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1話 まだ順調。

書き進めていくと自分の中で納得出来ない初期設定が出て来て1から書き直す。

それが2回目、3回目ともなっていくと萎えてお蔵入り。

それが日常になってしまったので見切り発車で投稿します。


どう進んでいくか分かりませんがお楽しみ頂ければ幸いです┏◯

今から10年程前。俺がまだ小学生だった頃に突如として世界各地にダンジョンが姿を表した。

日本に現れたダンジョンは1つ。しかも、昼過ぎの東京の都市部に現れた事に因り未曾有の大災害となった。


ダンジョン周辺の地盤は沈下し周囲に立ち並んでいたビル群は軒並み倒壊し、その災害に巻き込まれ怪我を負った人、家族や友人を亡くした人達には深い傷跡を残しては居るが、それ以上にダンジョンが(もたら)す恩恵に日本は10年経った今でも沸き上がっている。


少なくとも俺にその恩恵とやらは一切関係無いが。




日本政府に管理され、最初こそ関係者以外入る事は(おろ)か肉眼で見える距離に近づく事さえ不可能だったが利権が色々と絡みに絡みまくって縺れに縺れた結果・・・民間への開放となった。

ダンジョンで得た物は全て超格安で政府の買い取りになるし、小石1つ持ち出そうものなら1発で10年単位の懲役を食らったりと雁字搦めではあるが高度成長期やバブルなんて目じゃない程に日本全体が好景気になり政府の支持率も鰻登りだ。


そして、ダンジョンが民間にも開放された当初ブームになったのがダンジョン探検ツアーだ。

探検と銘打ってはいるがツアコンに連れられて入り口まで行き、入ったかと思えばトンボ返りして全員でステータスウィンドウと唱え冒険者へと覚醒したのを確認したら即解散の超弾丸ツアーだ。


ダンジョンに入る事で冒険者という職業に覚醒する。

そして、そのまま政府に登録されて終身雇用という訳だ。


日本国民のほぼ全てがダンジョンに1度は入り冒険者への覚醒を済ませている。

覚醒するだけで筋力とは別の何か・・・力が増す。ステータスに表記されている速度や器用さ等も軒並み上がるし、今まで起き上がるのもやっとだったお年寄りも今では元気に走り回っていたりするくらいにメリットだらけで今の所デメリットは見当たらない。


レベルという概念も当然存在し、レベルが10まで上がると冒険者から1次職と呼ばれる各々に適した職業へと自動転職する。

有名どころで言えば勇者や賢者、魔法使いや戦士といったファンタジーゲーム定番の職業も当たり前の様に揃っているし、陸上の短距離選手が冒険者から韋駄天に転職したりスピードスターに転職したりとある程度の法則性は見えるものの完全には解明されていない。



ん?俺?

俺も冒険者には覚醒済みだよ?

あー、うん・・・まぁ、レベル10まで上げて1次職にも当然転職済みだし・・・。

何なら2次転職も・・・。


まぁ、その話でもしますか・・・。




俺が高校生の時にダンジョンが民間にも開放される様になって仲の良い同級生達と一緒になってツアーに申し込んだよ。

そのツアーってのが意外と高くて・・・それまでやってたコンビニのバイトにプラスして夏休み初日から引っ越しのバイトもやって必死になって金をかき集めたのは良い思い出だ。

今なら耐えきれないだろうけど、目標があったのと皆で汗水垂らしてバイトしてたのは今思い返すと楽しかったと思う。


まぁ、それで必死になって稼いだ金で夏休みの終盤にツアーに申し込んでダンジョンに行って冒険者へと覚醒した。

ここが俺の人生において絶頂の時だったんじゃないかと思うね。


仲間内5人で一緒に覚醒して、そのままの流れで一緒にダンジョン探索をする事になった訳だ。

ツアー代で金なんて無いから防具はバイク用の半ヘルとか無駄にサッカー用のレガースを当ててたりした。

でも、それを皆でどうするかあーだこーだ言ってるのが楽しかった。


俺が選んだ武器は金属バット。

何を思ったのか「武器っつったらやっぱこれだろ」と言ってバールのようなものを持って来たヤツも居た。


ダンジョンに入ってゴブリンやらコボルトやら倒しまくった訳だがご多分に漏れず俺達も最初のモンスターを倒した・・・いや、生き物の命を奪った感触が手に残り罪悪感と嫌悪感が全身を駆け巡って胃の内容物を盛大にぶちまけたりした。

それで挫折する人も多いらしいが俺達のパーティーからは脱落者は出ずに済んだ。


最初の数匹こそ1匹倒す度に吐いたり手が震えて武器を持てなくなったりしていたがしばらくするとその感覚にも慣れた。

何と言っても倒したモンスターは死骸を残さない。これが大きい。

ポフッと音を立てて煙になって消える。そして、煙が消えた後にはドロップ品を残す。

スプラッタな死体がいつまでも残り続けてたら俺は最初の1匹でドロップアウトしてたはずだ。


そんなこんなで何とか全員がレベル10を目前に控え1次職へと自動転職をする時となった。


「そろそろ上がりそうじゃね?」

「あ、ホントだ」

「楽しみだよなー」

「いやぁ、逆に怖くね?」

「何に転職しても冒険者よりは強くなるんだし」

「ま、そーなんだけど・・・」

「前衛と後衛のバランス大事だよな」

「出来れば1人は支援欲しくね?」

「支援は必須だろ」

「全員支援だと詰むけどな」

「支援なら他所のパーティーから引っ張りだこだし、そん時はそん時だろ」

「支援が引っ張りだこなのは可愛い女の子の場合だけだぞ?」

「えっ?マジ?」

「マジマジ」

「このムサ苦しいパーティーに可愛い女の子のヒーラー居たらって考えたら理解出来たわ」

「そら取り合いにもなるわ」

「無駄話はここまでだな。前からゴブ来た」

「やるかー」




そうして俺達はレベル10になった。


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