素敵な友達
初めての友達が出来ました。
花びらが折れていないものをサラが、綺麗に編み込まれた銀の髪に飾っていくと、野の花の可憐さがミルフィリアをより愛らしくみせた。
「お嬢様、とても愛らしいです」
「本当に!ありがとう。貴女は私の事ちゃんと見てくれているのね。名前を教えて。お友達になりたいわ」
真っ赤になっている少女に、ミルフィリアが声を掛けた。
「ユーリアです。ユーリア・ロミネンスです」
ロミネンス伯爵の娘で、現在の聖女様の姪にあたる。
「ロミネンス伯爵令嬢は、聖女アリアンナ様の姪にあたる方だよ。素敵な友達が出来たね」
オルセウスがミルフィリアの頭を撫でながら教えると、ミルフィリアだけで無く周りの令嬢達も驚いた様に、ユーリアを見た。
「凄い、凄いですわ。そんな凄い方とお友達になれたなんて。だから、ユーリア様も心が綺麗なのね」
「凄いのは叔母さまで……」
「聖女アリアンナ様も凄い方だけど、私はユーリア様の優しさが嬉しかったし、ユーリア様とお友達になれたのが嬉しいの」
キュッと、茹で上がったタコのように湯気が出そうなほど赤くなっているユーリアの手を取り、ミルフィリアは満面の笑みを浮かべた。
意外な所から聖女アリアンナとの繋がりを持つ事が出来、オルセウス達は直様行動を開始した。
ミルフィリアはユーリアとの友情を深めながら、同世代の令嬢達とも交流を持ち、気が付けば仲の良い令嬢達がいつもミルフィリアの周りに、花が咲いた様な笑顔で集まっている。
ミルフィリアはどんどん可愛くなっていきます。