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5話 流行

「「「「すまんっ」」」」


そう言って全員が床に頭を擦り付けている。

この光景は優越感と背徳感が絶妙に入り混じった中々に性癖を刺激しそうな・・・おっと・・・。


「いや、分かってくれたなら良いよ」


俺が許すと一言口にした途端。


「いやー、すまんかった」

「ほら分かるだろ?武器貸して貰えてテンション上がっちゃってさー」


とか言いながら肩を組んで来た。


あまりに図々しいな・・・まぁ、友達なんだから仕方ないのかもしれないけど・・・。

本当に悪いと思ってるのか疑わしく思えて来る。


「俺ありきでDDから支援受けられるんだしさ?」

「わーってるって。なぁ?」

「そりゃそうよ。ケンジ様々なのは分かってるって」

「そう思うんだったら俺を置いて武器見に行って。更には勝手にダンジョン行くとか・・・」

「いやぁ、もぉ分かってるって」

「気を付けるからさ?」

「次はもぅ知らねーからな?」

「次はもうありませんが?」

「「「「「え?」」」」」


コイツらを呼び戻し、DD本部の一室で俺が説教をカマしているのを静観していたDDのお姉さんが口を開いた。


「え?次は無い・・・?」

「はい。佐々木さんのご希望で解散されると伺いましたので他の方への支援は打ち切らせて頂きました」

「おい!ケンジ何してくれてんだよっ!」

「そこまでしなくていーだろっ」

「いや、違うって!俺はそこまでやるって言ってないしっ」

「じゃぁ何で俺らの支援打ち切りなんだよっ」

「お前らが俺を放ったらかして好き勝手ばっかするからPT解散チラつかせて大人しくさせようと思っただけだよっ」

「だったら正式には解散してない?」

「ってか、1次転したPTなんだから、そう簡単に解散出来なくね?」

「え?そうなの?」

「何で知らねーんだよ」


そんな事言われても知らないものは知らない・・・。


「私が説明させて頂きますね」


DDのお姉さんが言うには・・・1次転職前の冒険者PTの場合、皆似たり寄ったりの能力でどこのPTも大差無いが1次転職後は明確な役割分担が生まれ各ポジションへの理解度や熟練度が重要になってくる。

そして、数あるファクターの中でも最も重要なのが連携。

即席PTでは連携が取れずにフレンドリーファイヤーのリスク等が高まる危険性がある。

この時、問題になるのが1次転職前の冒険者による攻撃。例えば、バットが味方に当たってしまった場合。当然、痛い。だが、重症や命に関わる程の怪我とまでは中々いかない。

それが1次転職後は防御力の上昇もあるが、それ以上に攻撃力が上昇する。そして、この場合はそれが厄介になってくる。

当たりどころが悪ければ即座に命に関わり、高火力のスキルをまともに受ければ腕や足くらい簡単に吹っ飛んでしまう。

そういった理由から1次転職後のPTは解散や脱退等の際にDDとの面談がある・・・らしい。

そして、DDから許可が下りて解散になったPTの再結成は不可。揉め事を回避する意味でも解散したPTメンバー同士でも今後PTを組む事は出来ない。

これは、追放ブームが一時(いっとき)流行ったらしく、その後の報復等の対策でもあるらしい。


まぁ、解散ってのはそう簡単に出来ないらしい。


「え?じゃあ、何で俺らのPTは解散に?」

「佐々木さんがそう仰ったので」

「いや、言いましたけど。脅すだけで解散する気は無いって言った気が・・・」

「そうでしたか?ですが、流石にソロだと危険ですので佐々木さんには組合から臨時のPTを斡旋しますが?」

「え?」

「俺らはどうなるんですか?」

「今回は特例ですので、佐々木さんの脱退という形でPTを継続させても解散でもご自由にお選び頂けます」

「いや、じゃなくてっ」

「はい?」

「俺らへの支援というか・・・さっき選んだ武器とか防具はどうなるんですかっ?」

「それは勿論、返却して頂く事になります」

「そんなっ」

「もしくは買い取りという形でもかまいませんが」


お姉さんがそう言うと4人は黙り込んでしまった。


それもそのはずで、俺らが普段使っている武器。まぁ、武器と言っても金属バットとかだけど・・・それでも1万円以上する。

専門店が扱っている武器。主に1次転職を済ませた人が使う用の武器で大体5万円~。少し良い物になると簡単に10万円を超える。

2次転職を済ませた人達が使う様な武器は100万なんて余裕で超えると聞くし、値段が付けられない様な武器も存在するらしい。


今回、DDが俺達に用意してくれた武器は1次転職直後の俺達にしてはあまりにも良すぎる装備で剣1本で50万くらいするそうだ。



4人はおもちゃを取り上げられた子供・・・いや、猛獣の様な表情で俺を睨んで居た・・・。


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