203ーメンバー決定?
ミミは、もれなく一緒に行くからな。
「どこにいくみゃ?」
本当に全然聞いてない。
「ミミ、お前はいつもいつも……フェンやリンリンみたいに、ちゃんとできないのか?」
「みゃ!? みみは、ちゃんとしてるみゃ!」
してないからね。だって今の話も聞いてなかっただろう?
「だって、ももじゅーしゅがおいしいみゃ。みわくのおいしさみゃ」
はいはい、そんなことだから父に叱られるんだ。
「ミミ、デオレグーノ神王国に行くんだ」
「ちちしゃま、しょうなのみゃ? みみもみゃ?」
「当たり前だろう? ラウが行くのだぞ」
「えー、らうみぃ、やめとこうみゃ」
すっごく嫌そうな顔をしている気がする。鳥さんだから、表情は変わらないんだけど。
「しぇいりぇいは、あのくにには、いきたくないみゃ」
「そうよね〜、私でも行きたくないもの」
精霊女王がそう言ってため息をついている。しっかり、桃ジュースのおかわりを貰っているのだけど。
それを目で追っているミミ。だからさ、桃ジュースから少し離れようよ。話の中心になっているじゃないか。
「らうみぃ、はなしにいくみゃ?」
「そうだよ」
「みゃ〜……」
なんだよ、その反応は。肩を落としているのか? どこから肩なのか分からないけど。
「みみは、いきたくないけろ、しかたないみゃ。いっしょにいってやるみゃ」
一緒に行ってやるなんて、超上から目線に出てきたぞ。
「じゃあ、おるしゅばんしてる?」
「みみは、らうみぃのしょばを、はなれないみゃ。しかたないみゃ」
そんなに嫌なの? 話をしに行くだけだぞ。何もあの国でお泊まりする訳じゃないんだからさ。
「しかたないから、ももじゅーしゅで、がまんしゅるみゃ」
「ミミちゃん、もうおしまいです」
「しょうみゃ? じゃんねんみゃ」
ミミが何を言っても、一緒に行くことになるんだよ。だって俺のそばを離れないのだろう? なら、仕方ないじゃないか。
だが魔王が一緒に行ってくれるのは嬉しい誤算だ。魔王だよ、誰もが恐怖する魔王だ。きっと向こうは怖がると思うんだ。軽はずみなことはしないだろう。
「ラウ、それだけじゃないのよ。何と表現すれば良いのかしら。あの国は何というか……国中の空気が淀んでいるとでもいうのかしら」
「精霊女王、それは仕方ないだろう。何しろ呪いなんてものを、国が容認しているのだから」
あれ? もしかしてシールドが必要とか?
「まおう、しーるどがいるのかな?」
「いや、魔素が濃いわけではないからな。シールドは必要ないぞ」
じゃあ魔国より行きやすいじゃないか。魔国なんてシールドが必須なのだから。
「ラウ、我が国は魔素は濃いが空気が淀んでいるわけではない」
魔王が言うには、魔王も行ったことがないそうだ。行きたくもないと言っていたけど。
「むしろ、魔法でポポーンと吹き飛ばしたいくらいだ」
なんて物騒なことを言うんだ。魔王なら簡単にできそうだから怖い。
どうしてそんなに嫌がる程に空気が淀んでいるかというと、やはり呪いの影響だ。
実戦で使えるように訓練していたりする。実際の効果を確かめるために、国内で試しに使っていたりもする。それを国が容認していて、しかも呪いを武器にしている。国の王や上層部が、呪いを使う指示をしている。
それが空気を淀ませる原因らしい。だからといってその淀んでいるのが見えるわけではない。
魔力の多い精霊女王や魔王が見ると分かるらしい。
「呪いなどあってはならぬのだ。それを実際に使うなんてとんでもないことなのだ。精神干渉をする魔法とは訳が違う」
魔王までそう言うくらいなんだ。人を呪うということは、それだけリスクの高いことなんだ。
「人の思いや心根というものを侮ってはいけない」
「そんな……そんな国にラウを行かせられないわ」
「だからアリシア、私も一緒に行ってラウを守る」
「あなた……でも」
「かあしゃま、だいじょぶれしゅ」
いかん、堂々巡りになってきた。やっぱ話すのは時期尚早だったか?
「よしッ! ラウ、行くぞ!」
父が何故か張り切っている。
「昔捕らえられたお返しをしてやろうじゃないか! ふふふふ」
仕返しかよ! 目がキララーンと光って、なんだか悪いお顔になってるぞ。一方ではアンジーさんが肩を落としている。
「アンジー、だから私が代わりに行こう」
「サイラスさん、そういう問題じゃないッス」
「らって、あんじーしゃんはいやなんれしょう?」
「行きたいって奴はいませんって」
まあ、そうだよね。淀みがどうとかがなくても、あの国は評判が悪い。なにしろ、いろんな国に戦を吹っ掛けるもののすぐに敗走している。交易もしていないし、どの国も良くは思っていない。
「しかたないみゃ! みみがまもるみゃ!」
おや、やっと行く気になったか? モフッモフな胸を張っている。ちょっぴり鼻息も荒くないか?
「みみは、けちゅいしたみゃ!」
「うん、ありがとね」
「まかしぇるみゃ!」
これでメンバーは出揃ったかな?
「心配だわ。やはり私も一緒に行きたいわね」
「奥様、私が責任を持ってラウ坊ちゃまをお守りいたします!」
ちょっとちょっと、おフクはまだ行くつもりなのか? 駄目だよ。
「らめ、ふくもおるしゅんばん」
「坊ちゃま!」
ガビーンと音が聞こえてきそうな顔をしている。駄目だからね。母とおフクは留守番だ。
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宜しくお願いします。
メンバー決定!? とりあえず、母様とおフクはお留守番です。
アンジーさんはどうするのでしょうね?きっとついて行くでしょう(^◇^;)
リリのコミック①の表紙が上がってきました!激可愛いです!この色もめっちゃ良い感じで、超お気に入りです。
思わず即iPadの壁紙にしてしまいました!
公開できるのを楽しみにしていただけると嬉しいです!
もしかしたら、明日のロロの投稿はお休みするかも知れません(>_<。)
今日どれだけ頑張れるかにかかっているのです!頑張りまっす!(๑•̀ㅂ•́)و✧
ラウ①好評発売中です!皆様のおかげで発売後すぐに重版が決定しました!重版帯のも、もう店頭に出ているみたいです。ありがとうございます!