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204/216

204ー父と魔王が?

 おフクや母も強いのだろうけど、それでも連れて行くのは躊躇する。心配だよ。


「ラウ坊ちゃま! フクもお供いたします!」

「だめ、ふくはおるしゅばん」

「フク、あきらめましょう。私たちが行くと足手まといになってしまうわ」

「奥様……分かりました。ですが、ラウ坊ちゃま、必ずお元気で戻ってきてください」

「うん、もちろんだよ」


 デオレグーノ神王国へ行くメンバーが決定だ。

 父とアンジーさん。アンジーさんは嫌々だけど。それにサイラスも行くと言って聞かなかった。まあ、サイラスなら大丈夫だろう。


「私のジョブは暗黒騎士です。皆様の足手まといにはなりません。あの国にはいろいろ思うところがあるのです。あ奴等に恐怖を植え付けてやりましょう。ふふふ」


 なんて物騒なことを話していた。おお怖い。暗黒騎士のスキルで本当に恐怖を植え付けそうだから余計に怖い。

 あとはもちろん、ミミが行く。ミミも嫌そうだけど。

 それより、父の使い魔のフェンが意外だった。


「俺は行くぞ! あの国の奴等は何度も何度も同じことをしてきやがって。無駄だって思い知らせてやるんだ」


 フェンまでイケイケになっていて驚いた。同じ精霊のミミは嫌がっているのに、フェンは行く気満々だ。それだけ、あの国には迷惑を掛けられているのだろう。


「魔王、ラウを守ってくれ。ラウは突拍子のないことをするから」

「おう、分かっているぞ。私だってラウは可愛いんだ」


 父と魔王が手を組んだ。それってもうこの国は最強なんじゃないか? だって魔王だよ、魔族の王だ。

 魔国のことはなにも知られていないんだ。得体の知れない国ということで、どの国も警戒しているし手を出さない。だって自分たちよりずっと強いことだけは分かっているから。

 魔王はそんな国で最強なんだ。こんなに心強い味方はいないだろう?

 そしてもう一人というかもう一匹というか。


「魔王しゃま! バットもいくのれしゅ!」


 今まで大人しかったから存在を忘れていたぞ。今回みんなにバレちゃった原因になったバットだ。


「バットは魔王しゃまのペットなのれしゅ!」


 うん、それは知ってる。バットも見かけによらず強いことも知ってる。だから別に良いのじゃないか? 魔王の肩に止まってればさ。


「バット、危険だぞ?」

「魔王しゃまといっしょに行くのれしゅ! バットも守るのれしゅ!」

「そうかそうか、バッドは良い子だな」


 そんなことを言いながら、バットの小さな頭を撫でている。バットも嬉しそうに頭を魔王の指に擦り付けたりしている。


「ラウ、バットも良いか?」

「うん、いいんじゃない?」

「ラウー! ありがとなのれしゅ!」


 いいよ~、バットは可愛いね~。


「みゃ? みみのほうがかわいいみゃ」


 ほら、その性格が可愛くない。


「みゃみゃみゃ! らうみぃ、ひどいみゃ! みみはかわいいみゃ!」

「うん、みみもちょっぴりかわいい」

「ちょっぴりみゃ!?」


 ガビーンとショックを受けているらしい。このちびっ子チームは面倒だから黙っていてほしい。


「アハハハ、ラウもちびっ子だぞ」

「フェン、ぼくはいいの」


 まあ、俺が一番ちびっ子か。


「魔王様、でしたら父殿は少し訓練をされる方がよろしいかと」

「アースラン、そうか?」

「はい、転移にも慣れておられないでしょうし」

「なるほど」


 ちなみにこのアースランも同行する。何故、転移の話が出ているかというとだ。デオレグーノ神王国へ徒歩で行くわけではない。

 いつも俺が魔王に会いに行くときは魔王城の上空から転移しているのだけど、俺はまだ長距離の転移ができない。そこで魔王が転移させてくれることになった。

 

「我がピンポイントで王の下に転移してやろう!」


 張り切っている。今まで魔国から出たのは今日が初めてらしい。精霊女王の世界には来たことがあるのにね。だから余計に今回は張り切っている。頼りになるから、いいんだけどさ。


「転移か……」

「とうしゃま、てんいしたことありましゅか?」

「ああ、フェンの転移は何度も経験しているぞ」


 なら大丈夫かな? いや、ちょっと待て。アンジーさんとサイラスのお顔が引きつっていて俺と目を合わせようとしない。これってもしかして。


「あんじーちゃん、さいらす、もしかして、てんいははじめてなの?」

「坊ちゃん、そんなの初めてに決まってるじゃないッスか」

「私も初めてです」


 これは一度体験しておく方が良いね。当日転移して動けなくなったりとかしたらさ。ね、魔王。


「まあ、一度ラウと一緒に我の城に来るとよい」

「魔王の城か?」

「そうだぞ。魔国の中央にある我が城だ。ラウがよく遊びに来る」

「なんだと……よく遊びに行っているだと? ラウ」

「あー、えっちょぉ……ちょくちょくれしゅ」

「何を言っているんだ! もう驚かないぞ! ラウ、他に秘密はないか!?」

「えっちょぉ、たぶんないれしゅよ」

「ふぅ~、そうか。今、変な汗が出たぞ」


 もう魔王ったらそれを言ったら駄目だよ。秘密なのにさ。転移と魔王城に行くことと全然関係ないじゃないか。


「ラウの転移を経験しておくのも良いと思うぞ」


 そういうことなら、一度父を連れて行ってみよう。父と魔王は会ってもらおうかな? て思っていたから丁度良いや。まあ、もう会っちゃったのだけど。


お読みいただき有難うございます!

宜しければ、是非ブクマや評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


やっとここまでもってこれました!

なかなか父と魔王を会わせられなくて、どうしようかと思いました(^◇^;)

やっぱちゃんとプロットを書かないと駄目ですね〜て、書いてもなかなかその通りにはならないのですけど。

私の実力の無さですか!?(;゜д゜)ェ…

やっと投稿分に集中する時間ができました。ここでしっかりストックを作っておかないと!

ですが、寝てしまうのですよね〜(^◇^;)

なんとか今のペースを守って投稿を続けつつ、新作も考えたいところです。

どうか皆様、飽きずに読んでいただけると嬉しいでっす!よろしくお願いします(๑˃̵ᴗ˂̵)/


ラウの1巻発売中です!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
ラウちゃん色々バレて大変だけど可愛いが正義です ラウパパと魔王様がタッグを組んでやばい国を潰すのですね!
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