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135/216

135ーミミは頑張った?

「みゃ! やったみゃ!」

「うん、みみはしゅごいね!」

「あたりまえみゃ! みみにまかしぇるみゃ!」


 ふふふ、いつもこうしてパキパキ動いてくれたら助かるんだけど。


「ラウ!」


 そこに転移してきた父とフェン。ここは終わったよ。


「とうしゃまー! ばいんろしときましたー!」

「ラウ! だから父様を放って行くんじゃないッ!」


 だって今回はミミが勝手に転移したんだ。

 さて、最後の一人はどこかな~?


「みみ、わかる?」

「とうじゃんみゃ! いくみゃ!」

「ミミ、待て!」

「みゃ? ろうしてみゃ?」

「私も一緒に行くぞ」

「なんら、わかったみゃ」

「ミミ、お前勝手に動くんじゃないぞ」

「ふぇん、なにいうみゃ。みみはいま、がんばってるみゃ!」

「そうかよ」


 頑張ってるのか。そうなのか。じゃあいつもは、休んでいるのかな? まあいいけど。


「らうみぃ、なにしてるみゃ! ちゅぎいくみゃ! ちゅぎがあたま()みゃ!」


 え? なんだって? 今なんて言った?

 と、思っているうちにシュンッと転移してしまった。そして俺はまた男の顔面へしがみ付く。


「ぶへッ!」


 このパターン、もうそろそろ卒業したい。なにしろ0歳からこのパターンだ。いつも顔面にしがみ付いている。

 さすがにちゃんとキックしたりとかしたい。できないけど。

 こいつが一連の、呪いを掛けていた男達の頭なのか?

 そいつは今までの二人とは少し違っていた。顔面にしがみ付いている俺をベリッと引っ剥がすと、脱兎のごとく逃げだした。

 うん、やっぱ俺は3歳だからね。大人の力には敵わない。さっさと重さを加えてやれば良かった。

 引っ剥がされた俺は、ポフンと父がナイスキャッチだ。


「みゃ! にげたみゃ!」

「逃がすか!」


 父が俺を抱っこしたまま瞬時に動き、逃げ出した男に向かってジャンプすると背後から思い切り蹴りを入れた。いわゆる飛び蹴りってやつだ。ドロップキックとも言うか?

 まるでアニメの様な、綺麗な姿勢の父の飛び蹴りが決まった。俺、抱っこされたままなんだけど。


「ぐあッ!」


 そのまま男は前にゴロンゴロンと転がり、壁にドゴーンと当たって気を失った。

 え、へちょい。頭なのに。あっという間じゃないか。手応えがなさすぎないか?


「ラウ、バインドだ」

「あい! ばいんろ!」


 ふぅ、これで3人共捕まえたぞ。

 もういないよな? 念のため、確認しておくか。と、思って魔力を広げる。今度は城全体に広げるようにだ。


「ラウ、その魔法をサーチというんだ」

「ふぇん、さーち?」

「そうだ。そうして隠れている敵を見つけたり、地形を把握したりする」

「へえー。べんりらねー」

「アハハハ! 便利か!」


 だって超便利じゃないか。頭の中の3D地図と照らし合わせると、手に取るように分かる。上空から全体を見下ろす感じになるんだ。


「それはラウだけだ」

「しょれって?」

「その地図だ」

「え、しょうなの?」

「ああ、ラウ独特のものだな。俺もびっくりしたぞ」

「へえー、しょうなんら」


 まあ、なんでも良いんだけど。その俺の頭の中の地図にまだ反応があったんだ。ペコーンペコーンと光りながら動いている。

 これは移動しているな。城を出ようとしているのか? 逃げているんだ。


「とうしゃま! もうひとりいましゅ! にげてましゅ!」

「なんだと!?」


 これってここで捕縛しておかないと。よし、行くぞ!


「ラウ! 父様も行くぞ!」

「あい! このままらっこれしゅ! みんなれ、てんいしましゅ!」


 父に抱っこされたまま俺は、逃げている奴目掛けて転移だ。そのままの恰好で、ドドーンと逃げている男の上に落ちた。

 俺だけじゃない、父も一緒だ。大の大人が突然頭上から落ちてくるんだ。その衝撃には耐えられないだろう。


「ぐへッ!」


 変な声を上げて、男が倒れた。その背中に乗って座っている、俺を抱っこした父。

 突然父が現れたものだから、周りにいた人達は驚いている。

 あ、これってヤバイ? 転移だってバレちゃうのかな? 父はどうするのだろう?


「騎士団! 捕縛だ!」


 完璧にスルーする方向らしい。何がどうなっているのかとか、どうして突然現れたのかとか、きっと周りの人達は思っているぞ。でも父は何もなかったかのように、淡々と騎士団を呼びその場から立ち去った。これぞ『氷霧公爵』のスルースキルだ。


「とうしゃま、みられちゃいましたね」

「ああ、スルーだ」

「ええー」

「何もなかったようにしていれば、人は何も言わなくなる。多少適当な噂は出るだろうがな」

「しょういうものれしゅか?」

「そういうものだ。だが、今回は驚いた。まだ心臓がドクドクいっているぞ」

「ふふふ」


 なんだ、父も動揺してたんだ。それを微塵も顔に出さない。さすが『氷霧公爵』だ。俺も見習わなくちゃ。


「みゃみゃ? もうおわりみゃ。やっぱみみはしゅごいみゃ」

「しゃいごのてんいは、ぼくらよ」

「おしえたのは、みみみゃ」

「ええー、しょうらっけ?」

「みゃ! しょうみゃ!」


 ミミはほんの少しだけ本気を出したんだね。ミミの本気はこんなもんじゃないと信じてるよ。


「あたりまえみゃ! みみはてんしゃいみゃ! やるときはやるみゃ!」

「こら、ミミ。喋るんじゃない」

「ぴよ」


 ふはは、いきなりピヨかよ。その変わり身の早さは何だ? 保身か?


お読みいただき有難うございます!

ミミは頑張りました。一応(-。-;

ラウが攻撃する時の掛け声なのですが、今回『ドドーン!』と言ってます。

『どっしぇーい!』がお気に入りなのですが、ハルちゃんでもう使っているし。

『ドーン!』も使ってしまってます。

何か良さげな掛け声がありましたら、教えて下さい!

いつも感想を有難うございます!

宜しければ、是非ブクマや評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ボクは光の国の転生皇子さま!⑤発売中なのですが、作業は⑥に入っています。やっぱリリは原点なのです。

可愛くて、賢くて、ピカピカした皇子さま。web版より面白くするぞ!と、頑張ります。

この②のリリが未だに好き♡

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
今回はミミ頑張りましたね。やれば出来る子なのに何故か抜けている❓それがミミなのだからʅ(◞‿◟)ʃ ラウの性格は、父様譲り❓イヤあの二人の性格がもろに…………  ラウが落ちる音???…………
「ちゅどーん」と言えばハルちゃんだけですが 「どっしぇーい」、良いと思いますよ 「どっかーん」って擬音を叫ぶのも良いかと思ったけど 「ちゅどーん」も擬音でしたねヽ(*´∀`)
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