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案外似ている2人

アルレスとアーモンの目が同じ色にしてしまった。

「あんたが、トーラス侯爵令嬢の婚約者?」


アーモンの赤い目が、値踏みをするようにギラっと光る。


「兄、ゼウリスがトーラス侯爵令嬢の婚約者だ」


アルレスも赤い目をギラっと光らせ、胸を張って宣言した。


「チェッ、あんたなら奪い取れそうだったけど、ルシード様がゼウリスって王子は、俺達じゃ歯が立たないって仰ってたから諦めるか」


アーモンの言葉に、クロイヤス王とアルレスはため息を吐く。


「我が子ながら、ゼウリスは魔族にも恐れられるとはな」

「兄上と敵対しなくて、本当に良かったと思います」

「私も、アルレスと敵対しなくて良かった、と思ってます」


突然、会話に割り込んで来たゼウリスをアーモンがしげしげと見た。


淡い金髪に水色の瞳の、魔族でも滅多にお目に掛かれないほどの美貌の青年。


「ルシード様が君達は面白いって言ってたけど、凄いな。背中がゾクゾクする程強そうだ」

「褒めて頂けて光栄です。魔王ルシード様の側近、アーモン・レズル大公爵」


さらりとゼウリスは、アーモンの正体を口にした。

アーモンは魔王ルシードの2人いる側近の1人。

もう1人はメフレス・パズス大公爵と言い、この3人が全魔族を支配している。


それ程の実力者を前にしても、ゼウリスは謙る態度を見せない。


「で、俺に何をさせるつもりだ?」

「ミルフィリアの友人になって頂けたら、と思ってます」


ゼウリスの目が笑っていない。


「ふーん。まっ、良いぜ。トーラス侯爵令嬢の魔力は心地良い」

「その様ですね。警戒心の強いグリフォンが腹を見せて寝る姿を見るとは思いませんでしたよ」


2人の視線が、ミルフィリアの膝で腹を見せてぐっすり寝ているグリフォンに注がれていた。


「クロイヤス陛下、この子はどうなりますか?」


ミルフィリアが心配そうにグリフォンを見てから、クロイヤス王に顔を向けた。


「グリフォンは聖獣でもあるから、王家で保護するのが良いだろう」

「それなら、私が預かります。私が世話をすれば、ミルフィリアも会いに来やすいだろ」


ゼウリスの提案にミルフィリアは満面の笑みを浮かべ、何度も頷いた。

なんか、アーモンとアルレスはいいコンビになりそう。

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