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☆第12回ネット小説大賞入賞☆重版御礼☆稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜  作者: 撫羽
第3章 みんなで行こう!

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236-来ちゃったよ

 そのうちミミは飛びながら、グングンと体が大きくなる。本当のミミの大きさになっているんだ。


「な……!? ラウ、ミミが!?」

「とうしゃま、まおうにあいにいったときにも、ミミはおおきくなったれしょう?」

「あ、ああ。そうだったな。ミミに乗ったんだ。しかし大きいな」

「ふふふ、そうなのよ~。人間界であのサイズは駄目でしょう?」


 まあ、俺はもう慣れたよね。父はお目々を大きくしてびっくりしているけど。

 精霊女王もミミも、全く焦っていなくていつも通りだ。こんなにイレギュラーなことが起こっているのに。

 精霊女王にとっては、俺たちの世界のことで解決できないことなんてないのじゃないか? と思ってしまう。


「あら、ラウ。そんなことはないのよ~。人間界のことは、私たちは手出しはしないもの」


 おっと、それは申し訳ない。今回のこともそうだけど、俺は今まで精霊女王をめっちゃ頼っている。精霊女王がいないとできなかったことばかりだ。それはとても特別なのことなのだと改めて思う。


「ありがとうね」

「ふふふ、いいのよ~」


『前の時のようにはしたくないから……』


 と頭の中に、精霊女王の声が聞こえた。こんなことも気遣って、父に聞こえないようにしてくれる。

 本当に俺は、精霊女王にお世話になりっぱなしじゃないか。


「なんど来ても、目が慣れないな……」


 おっと、そうだった。父はまだ二回目だった。


「とうしゃま、でもきれいれしょう?」

「ああ、素晴らしい! それに空気が違うように感じるな。こんなに清々しいとは!」


 いつも熱血な父だけど、周りを見渡しながら感動しているみたいだ。一度目の時は一瞬だったからかな? でも感動する気持ちはよく分かる。

 天に届くかのように大きな世界樹。その周りに生えているピーチリンの樹。地面には緑の葉を伸ばしながら花々が咲き乱れていて、少し離れた場所には光の粒子を放ちながら小川が流れている。

 どこまで続いているのかわからない世界。どこもかしこも、輝いて見える。

 自分たちがいる世界とは余りにも違うから、父は言葉もないらしい。


「ここにラウはしょっちゅう来ていたのか……」

「しょうれしゅよ。とうしゃま、またいっしょに、きましょうね」

「ああ、そうだな! また一緒に来たいな!」


 父が嬉しそうに破顔する。そんな俺たちを、精霊女王は微笑みながら見ている。


「精霊女王、ミミが採りに行ったピーチリンとは、あのピーチリンですか?」

「そうよ、あのピーチリンよ。精霊の大好物で、人が食べると寿命が延びると言われているピーチリンよ」


 今ミミが食べるから、採りに行ったのではないと推測できる。王子にそのピーチリンが必要なのだろう。だけどそれって、人は食べない方が良いって母が言っていたぞ。


「精霊女王、まさかピーチリンを食べさせるのですか?」

「食べるというか、果汁を一匙だけ飲ませるのね」


 そんなことをしても大丈夫なのか? 寿命が延びても、毒が消せないと意味がない。


「ラウ、ピーチリンは人のどんな病や傷も癒せるのよ。だから寿命が延びると言われているのね」

「しょうなの? じゃあしょれで、おうじれんかのどくも、けせるの?」

「ええ、大丈夫よ。解毒薬がないのなら、助かる方法は万能薬を作るか、これしかないわね」


 万能薬なんて今すぐ作れるわけがない。希少な薬草は母が育てているだろうけど、調薬スキルを持っている人を探すのに時間がかかる。アコレーシアが大人だったら、作れたかも知れない。

 精霊女王は、あのミミがよく思いついたわね~。なんて言いながらフフフと笑っている。

 余裕だ。俺たちは必死なのに。これで大丈夫だと確信しているんだ。王子の側にはフェンも残ってくれている。その上、こっちとは時間の流れが違う。

 大丈夫だ、きっと助けられる。俺は自分にそう言い聞かせた。

 大きくなったミミが、バッサバッサと羽搏きながら戻ってきた。こらこら、ピーチリンを咥えるんじゃない。食べたくて、涎は流してないだろうな。

 俺たちの前にポコンッとピーチリンを置き、小さくなったミミが文句を言いながらパタパタと飛んできた。


「らうみぃ、しちゅれいみゃ! みみは、しょんなことしないみゃ! たべたいけろ」


 ほら、食べたいんじゃないか。


「精霊女王、これを絞るのですね?」

「ええ、そうよ。一匙で良いの、ほんの少しで良いわ。あとのピーチリンはミミとフェンが食べなさいな」

「いいみゃ? ほんとうにいいみゃ? みみは、たべるみゃ!」

「ふふふ、良いわよ」

「みみが、たべるみゃ!」


 おう、仲良く半分ずつすれば良いのに。やっぱミミは食いしん坊だ。


「らっていっしょにきたのは、みみみゃ? おもいちゅいたのも、みみみゃ? みみのおてがらみゃ?」

「しょうらね。みみのおてがららね」

「精霊女王、かたじけない!」

「一つ貸しにしておくわ~、さあ早くもどりましょう」


 そしてまた、光が流れる空間に変わる。

 精霊女王は『一つ貸し』だとか言っていたけど、きっと精霊女王の気持ちなんだ。

 俺に念話で話してきたように、精霊女王も前の時みたいな最期を望んでいない。回避したいと思ってくれているんだ。

 それが分かるから、ちょっと俺はジーンときちゃった。ついウルウルと涙が出てきてしまう。


「ラウ、どうした?」

「とうしゃま。ありがたいれしゅね」

「ああ、本当に。精霊女王の力がなければ、王子殿下は助からなかった」

「まら、これかられしゅ」

「ああ、そうだな」


 そして俺たちは父の執務室に戻ると、待っているはずのアンジーさんが何故かいなかった。


お読みいただき有難うございます!

宜しければ、是非ブクマや評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


とうとうラウパパが精霊界にやって来ました!ここまで長かった!(^◇^;)

この先もまだまだあるのですが。

一つずつ回収していかないと。

そういえば、そんなこともあったなぁ。てことも回収しようと思ってます。

私は忘れっぽいので、回収し忘れてるよ〜と気付かれたら是非教えてください。(^◇^;)

まだまだ続きます!よろしくお願いいたします٩(๑˃ ᵕ ˂ )و


ラウ②は来年1月に発売です!

挿絵(By みてみん)

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