攻撃すれば、その負荷に耐え切れず倒れるのだ。
ガガキン! ガキンガキン!
「駄目だ丈夫すぎる!」
「装甲がまるで分厚い鎧のようだ!」
だがその装甲は厚く、冒険者たちの武器では、うっすらと傷をつける程度にしかならない。
そして安定感も抜群な構造なため、転倒などすることもない。
「ではこちらも反撃するとしよう・・・・」
やがてアイアンゴーレムの中から声が聞こえてきた。
「何だ!? ゴーレムがしゃべったのか!?」
「中に人がいるのか!?」
アイアンゴーレムは、不気味な細い目を冒険者に向けると、巨大な剣を抜き放った。
「今の俺たちじゃああんなのには勝てねえぞ!」
「退却だああああ!」
そのアントンの指示で、冒険者の一団は一斉に退却を開始する。
ガキン! ガキン・・・・!
「駄目だ! こちらからもさらに二体やってきたぞ!」
するとさらに二体のアイアンゴーレムが現れ、撤退する冒険者の一団の道を塞いだ。
ズバア~ン!!
「「ぎゃああああああ!!」」
アイアンゴーレムが巨大な大剣を一振りすると、何人もの冒険者が、吹き飛ばされていく。
「だはははは! しねえ冒険者風情が! 我らが魔道鎧装の力を見るがいい!」
そこからはアイアンゴーレムの、一方的な殺戮が始まった。
今回依頼を受けた冒険者は、誰一人として、帰還することはなかったという。
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