とんだとばっちり
そろそろ学園内を書きます。
「ミルフィリア様」
ユーリアが校門の側で、困った顔をしているミルフィリアの元に、紫の髪を揺らして走ってきた。
「ユーリア様。今、一年生の方に、よくわからない事を言われて」
首を傾げ、困った顔をしててもミルフィリアは美しい。
見事な銀髪はサラサラで、白磁のような肌はきめが細かく、透き通る様だ。
目を見張るほどの美貌を更に引き立てているのは、澄んだ青紫の瞳。
どこを見てもミルフィリアは美しいのに、性格はなんとも可愛らしい。
人の悪口など全く口にしないが、ちょっと天然で鈍感。
一部例外はいるが、魔法学園の生徒達は皆、ミルフィリアに惚れ込んでいた。
「何を……」
学園の生徒達が憧れるミルフィリアの親友である事を、なによりも誇りに思うユーリア。
ミルフィリアを悲しませる者など許さない、と言わんばかりに辺りを見回した。
「それが、やはりよくわからないの。アクヤク令嬢なんだから、とか。アルレスをとか。アルレス第二王子殿下に何かあったのかしら?」
ミルフィリアがしきりに首を捻っていたが、ユーリアは分からないなりにも状況を把握した。
どっかの阿呆がアルレスに惚れ込み、やたらめったら喧嘩を売って、ミルフィリアがとばっちりを受けた、と結論付けた。
ユーリアはミルフィリアの親友さんです。




