そして、新たな日常が始まる。
10年前に戻ってきました。
目が覚めた。
今日は私の誕生日。
私は7歳になる。
「おはようございます。ミルフィリア様。とても良い天気ですよ」
「おはよう、サラ」
笑顔で挨拶すると、何故かサラが涙ぐんでいる。
「サラ?どうしたの?」
「すみません。お嬢様がいつも以上に愛らしいので」
サッと目元を拭き、サラは誕生日パーティー用のワンピースを出した。
ミルフィリアの誕生日パーティーはとても賑やかで、主役のミルフィリアはキラキラした笑顔で、招待客達に感謝の言葉を口にする。
パーティーの最中、1人の少女がミルフィリアに野の花を渡そうとした時、誰かが足を掛ける嫌がらせをした。
「大丈夫?」
ミルフィリアが駆け寄ると、少女は悲しげに花びらが散ってしまった花を隠そうとした。
「このお花は?」
「ミルフィリア様の髪に似合いそうなので、摘んで来たのです」
少女の言葉に、オルセウス達はハッと息を飲む。
時を巻き戻す前も同じ事があった。
あの時、ミルフィリアは、彼女から花を受け取らなかった。
「ミルフィリア。プレゼントとは、豪華な物が良いとは限らないよ。彼女の様に心から祝う気持ちがこもる物が良いのだよ」
オルセウスは、足を掛けられた令嬢を助けると、さり気なく驚いた顔をしたミルフィリアに微笑み掛けた。
「心が……。そうですね、お父様。ありがとう。似合うかしら?」
ミルフィリアが花を受け取り、サラに渡すと髪に飾って欲しい、と笑った。
少しずつ変化をさせていきましょう。