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☆第12回ネット小説大賞入賞☆重版御礼☆稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜  作者: 撫羽
第3章 みんなで行こう!

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237/270

237ーみんな大好きピーチリン

 あれ? アンジーさんはどこ行った?


「きっとドアの外で見張っているのだろう」


 そっか、誰も部屋に入れないように。部屋の外からアンジーさんの声が聞こえてきた。


「だからいくら言われても駄目です! どなたも中には入れられません!」

「だからアンジー!  ライとラウは何をしているんだ!?」


 これって王の声じゃないか?


「とうしゃま、このこえは」

「ああ、兄上だな。不安でじっとしていられなかったのだろう」


 父が俺を抱っこしてドアを開ける。しっかり手にはピーチリンを持っている。


「旦那様、申し訳ございません。大丈夫ですとお止めしたのですが」


 おフクまでそこにいた。おフクには詳しいことは説明していないのに、取り乱さず落ち着いている。もう慣れてしまっているのだろうね。


「いや、構わん。フク、アンジーもご苦労だった。兄上、入ってください」

「殿下! 良かった、ご無事で!」


 アンジーさんの表情が和らいだ。そりゃそうだ、精霊界なんてなにも分からないんだ。いくら大丈夫だと思っていても不安だっただろう。


「ライ! ルシアンはどうなる!?」

「落ち着いてください。もう大丈夫です。部屋に戻りましょう」


 王は何が何だか分からないだろう。それでも父が大丈夫だとはっきりと言ったことで、少し落ち着きを取り戻した。


「みみ、おうじれんかのおへやに、ちゅれてって」

「また、みみみゃ?」


 こらこら、こんな場面でそんなことを言うもんじゃない。


「らってぴーちりん、たべたいんれしょう?」

「まかしぇるみゃ! みゃみゃみゃ!」


 本当に現金な奴だ。

 王も一緒にミミの転移で王子がいる部屋に戻る。王が初めての転移で膝をついてしまっているが、それはスルーしておこう。おフクは平気な顔をしている。おフクは度胸があるからね。

 こっちの世界ではどれくらい経ったのだろう?


「おお、もう戻ったのか!?」

『早かったな』


 老師の側にフェンが浮いていた。いつも父の肩に乗っているのに、今は浮いている。俺が肩に乗るほど信頼しているのは父だけだ、とでも言っているように。


『ちゃんと老師のフォローはしていたぞ。持ってきたか?』

「ああ、ここに」

「なんじゃ? 果物か?」

「老師、ピーチリンです」


 父があっさりとそう言った途端、老師はあんぐりとお口を開けて固まった。両手は王子に向けたままで。

 きっとずっと解毒していたのだろう。そのままの格好で固まっている。ふふふ、ちょっとギャグ漫画みたいで面白い。


「ライ! ピーチリンと言ったか!?」

「はい、陛下」


 王にそう一言返事をして、父は部屋の中にいる人たちを見る。


「良いか、この部屋にいる者は口外禁止だ。これから聞くことや目にしたことは、一切口外してはいけない。守れそうもない者は今すぐ部屋を出るんだ」


 父が部屋にいる皆にそう言った。威圧を混ぜて言ったものだから、抵抗力のない王子付きの侍女や医師は腰を抜かしている。

 それでも、コクコクと頷いて意思表示をした。ほかには王子付きの護衛、そして王の侍従がいた。皆同じように頷いている。

 部屋を出る選択をした者はいなかった。何が起こるのか分からないが、瀕死の状態の王子の側を離れないと思っているらしい。

 王子の周りの人は、ちゃんと仕えているみたいで良かったと、こんな時に思った。

 

「王妃がいなくて良かった……」


 ボソッと王が口にした。それに侍女が無意識に頷いてしまっている。

 よほど気が動転しているのだろう。こんな時は頷いてはいけない。侍女もそう思っているということになるじゃないか。


「フェン、これをどうするんだ?」

『精霊女王は何と言っていた?』

「一匙で良いから果汁を飲ませろと」

『よし、俺がもらおう』


 フェンがフワフワと父の側に飛んできて、猫ちゃんの手を翳すとピーチリンが宙に浮いた。

 あまりにも自然にそうしたものだから、誰も声を出せないで見守っている。突然ピーチリンが、宙に浮いたように見えているはずだ。


「みみはしなくて、いいみゃ?」

『おう、俺がしよう』

「まかしぇるみゃ」


 ミミは呑気に自分はもう役目は終わったとばかりに、毛繕いをし出した。こらこら、緊張感というものが全くないな。

 フェンの手で操られて宙に浮いたピーチリン。フェンって体毛は漆黒だけど、肉球は綺麗なベビーピンクなんだね。可愛いぞぅ。


『ラウ、何考えてんだ』

「あ、ごめんね」


 いや、つい。とっても可愛かったものだから。


『匙はないか?』

「ティースプーンはあるか?」

 

 父が侍女にそう聞くと、弾かれたように侍女が動いた。続きになっている隣の部屋から、素早くティースプーンを持って来た。


「ライ、何がどうなっているんだ?」

「私の使い魔である精霊が、これから果汁を絞ってくれるのだと思います」

「ピーチリンの果汁をか!?」


 そうそう、精霊さんはみんな大好きピーチリンの果汁だ。精霊界に何度も通っている俺でも口にしたことがない。とっても美味しいらしいのだけど。

 俺や父とアンジーさんにはフェンの姿が見えているが、それ以外の人たちには見えていない。だから空中にピーチリンがフワフワ浮いているみたいに見えるだろう。まあ、浮いているのだけど。

 そんな不思議な光景を見ている皆は、瞬きするのも忘れているみたいだ。


お読みいただき有難うございます!

宜しければ、是非ブクマや評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


精霊さんはみんな大好きピーチリンです。

大きな桃みたいな見た目ですが、とっても芳醇でジューシーなのです。人が食べると寿命が延びるといわれてます。

どんな怪我や病気、状態異常も治ります。

そんなのがあれば食べてみたいですね。寿命は延びなくていいので、視力がよくならないかなぁ(^◇^;)


インフルエンザが流行っているようです。空気も乾燥してます。

皆様、お気をつけてください。元気にクリスマスと年末を迎えましょう!


来年1月にノベルの2巻が発売になります!よろしくお願いいたします!(*ᵕᴗᵕㅅ)✽*。✽

挿絵(By みてみん)

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