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☆第12回ネット小説大賞入賞☆重版御礼☆稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜  作者: 撫羽
第3章 みんなで行こう!

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221ーらいしゅき

 アコレーシアとお手々を繋いで、温室の中をトコトコと歩く。俺は薬草に詳しくはない。アコレーシアの方がよく知っている。まだ3歳なのに、なんてお利口なんだ。

 あの薬草はポーションに使うのよ、とか説明をしてもらいながら温室の中を歩く。可愛い声が耳に心地いい。

 こんな小さな頃からアコレーシアは、ポーションに興味を持っていたのかと驚いた。前の時もそうだったのかな? もしかして、俺のために色々考えてくれたのかな? なんてそれはちょっと自惚れがすぎる。


「らうは、あぶないのれしょう?」

「え? ぼく?」

「しょうよ。らうのおうちは、とくべちゅらからって、おとうしゃまにきいたわ」

「ん~、ちょっとらけね。ぼくはあぶないことは、しないよ」

「ほんとうに?」

「うん、ほんとうらよ」

「しょう、よかった! あたちがポーションをちゅくれるようになったら、もってくるわね」

「え……」

「らうに、もっていてほしいのよ。だから、おべんきょうしているの」


 うふふ、と照れくさそうにアコレーシアが笑った。ああ、俺ってもう幸せ過ぎる。俺のことを心配してくれてたんだ。そのためにポーションを作るって言ってくれてるんだよな?

 もう絶対に何がなんでも婚約する! 今度こそ一緒に幸せになるんだ! と心の中で、決意の拳を上げた。


「らう、ろうしたの?」

「ん? なんれもないよ。ありがとね、あこちゃん」

「うふふ」


 このアコレーシアの笑顔を守りたい。今の幸せを、平和を守りたいんだ。だからそのために俺はなんでもする。


「なんらか、らうがしんぱいらわ」

「らいじょぶらよ」

「しょう? ほんとうに、あぶないことしない?」

「うん、しない」


 ちびっ子だから純粋で真っ直ぐだからなのか? アコレーシアはとっても勘が良い。感受性が豊かなのかな?

 そんなことを考えながら、アコレーシアと手を繋いでお散歩をする。前の時は、こんなに穏やかな時間はなかった。二人でどこかへ出かけたっけ? 思い出せないくらいだ。

 アコレーシアは何かを強請る人じゃなかった。俺に対して、こうして欲しいとも言わなかった。だけど、もしかしたら寂しい思いをさせてしまっていたのかも知れない。

 7歳の時に婚約して、それから二人で何かをしたという記憶がないんだ。確かに毎日花を持って行った。だけど、大人になってからはどうだったっけ?

 俺って、ちゃんとアコレーシアに気持ちを伝えたこともなかった。分かるだろう? 分かっているだろう? そう思っていた。

 そしてあの最後だ。どれだけ後悔したことか。申し訳ないと思ったことか。

 思わずその場で立ち止まってしまった。


「らう?」

「あこちゃん、ぼくはあこちゃんが、らいしゅきらよ」

「ふふふ、あたちも、らうがしゅきなのよ」

「じゅっとね、おおきくなっても、あこちゃんがしゅき」

「ありがと」


 ほんのりピンク色をした頬をリンゴみたいに染めて、アコレーシアは照れくさそうに笑った。

 繋いでいた手を両手でそっと握りしめる。


「じゅっと、なかよくしようね」

「ええ、なかよくね」


 この小さな手を必ず守ると、改めて決意した。もう俺の心の中は大変だ。守るぞー! と決意の拳どころか、旗を振りながら走り回っている状態だ。フレーフレーみたいな?


「らう、おかあしゃまのところにもどるのよ」

「うん」


 二人で手を繋いで戻ると、二人の母が優しい微笑みで迎えてくれた。


「オヤツがあるわよ、アコちゃん」

「あい、ありがとごじゃいましゅ」


 老師も美味しいと食べていた一口ドーナツだ。シェフがまたダッシュで用意してくれたらしい。今日はお客様が多いね。


「こんなの初めてだわ。珍しいですわね」

「そうでしょう? シェフが毎日色々考えてくれるのよ」


 一口ドーナツだけど、アコレーシアのお口にはまだ少し大きいかな? 大きなお口を開けて頬張った。途端にお目々がキラキラして大きくなっちゃった。


「おかあしゃま! とってもおいしいわ!」

「そうね、おいしいわね」

「今日のオヤツはラウが考えたのよ」

「まあ、ラウ君が?」

「えっちょぉ、ぼくはこんなのがたべたいな~って、いうらけれしゅ」

「ふふふ、そうなのね」


 アコレーシアがくるなら、もっとオシャレで可愛いスイーツにすれば良かった。いや、ドーナツが悪いわけじゃない。


「揚げてあるのね。どうやってラウ君はこんなの思いつくのかしら? 凄いわね」


 まさか前世で普通に食べていたなんて言えない。俺が発明したみたいになっているから、ちょっぴり心苦しい。


「これ、お店に出すと評判になりますわね」

「あら、そうかしら?」

「そうですわよ。だってどこにもないのですもの。それに、とっても美味しいわ」


 ふむ、将来はスイーツのお店を出すのもアリか? いや、俺は作れない。だからレシピを売ろうか? 良い収入になったりして。むふふ。


「あら、ラウったら何を考えているの?」

「え、なんれもないれしゅ」

「あら、そう? まさかお店をしようなんて思ってないわよね?」

「おみせじゃないれしゅ」

「あら、お店じゃないけど何か考えていたのね?」

「えっちょぉ」


 やば、母の誘導尋問にハマってしまったぞ。まあ、本気でするつもりはないから良いのだけど。


お読みいただき有難うございます!

宜しければ、是非ブクマや評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


一気に寒くなりましたね。皆様はいかがお過ごしでしょうか? 暖かくされてますか? 風邪などひかれませんように。


ラウみたいな男の子は結構いると思うのです。気持ちを知ってくれていると思っていた。と。

ラウは前の時のような最期を経験して後悔したのですね。ちゃんと伝えるんだと。

今はまだ3歳なのに(^◇^;)

めっちゃ、オマセさんなラウです。


今日も無事に投稿できてよかったです。

本当、日々の積み重ねが大事!(๑•̀ㅂ•́)و✧

明日はロロです。が、が、頑張るぞー!(꒪ཫ꒪; )ヤバイ

挿絵(By みてみん)

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