242ー諦めてない
アコレーシアは友達というより、好きな子なのだから。
婚約の話はどうなったのかな? 他の男の子に横槍を入れられる前に、なんとかしたい。
「かあしゃま、あこちゃんとのこんやくは、どうなりましたか?」
「そうね、お話はしてあるわよ。少し考えさせてくださいってお返事がきたわ」
「え……」
それって、どうなの? アコレーシアの気持ちはどうなのだろう? 駄目ってことなのかな?
「ラウ坊の家と縁を繋げるのじゃ。そりゃ少し考える時間も必要じゃろう」
「ろうし、しょうなの?」
「そうじゃな。ラウ坊の家は、この国の貴族の中では一番上になるからの」
え、それで考えるのか? 父の職務内容もあるからなのかな?
ちょっと考え込んでしまった。前の時は婚約していたから、良い返事を貰えると疑いもしなかった。
前の時は7歳で婚約した。今はまだ3歳だ。だからまだ無理なのかも知れない。
「ラウ、そんなに考え込まなくても大丈夫よ。きっと良いお返事がいただけるわ」
「かあしゃま、しょうれしゅか?」
「ええ、ただね。少し覚悟が必要なのだと思うわ。私もそうだったもの」
ああ、やっぱ父の職務内容だろう。公にはされていないが、アコレーシアの家格なら知っているだろう。
それにアコレーシアの父親は、今は宰相補佐をしている。なら当然、知っているだろう。危険だということも分かっている。
俺は一緒にいたいけど、アコレーシアやその家族を危険な目に遭わせたいわけじゃない。
そこがなあ、考えてしまうところだ。だけど、何度考えても、アコレーシアを諦めるなんて選択肢はなかった。だって、大好きなのだもの。
「らいしゅき」
「あら、ふふふ。ラウったら」
おっと、思わず口に出てしまった。
「それよりもじゃ。今日は殿下も精霊界に行ったのだろう?」
「えっちょ……」
「ラウ、老師なら大丈夫よ。以前お父様が拉致された時にも、力になってくださったの」
「しょうなのれしゅか?」
それは初耳だ。俺がまだ産まれる前のことだ。使い魔として精霊を借りるようになった切っ掛けでもある。
父があの国、デオレグーノ神王国に拉致された。任務中の出来事で、どうすることもできなかったという。
「あの時も、ワシは行けなかったのじゃ。今度こそと思ったのじゃがな」
今回は老師が、王子の解毒をしていてくれた。それも大事なんだ。でないと、王子の命はなかっただろうから。
「まあ、適材適所じゃな。ふおッふぉッふぉッ」
今は納得しているらしい。レイラちゃんと一緒に、美味しそうにおやつを食べている。ほら、またレイラちゃんにほっぺを拭かれているぞ。どっちが大人なのか、分かったもんじゃない。
「じゃがな、行きたいことには変わりないぞ。どうだったんじゃ? どんなところなんじゃ?」
諦めてはいないらしい。俺は0歳の時からちょくちょく行っているから、そんな特別感はないのだけど。
「きらきらしてましゅよ」
「キラキラか!?」
「あい。おはながさいてて、おがわがあって」
「ほうほう、それで?」
「ぴーちりんの、きがあって……」
「持って帰ってきたピーチリンじゃな! あれはデカイ桃みたいじゃったな!」
「しょうしょう。しょのむこうに、せかいじゅがあって」
「な、な、なんじゃとぉッ!? 世界樹かッ!?」
「うん、めっちゃおおきいの」
「そうじゃろうな! 世界樹だからな!」
ふふふ、楽しそうだ。あんなことがあったけど、王子を助けることができた。まだ問題はあるけど。
「まあ、殿下が考えておるだろう」
「そうですわね」
老師とレイラちゃんは、おフクにお土産をもらってウホウホと帰って行った。
その日の夜だ。昼間に老師と母が話していた通り、父が帰ってくるとあの会議室に招集がかかった。
「さて、皆集まったか?」
いつものように、心を鷲掴みにされるような父のバリトンボイスで会議が始まる。相変わらずイケボだ。
いつもの会議室にいつものメンバーが揃っている。アンジーさんはちょっぴりお疲れ気味だ。きっと城で色々動いていたのだろう。
それよりも、今は夕ご飯を食べた後だ。いつもなら、そろそろベッドに入りましょうねとおフクに言われる時間だ。
ミミなんて、俺の肩でウトウトとしている。時々『ピヨ』と鳴きながら。俺もちょっぴりお眠だ。
「ラウ、寝るのじゃないぞ」
「あい、とうしゃま」
まあ、頑張って起きているよ。あれからどうなったのかも気になるし。どうして王子が毒に侵されていたのか?
一度摂取すると身体の中で毒が生まれ、永遠に毒に侵され続ける。そのうち内臓が毒で壊死し死に至るという恐ろしい毒で、『永続毒』と呼ばれている。
この国に毒の元になっている植物もなければ、解毒薬もない。
その上、いつ受けたのか呪いもあった。いや、ミミが『呪いみたい』と言っていた。
「あれから捕えている者を尋問しようとしたのだが、ほとんど話ができなかった」
「とうしゃま、どうしてれしゅか?」
「まだ回復していないんだ。意識がない状態が続いている。時折目を覚ますからその時に聞くのだが、朦朧としていて要領を得ない」
昼間に老師が少し解呪した。その時も意識を失っていたから。
「だが、あの毒がどこで体内に入ったのかは分かった。教師陣が頑張ってくれた」
ん? 教師陣だって?
お読みいただき有難うございます!
宜しければ、是非ブクマや評価をして頂けると嬉しいです!
宜しくお願いします。
早くちびっ子の集まりを書きたいのですが、なかなかそこまで辿り着けていません。
その前に、王子の毒の件を少しだけ明らかにしないとです。
年末年始は皆様はいかがお過ごしでしょう?
お正月休みのうちに新作を投稿したいのですが、読んでいただけるでしょうか?
皆様、お出掛けなさるのではないかと(^◇^;)
今までとは導入が少し雰囲気違います。
拒絶されたらどうしよう!(|||O⌓O;)
違うのは最初だけで、やっぱりちびっ子ものなのですけどね(^◇^;)
お休みが開けて10日はラウの2巻が発売になります!
今回もちょこちょこ加筆してますよ〜。
お手に取っていただけると嬉しいです!
よろしくお願いいたします٩(๑˃ ᵕ ˂ )و




