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210ーとことん

「言葉がないッス」

「殿下、次は魔国を案内してくださるとか。その時は是非また私も」

「ああ、サイラス。そうだな」


 そんな父たちを微笑みながら見ている精霊女王。


「たのしかったよ」

「そう、なら良かったわ」

「陛下に報告して交易の相談をしよう」

「魔石が定期的に手に入ると有り難いですね」


 そうそう。小さな魔石でいいから、俺も欲しい。試したいこともあるし。


「とうしゃま、ぼくもほしいれしゅ」

「ラウ、魔石をか?」

「あい。ちいしゃいのれ、いいれしゅ」

「なら、私が持っているのをあげよう」


 え、そうなのか? 持っているのか? ならもっと早く言えば良かった。


「とうしゃま、ほんとれしゅか!?」

「ああ、戻ったらあげよう」


 やったね! 早速試してみよう!


「なぁに? また何か考えているの?」

「ふふふ、ひみちゅらよ」

「あら、そうなの? 危険なことをしちゃ駄目よ」

「うん、しないよ」


 精霊女王も過保護になってないか? 俺は0歳の時から魔王城に行ってるんだ。平気だよ。


「あら、それだけじゃないでしょう? 次の案件に取り掛かろうとしてるじゃない」

「えへ」


 やっぱ精霊女王にはバレちゃっている。次の案件なんて言ったら、お仕事みたいじゃないか。

 前の時には大賢者として、いろんな案件を抱えていたけどな。冒険者と一緒にクエストを熟したものだ。


「ラウ、今はまだ3歳なのを忘れないでちょうだい」

「あーい」


 はいはい、無謀なことはしないよ。取り敢えず、父と魔王が交易に前向きだからそっちを進めてもらおうかな。

 その間に俺は、父がくれるらしい魔石で作りたいものがある。


「ラウ、フェンとミミが食べているのがピーチリンか?」

「とうしゃま、しょうれしゅよ。ここにきたらいちゅも、みみがたべましゅ」

「いつもか……ラウ、どれだけ精霊界に来ているんだ?」


 あれ? 父さまの目がちょっと怖い。今更だよ? 


「ちょくちょくれしゅ」

「はぁ〜、これからは一人で危ないことをしないように」

「あい」

「それにしても、魔王の力が必要なのか?」


 父が真面目な顔で聞いてきた。


「あの国はそこまでなのか?」

「とうしゃま、しょうじゃなくて」


 俺は説明した。まさか前の時の記憶があるとは言えないけど、ちょうど魔王とあの国の話題が出ていたから。

 このまま、デオレグーノ神王国が魔国にちょっかいを出し続けて、もしも魔王の逆鱗に触れてしまったら? もしも魔国と戦になってしまったら?

 周辺国に影響がないとはいえない。そのまま魔族が侵攻してきたら、この国なんて一溜も無いじゃないか。それを阻止したい。

 だから最初は、戦なんてしないでね、て魔王にお願いをするために行ったのだと。


「ラウ、0歳でそれを考えていたのか」

「えっちょぉ……」


 ヤバイ! そんな0歳児がどこにいるんだよ! めちゃくちゃ不自然じゃないか! しまった! ミスったぞ!


「やはりラウは天才だぁッ!」


 大きな声でそう言いながら父が俺を抱きしめた。あれ? あれれ? そんな感じでいいの?


「ふふふ、ラウったら、いいのよ〜」

「ええー」


 精霊女王ったら、笑い事じゃないよ?


「昔からそんな感じよ、ふふふ」


 昔から父を知っているのか? 母と婚姻してからだろうけど、精霊女王と交流はなかったのじゃないか?


「交流なんてなかったわよ。ラウとこうして会うようになってからよ」


 俺の心を読んだ精霊女王だ。

 

「私は個人的にはあの国をガツンと言わせてやりたい!」

「とうしゃま!」

「分かっている。駄目なのは分かっているから、やりはしない。だがな、好き勝手を許すつもりはない」


 それは当然だ。密入国してきて、しかも呪いだぞ。貴族が何人も亡くなっているんだ。そんなの許せる訳がない。

 また性懲りも無く城の中を狙ってきている、何が狙いなのか知らないけど、人を操るなんてしてはいけない。他国に何してるんだって話だ。


「だが、このままでは駄目だ」

「らからとうしゃま、いきましょう!」

「おう! 行くしかないなッ!」

「ええー!」

「ふっふっふ」


 アンジーさんとサイラスの反応が正反対でちょっと笑える。アンジーさんって意外にも肝が小さい。それに比べるとサイラスは、もう吹っ切れたのかな?


「坊ちゃん、やる時はとことんやりませんと。それはもう抵抗する気力がなくなるくらいに。ふっふっふ」


 お、おう。サイラスって怒らせたら怖いタイプだ。暗黒騎士のジョブも持っているし、敵にしては駄目。絶対に駄目。


「私たち精霊もあの国は避けているから、どうにかなると嬉しいわね」

「精霊女王、精霊が寄り付かないと言っていたか?」

「そうよ、だって呪いですもの。あなたたちには見えないでしょうけど」


 精霊が見ると、あの国の周辺から上空まで黒い霞がかかったみたいに見えるらしい。そんなところ精霊が行くわけない。魔国にも精霊はいないけどね。


「あら、だって魔国は魔素が濃いもの」

「魔素も関係あるのか?」

「そうよ。そこに生えている世界樹は魔素を浄化するのよ。そんな国で暮らしている精霊があの魔素の中では住めないわ。それに魔国特有というのかしら」


 あれかな? もしかして食べ物とか?


「ラウ、見たことあるの? 魔国のお砂糖よ」

「あーあれはね。れもおいしいよ」

「まあ、食べちゃったの!?」


 だって知らないでずっと食べてたもの。今更だ。


お読みいただき有難うございます!

宜しければ、是非ブクマや評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


しばらく空くとお話を忘れちゃってたりして(^◇^;)

少し前から読み返してチェックしてます。忘れっぽいお年頃なのです。(*´艸`*)エヘヘッ♡


今週はリリのコミックが発売になりまっす!

しばらくお休みしていましたが、リリのノベル⑦発売記念SSを投稿中です!

⑧の発売が決まっているという恐怖( ˆ꒳ˆ; )

よろしければ、読みにいらしてください〜!

よろしくお願いします。


皆様にはご心配をおかけしましたが、微妙に復活してます。(๑˃̵ᴗ˂̵)/

今日もいつも通り動物病院に行ってきました。腎臓が悪かったのですが、肝臓の数値も悪くなっていて、その上後ろ足を骨折しているので満身創痍です( ߹ㅁ߹)

頑張って通います(^◇^;)

温かいお言葉をありがとうございました!⋮( -̥᷅ ·̭ -̥᷄)⋮


リリのコミックを!激かわゆい♡

挿絵(By みてみん)


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― 新着の感想 ―
精霊女王様も魔国の砂糖の材料を知っているのですね ラウちゃんは美味しいかったら良いみたいだけどね
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