235ー行くぞ!
「らうみぃ、しょれどころじゃないみゃ」
「ごめん、しょうらった」
いかん、気が動転しているのかな? つい、違うことに気がいく。
精霊の力で解毒しても、また毒が生まれてくるということなのか? そうならミミが言うように根本的に解決しないと、どんどん内臓から毒に侵される。
『仕方ねーな! 俺が老師と一緒に解毒して時間を稼ごう。その間にラウは精霊界だ』
「いや、それはラウに頼るしかないのか?」
「とうしゃまも、いっしょにいきましょう!」
「私も行けるのか!?」
『まあ、緊急事態だからいいんじゃねーか。なあ、精霊女王!』
フェンが精霊女王に呼びかけた。やっぱ見ているんだ。
『仕方ないわね、早くいらっしゃいな』
「じゃあ、いちど、おうちにかえるの?」
『取り敢えず、他の人がいない部屋に移動してくれるかしら?』
「わかった!」
精霊女王、よく見ていてくれた! 頼んだよ。
「ラウ、どうなった?」
「とうしゃま、ほかのひとが、いないおへやにいきましゅ」
「よし! 陛下、少し失礼します!」
「どうしてだ! ライ!」
「大丈夫です! 必ず殿下をお助けします! 老師、フェンが助けてくれるそうです。私たちが戻ってくるまで、解毒し続けてください!」
「おう、分かったぞ!」
老師にフェンの言葉が分かるようにしておいて良かった。老師の肩に移動したフェンを残して、俺と父は人のいない部屋へ移動する。
「私の執務室へ行こう。アンジー」
「はいッス!」
「私の執務室に誰も入れるな!」
「了解ッス!」
父は俺を抱っこして王城の中を走る。その後をアンジーさんがしっかり付いてくる。ほんの数分の距離がもどかしい。だが、俺たちの姿が消えるところを見られるわけにはいかない。父はそう判断したのだろう。
「フェンが付いているから、大丈夫だ」
「あい、とうしゃま」
自分に言い聞かせるように父が言った。フェンが自分から残ると言った。それは老師だけだと俺たちが戻ってくるまで、王子の身体が毒に耐えられないということだ。
こっちと精霊界とは時間の流れが違う。きっとほんの数分だ。それでも老師だけだと無理だと判断した。一体そんな毒を誰がどこで手に入れたのか?
「みゃ、しぇいれいかいにいくのに、どこにいくみゃ?」
「とうしゃまの、おへやにいくの」
「なら、みみがてんいしゃせるみゃ」
そうだ、その手があった。早く言ってくれよ。
「みみ、おねがい!」
「まかしぇるみゃ! らから、みみはてんしゃいみゃ!」
いつものセリフを言うと、ミミはピヨヨ~と鳴いた。すると目の前がグニャリと歪んだかと思ったら、次の瞬間には父の執務室だった。
「みみ、ありがと。しぇいれいじょうおう!」
『分かってるわよ~。いくわよ~』
「うん、おねがい! とうしゃま、いきましゅ!」
「アンジー! 頼んだぞ!」
「殿下……!」
アンジーさんの声が途中で聞こえなくなり、周りの景色が変わる。いつも精霊界に行く時のように、無数の光が後ろに流れて行く。
「ラウ! どうなっているんだ!?」
「とうしゃま、らいじょうぶれしゅ。しぇいれいじょうおうが、しぇいれいかいに、ちゅれていってくれましゅ」
「足下が……! 前もこんなだったか!?」
「とうしゃま、しょうれしゅよ」
父はまだ二回目だから慣れないだろうね。初めての時は俺もそう思った。人って地に足が着いていないと、こんなに不安なのかと思った。
なにしろ、今は光が流れる空間に浮いて移動しているのだから。俺は初めての時に思わず吐きそうになったよ、内緒だけど。
「みゃ、らうみぃ、しょうみゃ?」
「うん、ちょっとだけね」
「みみは、へいきみゃ」
そりゃそうだろう。ミミは精霊なのだから。
それもきっと1分もかかっていないと思う。気が急くから、数分に感じられる。目の前にキラキラとした大きな樹が見えてきた。
「とうしゃま、あれがしぇかいじゅれしゅ!」
「せ、世界樹だとッ!?」
あれ? 前来た時は教えなかったっけ?
「いや、あの時は気が動転してあんまり覚えていないんだ」
そんなに動揺していたように思わなかったのだけど。じゃあ、今回少し周りを見る余裕があるのかな?
「みゃ、ぴーちりんがあるみゃ」
出たよ、どんな時でも精霊さんは大好きピーチリン。
「けろ、いまはがまんみゃ」
おっと、ミミったらお利口さんだ。一応、現状を理解しているらしい。
「らって、しぇいれいじょうおうに、しかられるみゃ」
そっちかよ。やっぱミミはミミだ。
「とうしゃま、もうちゅきましゅよ」
「あ、ああ」
父の顔色がちょっと青い。そりゃそうだよな、なにしろ精霊界だ。まだ慣れないよね。
「さあ、ついたわよ~」
「ありがと、しぇいれいじょうおう」
やっと地面らしき感触が足裏に戻ってきた。きっと地面じゃないのだろうけど。そして目の前に大きなサイズの精霊女王。相変わらずキラキラしすぎて眩しいぜ。
「精霊女王、此度は申し訳ない」
父が精霊女王に向かって片膝をつき、最上級の敬意を払った。こんな父は見たことがない。
「ふふふ、アリシアよりちゃんとしているのね~」
え、母様ったら一体どんな感じだったのだろう?
「あの時も精霊女王に助けられた。なのにまた此度も、力を借りることになってしまい申し訳ない」
「仕方ないわね~。本当に特別なのよ~」
「もちろん、分かっております」
「しぇいれいじょうおう、おうじのどくをけしゅのは、どうしゅるの?」
「ほら、ミミ。ピーチリンを一個採ってきてちょうだいな」
「わかったみゃ」
パタパタとミミが飛んでいく。
お読みいただき有難うございます!
宜しければ、是非ブクマや評価をして頂けると嬉しいです!
宜しくお願いします。
世間ではインフルエンザがめっちゃ流行っているそうです。私は今、半引きこもりなので(^◇^;)
週一くらいしか外に出ません。(マジです)
愛犬がいなくなってから、何もしたくなくて(-。-;
お仕事はしているのですけどね。
ネットスーパーという便利なものがあるので助かってます。
皆様どうか、体調にはお気をつけくださいませ。元気にお正月を迎えましょう。
さて、新作なのですが、なかなか進まず。
まだ5話しかできていないのですが、少しだけでも投稿して皆様のご意見を聞きたいなと誘惑に駆られています(^◇^;)
最初だけ今までとは違う雰囲気なので。
いやいや、もう少し頑張ります!
投稿したら是非ご意見をいただけると嬉しいです!
よろしくお願いいたします(*ᵕᴗᵕㅅ)✽*。✽
2巻が1月に発売になります。よろしくお願いいたします!




