プロローグ
16世紀、大航海時代の真っ只中、数多の航海士たちが大海原に出て新大陸の発見や貿易で栄えていた。
ベンドレディビアハーバーから見える水平線にも太陽の頭が見えた。海鳥の鳴き声とともに商人たちのかけ声が響き渡る。陸地から伸びる数々のロープの先には大きな帆船、海風にながれてやってくる潮の匂い、そして海の色と対比したレンガ造りの家々。
中世ヨーロッパ好きにはたまらない素晴らしい景色が広がる小さながら素敵な街である。
そんな中、小さい路地にある飲み屋、ディスコードというバーにウイスキーの瓶を握りしめて奥の方の席に座っている人がいる。
身なりはというと…ぱっとしない。後ろで縛ってある長い髪の毛に唇の上のヒゲ、そして少し穴の空いた皮のコートを羽織っているというなんとも言えない不格好で座っていた。
こんなどこにでもいそうな、ある意味どこにもいなさそうな人だが実はすごいやつなのである。まあこの中にいる人誰もがそのことを知らないし本人もそれを望んでいる。
今日も一人飲んでいると、よく聞き馴染みのある声が瓶を左右する液体の音とともにカウンターの方から聞こえてきた…
続きもお楽しみに!!