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☆第12回ネット小説大賞入賞☆重版御礼☆稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜  作者: 撫羽
第3章 みんなで行こう!

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233/270

233ーヤバイ!

「お早く、こちらです!」


 と侍女が先を急ぐ。王子の部屋に着くと、部屋の前には護衛の近衛兵が何人も立っていた。父を見つけて敬礼をしている。

 父の顔を知っているんだ。父は王弟殿下だからな。その父がちびっ子の俺を抱っこしている。敬礼してはいるものの、目線は俺だ。

 このちびっ子を通しても良いのか? とでも思っているのだろう。


「私の息子だ。入るぞ」

「はっ!」


 問答無用で入っていく父。ヤバイ状態だと感じているんだ。

 部屋に通され案内されると、そこには医師らしき老齢の男性が大きなベッドを覗き込んでいた。そばには王と王妃の姿も見える。

 何だ? 一体どうしたんだ? とにかく俺は黙ってキョトンとしている。ミミまでずっと黙っている。おフクは何事なのかとただ戸惑っていた。


「陛下、老師です」


 アンジーさんが声を掛けると、弾かれたように王がこっちを向いた。


「老師! ルシアンが!」

「なんじゃ、どうしたんじゃ!?」


 ご説明いたします。と言ってベッドのそばにいた王子の従者が説明してくれた。

 俺たちが会いに行く前、王子はいつも通りお勉強をしていた。家庭教師に教わり、分厚い教本を開いて教わっていた。

 その王子が突然、ゴボッと血を吐いた。本当に何の予兆もなく突然だったらしい。驚いた教師は、すぐに護衛を呼んだ。

 護衛はすぐさま王子を抱き上げ、部屋へと走った。この状況を見られてはいけない。誰が何を考えるか分からない。どう突っ込まれるか分からない。変な噂になってはいけない。

 できるだけ迅速に、その場を去った。そしてもう一人の護衛は、現場に残り教師を見張った。

 一応何があったのか分かるまでは、その教師は拘束される。といっても牢に入れられたりはしない。だが念のため、城の中の部屋に軟禁され外部との接触を断たれる。

 とにかく血を吐いたんだ。真っ先に考えられたのが毒だ。

 この国は平和だ。貴族が何かを企んでいるわけでもない。継承を争っているわけでもない。

 それでも王族が血を吐いたとなると毒を疑われる。まして第1王子だ。末は王太子で王位継承権第1位の立場にいる。

 だから老師を呼びに行ったんだ。もちろんすぐに医師も呼ばれた。そしてその医師がどう診断を下したのかだ。


「王子殿下はどうして吐血を? その原因は分かっているのか?」

「いえ、それが……多分いえ、十中八九毒だろうと思われます。ですが、何の毒なのか判明しておりません」


 まだこれから王子が吐いた血液を分析するところだと、医師は説明した。


「なるほど、それでワシか」

「はい、老師。お願いします」

「よし、分かったぞ」


 老師がいつになく真剣な表情で、王子が寝かされているベッドのそばに行く。


「老師、頼む!」

「陛下、ワシにできることはいたしますぞ。しかしこれは……」


 どうした? 毒なら早くアンチドーテを。と俺が思っていたら、徐に老師が俺を呼んだ。


「ラウ坊、見れんか?」

「え……ぼくれしゅか?」

「ラウ、試してみてくれ」

「あい」


 父に抱っこされたまま、俺は王子を見る。


「え……」


 額に汗が浮き出てギュッと目を瞑り、胸の辺りを掴んでハアハアと苦しそうな息をしている王子。しかも顔色が土気色をしている。

 こんな顔色を初めて見た俺は驚いた。いつもの王子と違いすぎて、思わず固まってしまった。


「ラウ、しっかりするんだ」

「あ、あい。とうしゃま」


 いかん、しっかり見ないと。と気を取り直して王子を見る。だけど、俺にも毒だということしか分からなかった。

 一体なんの毒なのか? いや、これは毒だけじゃないような気もするのだけど、なにしろ分からない。今の俺には能力も経験値も不足している。


「やばいみゃ」


 俺の肩でミミが呟いた。


「え、みみ?」

「これは、どくらけじゃないみゃ」

「やっぱりしょうなの?」

「しょうみゃ。とにかく、はやくあんちどーてみゃ」

「老師、アンチドーテだそうです」

「おう、任せろ」


 老師が王子に向かって両手を出した。そして静かに深く息をすると、フワリと王子の身体が白い光に包まれた。

 前から思っていたのだけど、老師は大抵無詠唱だ。今だって普通は「アンチドーテ」と唱えるはずなんだ。老師はそれをしない。


「ふぅ~、ラウ坊、どうじゃ?」

「みてみる」


 老師がアンチドーテをしたことで、毒は消えていた。消えていたはずなんだ。


「え!? だめ、またどくれしゅ」

「なんだと? 今アンチドーテしたじゃろう?」

「しょうなの。いったんどくはきえたの。なのに、またじわじわどくが!」

「なんじゃと!? そんなことがあるのか!?」

「あんちどーてだけじゃ、だめみゃ。けろ、いまはあんちどーてしかないみゃ」

「みみちゃん、どういうことじゃ!?」


 そんな話をしているうちに、一旦落ち着いた呼吸になっていた王子がまた少しずつ苦しみ出す。一度は消えた毒が、復活するってどういうことなんだ? そんな毒があるのか?


「ないみゃ。どくらけじゃないみゃ」


 ああ、そっか。最初にミミはそう言ってたか。毒だけじゃないって?


「どくと、のろいみたいみゃ?」

「呪いじゃと!?」

「いちおう、のろいのいっしゅみゃ?」

「じゃあ、解呪か!?」

「しょれもやってみるみゃ?」


 なんでずっと疑問形なんだよ!


お読みいただき有難うございます!

宜しければ、是非ブクマや評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


さて、ここからどうやってあそこまで持っていこうか?(^◇^;)

いつもほんわかしたお話を中心に書いているので、陰謀みたいなのは苦手なのです。私の頭は単純なので(^◇^;)

ラウはそれに挑戦しているのですが、しょっちゅう頭をかかえてます。ちびっ子が主人公なので、やりすぎては浮いてしまいます。

基本、ほんわかを忘れずに。張り詰めた空気を和ませてくれるのか、ミミちゃんです。

本当にミミちゃんには助けられてます(^◇^;)

この先も頑張りますので、最後まで読んでいただけると幸いでごじゃいましゅ。

よろしくお願いいたします(*ᵕᴗᵕㅅ)✽*。✽


ノベルの2巻が来年1月に発売になります!よろしくお願いいたします!

挿絵(By みてみん)

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