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06:ヒマの目的

「イーワンが・・・・言った。聖獣に人間の愚かな行いの事実を伝えろと・・・・」


「イーワン?」



 ヒマによるとイーワンというのは、オーガ村で最強の戦士であったようだ。

 そのイーワンがヒマを逃がす間際に、村への襲撃のことを、聖獣に伝えるようにと言づけたらしい。


 ヒマの目的は聖獣に、人間の襲撃について、伝えることであったようだ。

 なんでもそのオーガ村は、ある聖獣の庇護下にあった村で、その襲撃は約定違反だとかなんとか・・・・。


 まあオレのあずかり知らないことだし、オレはその訴えに対して、なんとも言いようがない。

 だからと言って、その人間の行為を許すことはできないが・・・・。



「悪いヒマ・・・・。多分その聖獣はオレじゃねえ」



 オレは正直にヒマが探している聖獣が、オレでないことを明かした。

 それが先代のフォボスであるか、まったく別の聖獣であるかは、わからないがな。



「クマとは別の聖獣がいる?」


「聖獣は沢山いる!」


「聖獣は12柱いるよ!」


「そうそう! 12柱いる!」



 どうやら妖精たちによると、聖獣は12柱存在しているようだ。

 ならその中に、オーガの村を庇護した聖獣が、いる可能性はあるな・・・・。



「ヒマ。お前の探している聖獣の姿はわかるか? たぶん祭られている存在とかそういうのだと思うんだが・・・・」



 オーガの村を庇護していたなら、その聖獣が村で信仰されていても可笑しくはない。

 日本でも狐などが信仰され、祭られていた例はある。



「オーガ村・・・・兎祭っていた」



 ヒマは少し考え込んだ後にそう答えた。


 兎を祭っていた?

 オーガにしては随分と可愛らしい動物を祭るものだ。



「兎ならアマルテアよ!」


「その子はアマルテアだね!」


「そうそう! アマルテア!」



 どうやら兎の聖獣が存在していて、アマルテアとよばれているようだ。

 だが兎というイメージから、とてもオーガを庇護するほど、強い存在には思えない。



「アマルテアは武の聖獣!」


「そうそう! なんでも蹴り壊すの!」



 どうやらアマルテアは、オレが思っているよりも、ずっと物騒な兎のようだ。



「ならそのアマルテアとやらを一緒に探すか?」



 だがヒマが望むなら、一緒にアマルテアを探してやってもいいだろう。



「うん・・・・。ヒマ、クマが一緒にいるなら嬉しい・・・・」



 どうやら話は決まったようだ。

 問題はオレがこのゲームを、離れている間のヒマの安全についてだが、それはこれから考えるしかない。


 それよりも先に、アマルテアの居場所を知るのが先だ。



「そのアマルテアは今どこにおるん?」



 オレはアマルテアの居場所を、妖精たちに尋ねた。



「放浪の旅?」


「修行の旅だよきっと!」



 どうやら妖精たちには、アマルテアの居場所はわからないようだ。

 これは一刻も早く街か村に入り、情報を集める必要があるだろう。


 その前にその街か村の住人が、友好的であることを、確かめる必要はあるがな。


 またヒマの現在の強さについても、確認しておく必要があるだろう。

 それによってヒマがどれだけ自己防衛が可能か、判断することができる。


 聖獣は眷属のステータスを、確認することができるのだ。

 つまりオレには、ヒマのステータスを、見ることが可能なのだ。



「ヒマのステータスを確認したいんだが・・・・いいか?」



 オレはヒマのステータスを見る前に、ヒマに確認をとる。



「ステータス? なに?」



 するとヒマはステータスが理解できないようで、オレに尋ねて来た。



「ステータスは強さや能力を表す数値だ。オレはヒマのステータスを見ることが出来るんだ。その数値によって、これからヒマに造ってやる装備がわかるんだ」



 オレの特技は武器や道具を作ることだし、ヒマには最善の武器を与えておきたいと思っている。


 能力によっては、ヒマに渡す武器も変わってくるだろう。

 力が強ければ、剣や斧などの武器が使えるし、魔力が高いなら、何かの銃などでもいい。



「おお! ヒマ、ヒマの強さ知りたい! クマ教えて!」



 どうやらヒマもオレがヒマのステータスを見ることに関しては乗り気のようだ。

 そしてその内容を教えて欲しいという。



「よし! それじゃあ確認するぞ!」


「わくわく!」



 オレはヒマのステータスを確認した。

 すると以下のように表示された。



 名前 ヒマーリャン

 年齢 5歳

 種族 オーガ(特殊固体)

 HP 46

 MP 2640/2980


 STR 6  (標準男性の数値 11)

 AGL 4 (標準男性の数値 8)

 MAG 167 (標準男性の数値 6)


 スキル

  【姿隠しの術】【見えざるにょろにょろの手】



「な! ヒマお前いったい何者や!? MPとMAGの数値が明らかにおかしいぞ!」


「ん~?」


 オレはそのヒマのステータスを見て仰天した。


 ヒマにはその意味が分からないようで、首をかしげているが、その数値は明らかに隔絶していたのだ。

 まあそれに対して、スキルが少し残念なのが気になるが・・・・。

 【見えざるにょろにょろの手】ってなんだ・・・・?


 種族に【特殊固体】とついていることから、ヒマが普通のオーガではないことが、明らかに見て取れた。


 いったいヒマは何者なのだろうか?


 まあそのステータスから、ゴリメタルマークワンのパイロットには、うってつけの人材だというのはわかったが・・・・。


 だがゴリメタルマークワンを、使えない状況もあるだろう。


 例えば街や村では、巨大なゴリメタルマークワンが、危険視される可能性もある。

 そこでオレは、ヒマの新たな装備について、思考を巡らせ始めた。


 お読みくださりありがとうございます。


 面白い!

 また読みたい!


 と感じた方はぜひ・・・・


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