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112/216

112ー魔王だから

「みゃみゃみゃ! なにいうみゃ! なんれいるみゃ!」

「まおうが、きたんら」

「しぇいれいじょうおうの、しぇかいなのにみゃ?」

「しょうしょう」

「みみ、私が来たら悪いのか?」

「らって、まおうみゃ」

「おう、魔王だぞ」

「しぇいれいとは、ちがうみゃ」

「こいつは何を言っている?」


 呆れた顔をして、ミミを指さしている魔王。魔王より今はミミの方が大きいのだけど、態度は断然魔王の方がデカイ。


「ふふふ、別世界の魔王がと言いたいのよ」

「なるほど。だが、私はここに来るのは初めてではないぞ」

「みゃ!? しょうなのみゃ!?」


 ああ、確か俺が暫く行かないから、精霊女王と連絡を取ったと言っていたか。その時にでも来たのだろう。しかし、どうやってここが分かったんだ?


「それは私が魔王だからなッ!」


 全然分からない。こいつもミミと同じなのか? 言いたいことが分からないぞ。


「ミミと一緒にするでないッ」

「みゃ!? しちゅれい(失礼)みゃ!」


 どっちもどっちだよ。俺の周りってこんなのばっかなのか? 父も少し同じ匂いがすると思ってしまったのは、気の所為だと思いたい。

 そんなことよりも相談があるんだ。俺の両親も精霊界に連れて行って良いかな? なんなら魔王は父と会ってみて欲しいんだけど。


「ああ、昼間にみんなで話していたわね」

「しょうしょう。バレちゃったから」

「何? バレたのか? 私の城へ来ていることをか?」

「ちがうの。しぇいれいかいにいってるって、ことになってるの」

「そうか」


 なんだか複雑そうな顔をする魔王。どうした? ちょっぴり残念そうに見えるのは気の所為かな?

 その魔王が戸惑いながら聞いてきた。ちょっぴりモジモジしている。魔王なのに、こんなところが憎めない。


「いや、私はラウと友達だよな?」

「うん、おともらちらよ」

「だなッ! ふふふん」


 え、そこでどうして胸を張る? 満足そうな顔をするんだ? さっきの残念そうだったのはどこいった?


「友達なのに隠されるというのもな。いや、仲が良いと言って欲しいわけではないのだぞッ!」


 だからそこで、意味不明なツンデレを発動するのはやめてくれ。理解できないぞ。


「ふふふ、自分を秘密にされているのが嫌なのね。私は秘密なんかじゃないから」


 どう? 私は家族みんなに知られているもの。使い魔だって出しているし、頼りにされているのよ。みたいな勝ち誇った表情で、魔王を見ている精霊女王。そこでどうして対抗意識を燃やすんだ。意味が分からない。


「そ、そ、そんなことはないぞ。友達と言ってほしいとか、思ってないんだからなッ」


 もう言ってしまってるじゃないか。そんなことを思っていたのか?

 だって、魔王に会いに行った理由を話したくないんだ。


「ああ、ラウの前の時を話したくないのだな」

「しょうしょう。しゅごいね」

「なにがだ?」

「しょれらけれ、わかるなんて、しゃしゅが、まおうらね。しゅごいね」

「ふふふん、私は魔王でラウの親友だからなッ! ラウの事情はちゃんと理解しているのだ」


 友達から親友にランクアップしてしまっているぞ。いつから親友になった? 俺は両足を投げ出して座ったままで、魔王を見上げた。

 それにしても、ちょろい。チョロ松さんだ。


「なに? 違うのか……?」


 悲しそうな顔をするんじゃないよ。縋る様な眼でこっちを見るんじゃない。

 羽織っているマントの裾を手で弄っている。魔王って慣れてくると印象が変わるよね。可愛らしいと思ってしまう。


「しんゆうらね」

「な、そうだなッ!」


 パアッと表情を明るくして笑った。な、こんなところが可愛らしい。


「まあ、ふふふ」

「精霊女王、何を笑っているのだ?」

「魔王なのに、ラウには敵わないのね」

「そうではない! そうではないのだ! ただラウが可愛いのだッ!」


 はいはい、有難う。俺は恵まれているよ。精霊女王だけじゃなく、魔王ともこんな関係になれるなんてな。前の時だと考えられない。

 俺達の国を攻めてきた魔族の王、単純に敵の大将だと思っていた。当然だ、接点なんて何もなかったのだから。


「私は戦は好まない。あれは失うものが多すぎる。なのに得るものは何もない」

「そうね、その通りだわ」


 精霊界の長と、魔族の長がこうして同じ考えでいてくれると安心だ。

 その戦を起こさないために、色々やっているんだ。


「ラウの父上とは、どんな人物なんだ?」

「とっても、あちゅいひとらよ」

「熱いのか?」

「そうね、外ではクールで通しているみたいだけど、本当は愛情深い温かい人ね」


 精霊女王は会ったことがないだろう? ああそうか、いつも見ているからか。


「一瞬だけど、会ったのよ。あの時よ」


 あの時って、母が無理矢理父を助け出した時だ。デオレグーノ神王国に父が捕らわれてしまって、救い出すために母が精霊女王の力を借りた。


「向こうは覚えてないけれど」

「え、しょうなの?」

「そうよ。アリシア以外の者の、私に関する記憶は消しているもの」


 ひょえーッ! 記憶を消すだと。そんな怖いことができるのか? 怖いねー、怖い怖い。


「あら、それが決まりなのよ。私は本当は関与しないのだもの」

「とくべちゅなの?」

「そうね、あの時はアリシアの気持ちに負けちゃったの。とっても特別なのよ」


 それだけ母は何をしても、父を救い出したかったんだ。

お読みいただき有難うございます!

またまたお話のストックが尽きてしまいました^^;

今夜頑張ろう!

そして明日からはロロの初稿も頑張ろう!

もしもラウが書籍化されたら、皆様購入して頂けますか?(-。-;

書籍化したい!

頑張ろう!

いつも感想を有難うございます!

宜しければ、是非ブクマや評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ボクは光の国の転生皇子さま!⑤好評発売中でっす!

ラストの挿絵にある後ろ姿の男性は誰なのでしょう?お分かりになりますか?

私はあの見開きの挿絵を見て思わず涙しました。(T . T)

挿絵(By みてみん)

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