アイスブルーの瞳
ゼウリスが怖い人になってます。
「測定の方は如何だった?」
「予測通りです。元々大した力の量では無かったのに、無理矢理大きな魔術を使ったせいで、今は枯渇寸前です」
ゼウリスは密かにエリスの魔力を測定させていた。
大した力の量では無い、と思っていたが、やはり予想通りだった事に少し安堵したのも事実。
「トーラス侯爵が杖の精霊の力を借りて10年の時を巻き戻した、と聞いた時、魔女の方は?と思ったがやはりな」
「はい。杖の精霊の力によって10倍の力を発揮する、と聞き私も思いました」
王宮の魔術院の長官も静かに頷く。
「では、この後処分しても問題はないと認識していいのだな」
「御意。拘束した時すぐに魔封じの枷をはめれば、暴走もありません」
長官の言葉にゼウリスは頷き、ずっと黙っていたアルレスに目を向けた。
「アルレス、卒業式の後のパーティーで魔女を拘束しろ。罪状は君に任せる」
「……それは断罪していい、と言う意味ですか?」
「それで君の気が済むならな」
「気が済むかは疑問ですが、煩わしい魔女がその罪に相応しい罰を受ける事なら如何様にも」
普段、逞しいのに何処か優しげで、テーミスにも揶揄われている姿を見せているが、本来のアルレスは苛烈な性格と冷徹なモノを持っている。
「当日が楽しみだ」
ゼウリスはアルレスより更に冷酷な面を持っている。
だが、それを見るのは彼らの敵になった者だけだろう。
「ですが、何故卒業パーティーで、なのですか?」
これだけ準備が整っているなら、今すぐでも問題はないだろう、とアルレスは問いたかったが
「記憶とは厄介だ。忘れたふりをしてても消せない」
アルレスが時折過去の記憶に魘されている事を知っている。
「だから記憶を上書きするんだよ。卒業パーティーは魔女を断罪したモノだってね」
敵には冷酷であっても、身内までは冷酷にすることは無い。
「ありがとうございます。ですが、アイツがのこのこパーティーに出てくるとは思えません」
アルレスの心配は想定内だ。
「大丈夫だよ。そっちも手配済みだ」
クスッと笑うゼウリスの水色の目は、背筋が凍りそうな程、冷たかった。
よっしゃー、断罪に向けて頑張る。




