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☆第12回ネット小説大賞入賞☆重版御礼☆稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜  作者: 撫羽
第3章 みんなで行こう!

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218ー老師の企み

 城を囲むように貴族のお邸が並んでいる。城に近い方が高位貴族の邸になっていて、離れるほど爵位が下がる。

 うちは一番高位になる。だって父は王弟殿下だから王族だ。その上、公爵でもある。だから城に一番近い場所にあるんだ。いくら一番近いと言っても、城の敷地は広い。その周りは城壁で囲まれている。城の敷地内でも馬や馬車で移動する人だっているくらいだ。

 老師がいる魔術師団の部屋から俺の家まで結構な距離がある。普通貴族はそこを徒歩で行く者はいない。みんな馬車だ。実際に俺が行った時も馬車だった。


「よい運動になるぞ」


 ふぉッふぉッふぉッといつもの独特の笑い声をあげながら老師は言う。

 ま、確かにそうだろう。レイラちゃん、大変だね。と思ってレイラちゃんを見ると、小さくピースをしていた。なんのピースなのやら。

 シェフがダッシュで持ってきた一口ドーナツを美味しそうに食べている。


「レイラちゃん、美味いな」

「ん!」


 コクリコクリと頷いている。良いコンビなのかも知れない。


「老師、今日は何ですの?」

「おお、そうじゃった。忘れておったわい」


 相変わらずマイペースな老師だ。


「実はのぅ……」


 老師が言うには、今回街の人たちに呪いをかけていたと思われる者たちを捕まえた。老師が見ると、どうやらその者たちも何かあるように思えたらしい。だが、老師の能力ではそれが何なのか分からない。


「だからのぉ、リンリンの手を貸してもらえんかのぉ?」

「あら、主人が城におりますでしょう? フェンがいるではないですか?」

「いやぁ、それがのぉ」


 父にも相談したらしい。だが父は今、魔国との取引の件で忙しい。


「だから無理じゃと言われてしもうてのぉ」


 上目遣いに、ちょっとしおらしく遠慮気味に老師は言う。一口ドーナツを食べながら。


「あら、それは残念でしたわね」


 母にはそんな姑息な手段は通じない。だって、一口ドーナツに夢中なのが一目瞭然なのだもの。

 レイラちゃんが横から老師を肘で突いている。


「レイラちゃん、なんじゃ?」

「……」


 食べながらじゃ駄目だと、目で訴えているけど老師に伝わるかなぁ?


「生クリームと一緒に食べるとめっちゃ美味いぞ」

「……」


 残念ながら全然伝わっていない。


「老師にはリンリンが見えないでしょう? なら無理ですわよ」

「ふぐぅッ! しょ、しょ、しょんなことを言わんでくれ!」


 最初の変な声は、思わず一口ドーナツを飲み込んじゃったかららしい。母は優しそうに見えて、父よりシビアなとこがあるからな。もっと真剣に頼まないと駄目だと思うよ。


「老師、何かと言えばすぐに私共を頼るのはよくありませんわよ」

「しょ、しょんなちゅもりはないのじゃ!」


 痛いところを突かれて、またドギマギして噛んじゃっている老師。だから母はシビアだからね。ま、俺は一口ドーナツを食べるけど。


「れいらちゃん、おいしい?」

「……!」


 ウンウンと頷いているレイラちゃん。俺たちは関係ないから、美味しくいただこうね。


「ラウ坊! なんとか言ってくれ!」


 え、俺なの? 俺は何もできないよ。


「ラウ坊だって、呪いが見えるのじゃろう? ミミちゃんもいるではないか!」

「えー、みみはだめらよ」

「なんみゃ? みみはてんしゃいみゃ! だめじゃないみゃ!」


 こんな時は反応するんだね。桃ジュースに夢中だったのに。


「ろうし、なにがあるとおもうの?」

「分からんのじゃ。だが、確実に何かあるのじゃ。あれは普通ではないぞ」


 白魔術師のジョブを持って、フェンと少しの時間でも意思疎通ができた老師だからこそ感じる違和感なのらしい。 何がどう? と聞いてみると老師が答えた。


「なんというかのぉ……その人自身のオーラを、無理矢理抑え込んでいるように感じるのじゃ」


 オーラだって? そんなの全然分からないぞ。他の魔術師団の人だって、分からないだろう。

 だからと言って、何かあると言われてもな。


「しょれが、リンリンならじぇったいにわかるの?」

「多分……いや、きっと分かるはずなのじゃ!」


 それは老師の希望的観測だね。

 でもリンリンを頼るなら、母も登城することになるぞ。それはいいのかな?


「かあしゃま、いっしょにおしろにいきましゅか?」

「そうねぇ、行きたくないわよねぇ」


 あらら、行きたくないんだって。


「しょんなことを言わずに!」


 それでも食い下がる老師。これは引き下がるつもりはないのではないかな?

 もう老師は手を前で組み、お祈りポーズで期待を込めた目で母を見つめている。


「ふぅ〜……」


 優雅にお茶を一口飲んで、ゆっくりと息を吐いた母。


「老師、私の一存では決められませんわ。主人に相談しませんと」

「もちろんじゃ! それから決めてくれるといい」


 まだOKと言われたわけではないのに、満足そうに一口ドーナツを頬張る老師。父なら大丈夫だと思っているのかな?

 それにしても、一体何があるのだろう? 老師がなんとなく感じることらしいけど、きっと何かあるんだ。だから老師もこうして無理を承知で母に頼みに来ている。

 母もそれを分かっているから、そう無碍にもできない。父に判断を任せたといったところだろう。

 なんだか、嫌だね。最近呪いばっかでさ。あの国は一体何がしたいのかな? て思うよね。俺が0歳の時に一度撃退しているのにさ。ふむふむと考えながら俺も一口ドーナツを食べた。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


やっとラウを更新できました!

私の怒涛の三連休を聞いてくださいませ。

まず、ワンちゃんが痙攣を何度も起こし、1時間おさまらなかったので夜間救急に走り翌日、かかりつけ医で1日入院しました。

同時に母が救急搬送され、肺炎で再入院しました。

同時にはやめてほしいと痛切に思いました。何しろ私の体は一つですから。(^◇^;)

そして昨夜です。両足が同時につりました。マジで痛かった(´×ω×)

そんな中、残っていたSS×2本を完成させ、コミカライズの確認をし、ココちゃんのイラストに癒されました。

お仕事って大切ですね〜。冷静に戻してくれます。

頑張りますよ〜!(動物病院代を稼ぐため!?)

よろしくお願いいたします!


ラウの②は……まだ言えないˎ₍•ʚ•₎ˏピー!

挿絵(By みてみん)

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