28話 よちつらい
前日に立てた完璧な計画。
そんなモノは儚くも崩れ去った・・・。
オークとコボルトの混在する階層に向かうと冒険者でごった返しオークが湧くポイントにはPTが陣取り狩りにならなかった。
なので更に階下へ向かったが、そこも冒険者で埋め尽くされていたのだ。
5年前はこんなに人気じゃなかったどころか全然人が居なかったのに・・・。
そんな心の声が漏れていたのか。
「ん?あぁ、ここ最近ですよ」
「え?」
湧き待ちをしているPTの横をすり抜けようとしたタイミングだったので独り言に返答があった。
「なんか時短レシピとかバズレシピみたいなショート動画を上げてる人が発端でオーク肉ブームなんですよ」
「へぇ~~~~」
「それで企業とかも動き出したみたいで買取額が高騰していきなり人気になったんですよね。この狩り場」
「へぇ~、そうなんですね」
と、ありがたい現場の声を得る事が出来た。
「あっ、湧いたんで」
「ありがとうございました」
湧き待ちしているPTを横目に観察しながら通り抜けて行って気が付いたのは。1回のドロップで500グラム程のブロック肉がドロップするが、そのドロップを皆で分けて持ち帰る。1人20kg持てば5人で100kgも1回の狩りで持ち帰る事が出来る。
これをソロでやっても旨味は薄い気がする。場所取りや待ち時間という労力に見合わない。
もしかしたらオーク肉だけを持って往復するポーター的な役割な人も居たりするかもしれない。
なのでオークの居る階層をスルーして更に階下へと足を進めた。
ここからは、1つ上の階層から現れるスケルトンと盾を持ったスケルトンが居る階層になる。
ただ・・・オークで場所取り争いに負けたPTが暴れ回っていた・・・。
なので更に下の階層へと歩を進めた。
ここは盾を持ったスケルトンと片手剣を持ったスケルトンが登場する。
ここは・・・全く人気が無いようだ。
まぁ・・・素手のスケルトン相手に中々怪我はしないし、盾を持っているスケルトンは攻撃を防がれる事はあってもこちらも攻撃される可能性は低い。
シールドバッシュ的なのはあってもふっ飛ばされるだけで済むだろうし。
それが、ここからは片手剣を持っているので気を抜けば何が起こるか分からない。
それが不人気な理由の全てだろう。
周りに人が居る方がいざという時に安全な気もするが・・・5年に渡るひきこもりの結果、人の目が気になる・・・。
という訳で、盾スケルトンと片手剣スケルトンの居る階層で狩りをする事にした。
スケルトンの注意点はゴブリンやコボルトと比べて背も高く手足も長いので射程が長い事だ。
更には短剣ではなく片手剣なのもその射程の長さに一役買っている。
何度か戦い、盾スケルトンの攻略方法は完全に見つけた。
こちらを視認させてからガードした盾ごとスケルトンを蹴って転けさせてからトドメを刺す。
肉が無くて体重が軽く簡単に吹っ飛ばす事が出来るので盾スケルトンは余裕。
厄介なのが片手剣スケルトンだ。
まず・・・木刀vs片手剣という時点で負けている。
鍔迫り合いになれば体重差で負けないが、毎回毎回木刀で受け続けるのは耐久的にも厳しい。
間合いを詰めて先制させて片手剣を振り切ったタイミングで攻撃をする。片手剣の重量に振り回されている節があるので今の所はこれが攻略方だが安全に攻略する為には盾でもあった方が良いのかもしれない。
ただ、思う・・・何故、倒したらスケルトンは片手剣諸共消えてしまうのか・・・。
木刀からスケルトンの片手剣に武器を交換したい・・・。
因みに、スケルトンのドロップは魔石だ。
加工するとポーション等を作れるらしいが、開発費がかなり嵩んだらしくポーションは一般人の買えるような値段では流通していない。
保険適応外の高度医療に当たるらしく、脇腹の打撲にも使われなかった。
湿布を貼り、抗生物質と痛み止めを飲み・・・そんなポーションの材料を集めるという、考えるとちょっと切ない狩りだと気付き少し萎えたが・・・生活の為なので仕方ない。
そして、更に切なくなるのは魔石の買取額も単価250円程と決して高くは無いという事だ・・・。
救いとしてはコバルトよりも軽く数を持ち帰る事が出来る点だ。
それと、経験値効率は良いみたいで今日だけでレベルが3も上がった。
レベルが上がるのが楽しくて熱中してしまいダンジョンを出た時には完全に夜になっていた。
そして、結構な数の魔石を集める事が出来たのでカードの負債も無くなり、晴れて借金生活を抜け出す事が出来た。
祝杯を上げるべく閉店間際のスーパーへ向かい、噂のオーク肉でも食べてやろうかと思ったのだが・・・牛肉の数倍の値段がしていたのでオーク肉を使用していない普通の肉まん(3個入り)を買いネットカフェへと向かった。
世知辛い・・・。
ネトゲで世知辛いをよちつらいと読んだ知り合いが居ました(`・ω・´)




