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閑話休題 日出ずる名無し

長いです。

 この世界はいつも自由で平等だ。そして世界が自由で平等であるが故に個性を持つ人は不自由と不公平を強いられる。

 だから、人は知識を学び、技を持ち、礼節を磨くのだそうだ。そして、磨いて得た力は人と人を繋ぐ信用となり、将来の抗えない運命も変える術となる。


 …………らしい。


 なぜ、教えるときの前置きに父さんが言っていた言葉を思い出したのかはわからない。意識が朦朧として、身体の感覚もほとんどない。

 野ざらしでもわずかな草のある道端、朝も寒さ厳しく確かに感じる微かな温もりを抱きしめる。


「…………」


 返事はない。けれども弱い力でも反応を返してくれることでまだ生きていると感じる。


 力があれば、俺に何かひとつあれば…………何か変わったのかな……?




 三年前。父さん、母さん、俺、妹のトモエ。それまであった豊かではないながらも確かにそこにあった当たり前と思っていた幸せ。

 その日常は流行り病が両親を奪い去った事で崩れ去った。


「ごめんなさい」


 何もできないまま、永遠の別れを見遂げる事しかできずに。

 悲しみの中だからこそ立ち向かなければならないと教えられる事もないままに。


「これからは俺たちが家族としてお前らの世話をしてやる」

「安心して。私たちを親と思ってすべて任せない」


 優しい顔をしてそう言った叔父と叔母。

 生き残った俺と妹が悲しんでいる間に親族たちが集まり勝手に話し合い、気づけば両親の家も、田畑もなくなっていた。そして、それが抗えない運命だと気づいた時には既に手遅れで、転落の始まりだった。


 数日も経たないうちに叔父と叔母は豹変した。自らの子と呼び寄せ、扱いを分けるようになった。更に日が経つと私物、部屋を奪われ、小間使いにさていた。ただ、それでもまだ人として扱われているだけまっしな方だった。


「お前たちの両親が残した財産はもうない。だから世話をする義務もなくなった」


 財産のことはよく知らない。言えることはそれ以降は奴婢のように扱われるようになり、家事、田畑の仕事は強制され、罵倒、折檻は当たり前。人前ではトモエと話せばサボっていると折檻されるようにもなり、何か食べモノを与えられる日も少なくなり、食べられそうなものならそれこそ生える草でも何でも食べた。

 妹のトモエと、ただ今を生きるためだけに。


 夜、同じ部屋で寝ている時間だけは一人ではなかったから。今は辛抱して大人になれば一緒に村を出ようとトモエと話し、大人になったらしたい事を希望として。

 今から七日前、妹のトモエを力仕事で仕えないから売るという話を、泣きぐしゃるトモエを宥めて聞きだすまでは。



 その日の晩、俺は妹のトモエと手を握って一緒に逃げ出した。


 予定が少しだけ早まっただけ。最初はお互いに笑顔で帝都で生活を一からやり直そうと誓った旅路。

 何の用意もないまま着の身着のままで逃げ出した道のりは険しかった。すぐに疲れと空腹、歩き続ける事もままならなくなった。それでも耐えて、長く長い道のりを一緒に歩き、疲れてトモエが歩けなくなったら背負って歩く。罵倒もなく、暗い部屋に閉じ込められる事もなく、殴られる事のない。疲れで身体がどんな悲鳴をあげても心は希望に満ちていたから。

 道端の食べられそうな草を食べ、川の生水を飲み、頑張って火を起こして暖まり、トモエを励まし、背負って歩み続ける。


 一からやり直すんだ!


 その一言を希望として。

 けれども、歩めど歩めど辿り着かない道のりの時間はトモエとの会話を減らした。飢えは心の希望すらもじわりじわりと(むしば)み、疲れで気づける余裕すらないまま。

 そして今、その一からにすら辿り着く事もできないまま俺も妹も餓えと渇きで道端に行倒れ、横になったまま身動きもとれなくなっていた。

 動けない。動かない。それが希望を打ち砕く現実が心を壊そうとし、ひび割れた心に自虐という悪意に汚れていく。


 もし、あの時に…………? トモエを諦めていれば…………よかったの?


 考えて思う。拒絶する想い。胸が痛くなる感覚。

 それでも今のこの状況よりもまっしだったかもしれない。ただ奪われ続ける選択の方が生きていたかもしれない。そんなもしもが希望を持ったことを責め、この状況を見下しているように思えた。


 …………悔しいよ。……父さん、母さん。


 心を奮い立たせても身体は動かない。今は自分を責める言葉にしか思い浮かばない。父さんと母さんを思い浮かべ、過去にすがるしかできない事がさらに惨めさせ、身体から力が抜けていく。


 ……ごめんなさい、……ごめんなさい、……ごめんなさい。


 叔父や、叔母に何度も言うようになり、今を逃れるために何も感じなくなっていた言葉。それなのに今は心の中で言うだけで胸が辛く苦しい。

 俺を信じ、笑顔でついてきてくれた不憫な妹に何度も声にならない声で呟きながら何もできない。


「……ご、……め……ん」


 トモエは何も言わなかった。けれども反応だけは返してくれ、我に返った。


 ……ごめん。で、逃げちゃいけない。終わっちゃいけない。


 ココは村と村を繋ぐだけの道の端。それでも道なら通る人はいる。


「(助けて)」


 届かない声。届いているのかわからない。応える人はなく通り過ぎる遠ざかる足音。

 人影、足音。その姿、その音が聞こえれば助けを求める。


 応えはない。それでも求めるのは今の俺が妹にできる事がもうこれしかないから。


 次こそ。次こそ……。次、こそ…………


 努力しても報われない事には慣れている。何もしないまま起こる希望なんてないから。

 すがりつく、助けを求める、なじられる、助けを求める、蹴られる、助けを求める、見えなくなるまで。


 何度でも声にならない声をあげる。生きている限り。




 何回も、何回でも……


 そんな朦朧とする意識の中、音もなく影が差した。

 厚意で俺たちに近づく者がいない事だけはわかっている。


 ……獣? なら、トモエを、守らないと……


 抱きしめ、影の正体を確かめようと顔を向けると、そこには光を背にした顔はよくみえなかったけれど女の人らしき姿が立ち止まり、ぼやけて映った。


 ……夢? それでもいい!


「…………っ!」


 持てる力を振り絞った声は出なかった。対して女の人らしき声から聞こえた言葉。


「……ごめんなさい。私には何を言ってくれたのかわからない。助けて欲しいのか、楽にして欲しいのかも」


 同じ言葉に思えた。だから必死に願いを伝える。


「…………っ!ゲホッ、グッ、ゲホッ」


 声はでない。


「……そう。それが貴方の願いなのね。今は大人しくしてお姉さんに任せなさい」


 水筒らしき物で水を飲ませ、その水をうまく飲み込めずまた咽る。それでも僅かに潤った喉から声を出して伝えようとしたとき、その女の人は人差し指口元を当てた。

 それが話すなと言われているのだとわかって黙る。


「いい子。ついでに掴んでいる袖をはなしてくれると嬉しいかな。大丈夫、逃げるつもりなら最初から近づいたりしないから。ね?」


 言われて気づいた。衣服を強く握っていた。

 ただ手をはなせば逃げてしまうかもしれない。これまで誰も助けてはくれなかったのだから。


 今、手をはなしたらトモエは……でも、その言葉を信じれなくてトモエを助けてもらえるの?


 涙が流れていた。

 人を信じる。それがすべてを失いそうな恐怖を前に、それでも勇気を振り絞って手をはなす。


「よく頑張ったね。次は大事な……妹さんかな? その子の様子を診させてもらうね」


 そういうなり彼女は妹の様子を確認し水筒らしき物で水を飲ませた後で、続いて俺にも同じように再び水を飲ませてくれた。

 そして、小粒な何かを順にいくつも俺と妹に含ませ水で飲み込ませて言った。


「今は私の判断として庇護下にします。

 だから大丈夫。今は安心して二人おとなしく眠りなさい。そして覚えておいて。次にあなた達に声をかける者がいたら今度こそ『助けて』と言葉で言うの。生きたい意思はあなたたちを必ず救うから」


 ……あなた、は? ……助けてくれないの?


 失望に諦めで力が抜けたのかもしれない。懐かしい優しさに母の温もりを思い出したのかもしれない。

 身体が満たされる感覚が眠気を誘い、力が抜けていく。そして、かけられた衣の温かさと優しい香りに永遠の眠りとも思える感覚に抗えずに意識が遠のいた。




 次に目が覚めたのは、陽光の眩しさと誰かが近づく気配からだった。


 …………夢?


 そうだとしか思えない出来事に心が折れそうな落胆のため息をついたとき、俺と妹を包むようにきれいな衣がかけられている事に気づいた。


「……夢、じゃない?」


 声が出る事にも驚いたが、気だるく熱っぽい身体を認識できた。

 夢じゃない。目をあけた妹の様子を確認して安堵の息をはく。弱々しくもほほ笑む顔は、昨日より少し希望があるように見えたから。


 何が? どうして? あの女の人は? 違う、今考える事はそうじゃなくて!


「もしもーし? 死んでいますかぁ?」


 突然の言葉に驚き、声がする方を向く。

 そこには俺たちを心配そうにしゃがんで覗き込む少女の姿があった。


 変な言葉…………というよりむちゃくちゃだ。


「アイリス様、そこは普通生きていますかと聞く所ですよ。そもそもこのお二人はまだ意識もあるようですし」

「これでいいの。だって私はこの言葉でソラと出会えたから」

「…………ソラ様」

「なぜ俺が悪いみたいな目で見る」


 アイリスと呼ばれた少女は身長からみて年齢は十才前後でおそらく俺と同い年くらい。黄金色で長い髪をし、身なりは白で統一された洒落た服に三角が獣の耳、少女の姿をよくよく見ると後ろから尻尾らしきものまであった。

 その奇妙な姿に驚き目が合っているのにすぐには声が出なかった。けれども、ニコッと少女がした所で我に返った。


「あのっ!」


 助けてください!


 そんな理由もない予感に言葉を発しようとして、綺麗な女二人と大男の見下ろす視線に声がすくむ。

 自分の身なりはすでに醜く酷く汚れ、妹も似たようなものだった。対して目の前に居る少女も含めて彼女ら四人はどう見ても裕福そうな服を着ている。生きる世界の違う人たちが俺たちに助けの手を差し伸べてくれるとは思えなかったから。


「あ、あの……」


 こわい。ただ助けてと言うだけの事が。対面も恥もこの身すらも何もかも捨てていたはずなのに。見知らぬ人に嫌がられても言えた言葉を、優しくしてくれた彼女に拒絶される事が怖くなった。


「あっ…………」


 情けないほどに臆病になって、言葉が出せず涙が溢れる俺に対して、目の前の少女が汚れた俺の手を握った。

 驚き、意味もわからないまま目が合い少女は微笑む。


「大丈夫。ゆっくり話して。だって私は私が望んで話しかけているんだよ。ね? みんな」

「…………」

「…………」

「…………」


 後ろの者たちは誰ひとりとして頷きはしなかったし視線も冷たいまま。

 それにも関わらず、少女は気にする様子もなく俺に苦笑いして、今度は悲しそうな表情をして潤ませた。


「それとも私とお話するの……嫌だった? 迷惑?」

「ちがっ」


 否定しようとして咽る。

 そんな俺に少女は優しく背中をさすってくれた。


「そっか。喉が渇いてうまく話せなかったんだね。ソラ、水筒をちょうだい」


 ソラと言われた大男は意外にも何一つ文句を言わずに少女に渡し、少女はそれを俺に差し出してくれた。

 それを受け取り、受け取れている自分に驚きながらその水筒の水が安全かを毒見してからトモエに飲ませる。トモエは何も言わないけれど、判断を任せてくれている事だけはわかった。

 そんな俺の行動に嫌な顔ひとつせずただ見守り、見つめてもただ笑顔で首をかしげる少女の姿。


 『今度こそ『助けて』と言葉で言うの』


 不意にその言葉を思い出し、恐怖を前にして前に意を決すると姿勢をあらため上半身を起こすと正座をした。


「え? え?」


 それに対して目を丸くする少女。


「あ……あのっ!」


 そして、精一杯の土下座をした。胸が苦しくて震える声が恐怖心として声を止めようとする。

 けれど、妹のトモエを助けたい想いが、目の前の純粋な目を見ない事が、この少女の言葉で恐怖を上回る事ができた。


「どうか! トモエを、俺の妹を助けてください! 何でもします! 俺はどうなってもかまいません!」


 掠れた声で。自分でできる大きな声で、どこまでうまく伝えられたかもわからないまま言葉の後に(むせ)る。


 けれども伝え終えても恐怖心は消えない。むしろ伝えて待つ側となった事で、返事という恐怖に胸が苦しさが大きくなるばかりだった。

 そんな俺に対して少女の答える。


「わかった。いいよね? ソラ、イヨ、ヒミコ」

「…………」

「アイリス様、子犬を拾うのとはわけが違うのですよ」

「…………」


 もう見なくてもわかる三人の冷たい目。

 アイリスが応えてくれても予期できたであろう結果。自分の無力さを前に何もできない崖から落ちるように力が抜けていく感覚。


 …………終わった。




 もう言葉は思い浮かばない。何かできる事も何も思い浮かばなかった。


 けれども、ココで終わらなかった。


「…………いつまでも俯いたままどうしたの? 身体が動かないの?」


 少女の思わぬ言葉に驚き顔を上げる。

 いつの間にか、夢で見たと思っていた女の人がいつの間にか姿を見せ、妹のトモエは背に抱えられて後の二人がそれを手伝う姿があった。そして俺の前には手を差し伸べる少女の姿があり、大男がしゃがんで背を見せていた。


「え? あ、あの……どうして」

「どうして? そうお願いしたじゃない?」


 いや、そうだけど。そうじゃなくて…………?


 疑問を言葉にする事はできなかった。ダメだと言わるのがただ怖くて言葉が見つからない。

 そして、無言な俺と不思議そうに見るアイリスと呼ばれた少女に対して、助け舟は冷たい目をしたイヨと呼ばれた人からだった。


「アイリス様。そういう意味ではなく、状況を理解できていなくて困惑されているのです。おそらく断られたと思い込んだかご自身まで助けてもらえるとは思っていなかったのではないかと思います」

「ん? 私、わかったって言ったよね? どうして?」


「どうしても何も…………そうですねぇ。おそらく彼は余裕もなくなるほどに何度も何度も断られ続け、心も身体も衰弱していたのでしょう。師走様が一人では運べなかったために私たちの到着を待ちながら見守っていた事も、アイリス様は師走様がいなくても助けるつもりだったという事も知らないのです」


 師走様? ……あの時の女の人の名前なの?


「ですので、アイリス様が今するべき事は彼のお願いに対する明瞭な返事なのかと思います」

「なるほど!」


 そしてアイリスは満面の笑みで俺に言う。


「じゃあ、私とお友達になりましょう♪」


 …………なんか、めちゃくちゃだ。


 ただ、手を差し伸べる姿に助かったのだと涙を流しながら手をだして頷く自分がいた。






 小粒な何かを口に流し込まれ、何も出来ないまま背負われて辿り着いた村。他より少しだけ大きな建物へと運ばれた。らしい。

 次に記憶があるのは毛布で寝かされた見覚えのない天井で、隣には妹のトモエも居た。


 これからどうなるんだろう?


 優しい人に見えたけれども実は悪い人だった。そんな話は珍しくもない。何より助けた彼女たちに何の利点もない事なのだから。けれども今の俺にできる事はない。

 身体を清めてもらい、衣服は新しいものとなっていた。けれども、トモエと俺は高熱を出し、不安の中で数日看病を受け続ける。その数日に助けてくれた四人の名前を知った。

 アイリス、イヨ、ヒミコ、そしてソラ。


 すべてアイリスという少女が自ら話していた事。ココは協会と呼ばれる建物で、彼女たちは西から海岸沿いに帝都へ向かい、今度は内陸から西へ向かって旅をしている途中な事。飲ませた小粒は栄養たっぷりで消化にもいいとか、その他まったく関係ない話から物語の話まで。

 それこそ起きている時は四六時中、俺とトモエに話していた気がする。


 そして、建物で交渉から看病まで何でもこなして不思議な力を使うイヨ、そのイヨの指示に従い目を閉じたまま何もかも見えているかのように雑務をテキパキこなすヒミコ。窓の外からはひたすら鍛練に励んでいる大男のソラ。


 どう見ても、彼らの足を引っ張っている感じしかしない。

 高熱からも生き残った俺とトモエはあらためて自己紹介を済ませ、どうして助けてくれた理由をアイリスに尋ねる。そして返ってきたアイリスからの答えは。


「え? だって友達でしょ? トモエちゃんは私をお姉ちゃんと呼んでもいいんだよ♪」

「…………」


 無言のソラに、もの言いたげなイヨ。目を閉じたままのヒミコ。そして「お姉ちゃん?」と呟くトモエ。

 その純粋無垢な笑顔で心から不思議そうに首をかしげる姿は、俺自身がアイリスを疑っていた恥を認識させた。

 そして、始まる毎日のきれいな衣服、食事、寝床。今までの悪夢が夢だったように一転し、肌色も少しだけ良くなり、起き上がって身体も動かせるようになった。

 これからどうなるの。そんな心配を察したイヨから俺とトモエはソウという東の帝都とは真逆にある都市まで同行する提案をされた。


 俺もトモエも帝都へは宛のない無謀な旅路だった事を自覚していた。それでも二人できちんと話し合って結論をだし、一緒に同行させてもらう事になった。




 転落してどん底から更に底があった日から嘘のように何もかもが好転して日増しに良くなっていく。ただ、それは努力とも報いとも違う流れに身を任せているだけにも感じる旅路。

 師走様のおかげで転落は止まった。アイリスによって何もかもが好転している事は間違いない。百人が見ても百人が答えるで恵まれた状況。アイリス様たちに対して感謝し、それ以外の感情はすべて愚かな我儘という自覚はあった。

 ただ、何もかもが逆転したが故に、笑顔しか見えないアイリスとの大きすぎる差から不意に考えてしまうようになった。


 羨ましい。


 アイリスをお姉ちゃんと呼んで慕い、トモエが楽しそうに話す姿。

 旅路先々で交渉から手配までおこなうイヨ、率なくすべてを指示通りにこなすヒミコ、上からモノを見る者をたじろがせ荷物もたくさん持ち仲間から信頼を得ているらしいソラ。俺がトモエを守るためにずっと欲しかったすべてをアイリスは持ち、誰とでも仲良く話すその姿は誰からも愛されている様に見えたから。

 ここには俺の存在を必要としていなかった。


 そんな心の騒めきに思わず手を強く握る。


 …………俺、最低だ。


 アイリスと俺の歳もそう変わらなさそうな事がそう思わせたのかもしれない。

 助けてくれたアイリスの笑顔にモヤを感じ、時おり優しく話しかけてくれる姿になぜか妬ましく感じている醜い自分。

 両親も、家も帰る場所も失った。どこまでも失敗してトモエまで失いかけ、飢えに苦しに、逃げても巻き込み死にかけた俺とアイリスとの差は何なのかと感じる理不尽。命の恩人に向けるにはあまりにも幼稚すぎる感情とわかっていながらいつか抑えきれなくなる気がしていた。

 だから、俺は俺に重荷を背負う事にした。


「…………」

「大丈夫? 私も少し持とうか?」

「……大丈夫、です」


 アイリスの優しさに苦し紛れな笑顔をつくり、友達に向ける言葉じゃない嫌な自分に自己嫌悪して歯を食いしばる。

 旅路は出来る事を探してソラから分けてもらったソラの半分にも満たない荷物を持つ。それでも痩せこけた今の身体ではそれでも辛く、その重みだけが自分の心を抑える重しのような気がして、そこにかけられる優しさが辛い。

 トモエのようにアイリスと上手く話せない自身の心の狭さに苛立ちを感じる。そんな自分が嫌で、毎日の重く辛い荷物を抱える量を自ら望んで増やしてもらい、それに存在意義を保とうとしてもソラには遠く及ばない事を自覚させられ、モヤモヤした気持ちは募るばかりだった。


 足りない。……恐い。 悔しい。 アイリスと話すとふわふわとする感覚が。


 好転しているのに気持ちの晴れない旅路は見覚えのある道へと変わる

 そして、避けたい願いも叶わず伝える事もできず、通りかかった村と人たちもハッキリと見覚えがある風景となっていた。


「……何だか、ココは周囲の目が気になりますね」

「そうだな」

「…………」

「…………」


 イヨとソラの言葉に思わず俺とトモエは動揺した。


 …………何も、起こりませんように。


 けれども、願えど起こりうることは起こるものらしく、その願いは叶わなかった。

 見覚えある男の大人たちが数人、私たち一行の前に立ちふさがる。


「何かご用でしょうか?」


 怯む事なくイヨが冷めた目を向ける姿。


「そこに居る二人は家出していた親戚の者だ。心配して捜したりしていたのだが、どうやら迷子となってあなたたちのお世話になっていたらしい」

「あぁ、ご親族の方だったのですね。それは存じませんでした」

「そうだ。本来であれば助けてくれた事に感謝を述べる所であるが、先に二人を渡して欲しい。もちろん礼はきちんとする」

「そうですか。ですが私にはその言葉の真偽を本人に確かめる必要がある事をお許しください」

「あぁ、かまわない」


 イヨは俺の方を見た。続いてアイリスに抱きしめられたトモエを見た。

 そしてなぜかヒミコを見てからため息をつくと再び俺を見た。


「正直に答えていただけますか?」


 その言葉に対して俺へと一斉に向けられる視線。

 助けて。そうアイリスに助けを求めたくてアイリスを見て、トモエを抱きしめる姿に声がとまる。


 俺は叔父から罵られ、殴られたりしてきた。叔父と叔母の優しい顔に隠れたその事実。こわい。こわい。こわい。今、俺たちの出来損ないだと叔父から話されたら。

 こわい。俺は、アイリスに失望をされるのが。優しさを後悔されるのがこわい。助けた事を後悔されるのが、こわい。


「……事実です。彼は私の叔父です」


 イヨに向かい正直に答える。


「…………」


 イヨは俺の言葉に何も言わずじっと俺をみる目。


 どんな声で伝えていたのか、どんな表情をしていたのか、気づけば拳を強く握っていた。

 失望とも呆れとも思える眼差しに何も言えない自分が情けなかった。


 そして、言葉にしない願いは叶わないまま、イヨは何も言わないまま叔父と叔母の方へと向くと、ため息をついた。


 …………情けない。

 

 そう言われているような見捨てられたような感覚。終わった。俺は


「……わかりました。それではお二人をお渡しし」

「ですが!」


 そう叫んだ俺が俺に驚き、言葉が勝手に出ていた。


「ですが、トモエはアイリス様に懐いています。トモエはアイリス様とご一緒させてやってください! どうかお願いします!」


 何も思い浮かばないままただただ頭を下げていた。

 言葉を遮った俺にイヨは振り返らなかった。ただ。


「……そういう事ですか。では、とりあえずトモエ様については翌日までお預かりします。まずは親族と話し合っていただくという事でよろしいでしょうか?」


 …………届いた?


 けれども叔父は首を横に振る。


「それはダメだ」

「おや、友人との別れの時間すら認められないとは大人として随分と無粋ですね。何か不都合な事でも?」

「そちらこそ、子どもを連れ去る行為は悪人の所業だと理解しているのか」

「呆れた。穏便に話し合っていただく事がなぜその結論に飛躍するのか理解できません。これまではそれで思い通りに済ませていたのかもしれませんが、私にそれは通用しません。

 もし、私たちに対して実力行使をされるのであればそれ相応の報いがあるとお覚悟のうえで行いなさい。そう警告させていただきます」


 堂々とそう言い放ったイヨは、目の前の男達に対して恐れを知らないようだった。


「……ずいぶんと偉そうな嬢ちゃんだな」

「嬢ちゃん、ですか。私をどう見ようとも自由ですが、穏便な交渉をされたいのであれば言葉は選ぶべきだと申し上げておきます」

「言葉ねぇ。俺が領主様に任された冠七位の領主様にも口が利き、頼めば侍士も動かせると知っての言葉か?」

「興味ありませんね」


 叔父が鼻で笑った。が、頷く。


「運がよかったな。だが、俺たちにとってはお前らは名前も知らない余所者だ。協会で泊まるという条件でなら応じよう」

「ありがとうございます。ではそのようにさせていただきます。何かございましたらそちらでご連絡ください」


 こうして俺は男達もとい親戚たちに引き取られ、イヨたちとはわかれ、心配そうに見たトモエに頷き離れた。

 そして俺は覚悟を決めた。が。かつての家に着いた直後に何かをする余裕もなく殴られ地面に頭をうったであろう衝撃に気を失った。




 次に気が付いたのも痛みからだった。顔を殴られたからか、思い出してから痛みを感じる。


 冷たい。……えっと。あぁ。


 目の前の灯りから見える大男は叔父で、二人を連れていた。

 暗い場所、それが罰として使われてきた納屋だと気づくのにそれほど時間はかからなかった。身体が柱に縛られていて、既に身体のあちこちが痛い。


「まったく、余計な事ばかりしやがって」


 一度、二度、三度。三度目は顔を殴られ血の味がした。


 …………トモエを預かってもらえてよかった。


 思わず笑顔を見せたせいでまた殴られ、近くで罵られているというのに声が遠く感じる。意識がぼんやりとしている。

 そんな俺を見て、叔父が嫌な笑みを見せた。


「妹は助かった。とでも思っているのか? たかだか四人で村を相手に何ができる」

「…………」

「あいつらが泊まった協会の者も俺たちの仲間だ。話し方からして冠位があるかその親族の嬢ちゃんの様だが旅人なんて行方がわからなくなればそれで終わりだ。

 夜半、無防備に眠った所を襲ってすべてなかった事として片付く。生意気な女のその後を見て絶望する姿を見るのが楽しみだ。今、お前が顔を真っ青にさせているようにな」


 そう下卑た笑いをする叔父とその連れたち。

 悪意しかない人に話し合う意味なんてない。そう知るにはあまりにも遅く、縛られたこの身体ではイヨたちに危機を伝える手段もない。


 あぁ……、ごめんなさい。ごめんなさい。逃げて……


 ただ願う事しかできなかった。

 水をかけられこれまでの鬱憤をはらすように意識があるまま苦痛だけが続く時間。途中で人も入れ替わり、叔母だけでなく俺とトモエが逃げた事で八つ当たりを受けたらしい人たちまで何人も、何度も、意識を見失っては続いた。




 それからどれくらいの時間が経ったのか。それほど時間が経っていないのか。真っ暗な中で見えたのは一筋の灯りだった。


 なぜか激怒した様子で手には(なた)を持ち、赤い何かで服が汚れたまま近づく叔父のらしき姿。

 そして、目の前まで近づくとその刀を振り上げる。が、その(なた)は振り下ろされる事はなく、灯りが落ちると一緒に目の前の叔父が断末魔のあとに倒れた。

 そして、その灯りとは違う青白い不思議な灯りが二人を映した。


「これで終わりか?」

「ありがとうございます。後の事については私に任せて協会にお戻りください。協会の守りはヒミコに任せているので安心ですが、アイリス様やトモエ様の気持ちを考えれば、報告は早いに越したことはないでしょう」

「わかった」


 イヨとソラの声だ。やりとりなんとなくわかった。でも、何が何だかわからない。

 協会に戻っていくらしいソラと入れ替わるように近づきため息をつくイヨ。


「…………無様ですね。いいえ、この場合は愚か、……それも少し違いますね。正しい表現をすれば無力と言うべきでしょうか」


 違いが、わからない。


「あの、無事、なんですか?」

「無事を心配されるべきは貴方でしょうに。まぁ、見て無事ではない事はわかりますが……」


 イヨはまたため息をつき、さらに近づいたと思うと耳元で囁いた。


「『助けて』と言いなさい。貴方は一度、そう教わったはずです」

「ごめん、なさい……」


 イヨたちは無事なんだとわかって本能的にそう答えていた。けれども目の前の女の人はため息をついた。


「そうじゃない。ごめんなさいとは悪い事したときの反省として謝る言葉です。今、あなたが言うべき言葉は『助けて』です」

「たす、……けて?」

「よく言えました。まぁ、あなたと違って賢明な妹さんからは泣きながら何でもするからと頼まれていましたから言わなくても助けるんですけどね」


 ……なんだよ。それ。


「意地悪だと思いましたか? それでもこれだけは覚えておいてください。『助けて』とは弱い人の使う言葉ではないのです。助けを求める事ができる人だけが使える手段なのですよ」


 前に、痛い事はされないという安心で気が抜けてしまったのかもしれない。

 心地よいお小言を言われながら縄を解かれ、背負われた所で気を失った。




 そこからの記憶はない。けれども次に目覚めた時、俺は懐かしい部屋の床で横になっていた。

 そして見渡し居たのは両親…………かと思ったその姿はイヨとトモエだった。


「…………ココは?」


 俺の言葉に驚きお兄ちゃんと呼ぶ声と抱きしめられて感じる堪えがたい痛み。けれど、久しくなかった感情をあらわにするトモエの行動に対する痛みに苦痛は感じなかった。

 そんな俺を見て苦笑いしながらイヨが助け舟をだしてくれた。


「トモエ様、感動の再会のところすみませんが体に優しい食事の準備をするようお願いしていただけますか? あと、ついでにそのお手伝いもしていただければ助かります」

「う、うんわかった!」


 痛みをこらえる顔に察してくれたイヨそう言うと、走って部屋を出たトモエ。

 見送った所であらためてイヨに伝える。


「えっと、まだよくわからないけれど……。ありがとうございます」


 その言葉にほほ笑むイヨ。


「ようやく言葉の使い方を覚えたようですね。ですが、悪意しかない者を相手にご自身で考えた行動の結果がこれですか。無謀を通り越して説教する気にもなりませんね」

「ごめんなさい」

「…………不器用ですね」


 イヨがため息をついた。


「訂正します。優しいという表現が正しいのかもしれん。私はそんな貴方が少しだけ羨ましい」

「…………」


 羨ましい。その言葉が本音なのか、または皮肉を込めた言葉なのかの判断がつかない。

 けれども、続く小さく(つぶやい)いた言葉はなぜかハッキリと聞こえた。


「信じていた人から死ねと言われる。そんな経験のないあなたが……」


 キョトンとした俺に大きく息をはいてイヨが何でもないと、そして何があったのかと聞いて話始めたのは納屋で縛られている間にあった事の顛末。


 あの後、イヨたちは協会へと行き、妹のトモエはすぐに助けるように求められたらしい。けれども、イヨたちを襲うつもりでなければ俺の言葉で話をつけて戻ってくるかもと思って待つ事にしたそうだ。

 そして逆をいえば、その事のみを警戒していたところ、夜半になって叔父と関係のある村の人たちが協会に侵入して襲撃してきたらしい。

 ただ、権威や恐怖の力で従わせている者はより大きな力を前に屈する。


 実は冠四位という身分だったイヨは領主や地方の侍士よりずっと上だったらしく、協会の者はその身の安全のためにあっさりとイヨたちに寝返っていてすべてバレた。


 そして襲い掛かってきた侍士や村の人たちは協会の敷地に入ったところでヒミコが待ち伏せして特別な力で誅殺。逃げてしまった者はとりあえず放置して、イヨはソラとともにアイリス様からの頼みで俺の捜索と保護に動いたらしい。

 そして、少々のいざこざはあったけれど、叔父をあえて泳がせた所で家から離れたこの納屋にたどり着けたのだとか。


 少々のいざこざ。その言葉に含まれる意味はあえて尋ねなかった。


 説明を終え、何かの石を見せて特別な力というのを証明するように手から火の灯りを操る姿を見せて笑顔を作るイヨ。

 ただ、冠四位という存在を前にどう答えていいのかわからない。


「えっと……」

「敬意は嬉しいですが、怯える必要はありません。協会の巫女は政官や侍士とは少し異なりますから。それに、これをお話したのは正体を話すのではなく、貴方がたの今後についてのためですから」


 イヨが俺に対して初めてニコリと軽く笑みを見せ、言葉を続けた。


「さて、経緯を説明した所で本題に入ります。今のお二人には二つの選択肢があります。

 一つは、あなた方を虐げる者がいなくなったこの村の家で暮らす事。もう一つは、私たちと途中まで一緒に行動して、ソウという城塞都市の協会で孤児として大人になるまでその施設で暮らす事。


 一つ目の村に残るについて。今後、大人になるまで協会の者が目を光らせてくれるため、お二人に直接危害を加える者もいないですし私たちの存在という記憶が恐怖としてあなた達の暮らしを守ってくれる事でしょう。ただ、保護はされても子どもであるあなたたちが農民として生きていくには身体も経験も知恵も不足しています。周囲も危害を加えないとはいえ協力してくれるかは別ですし、私たちによって助かったという結果はお二人により大きな困難と努力を強いられる未来を覚悟していただく必要があります。


 もう一つのソウで孤児として生きるについて。ソウの協会にある特別な施設で境遇を同じくしている者たちを集めて大人になるまで保護してもらいます。望めば様々な書物から知識を得られ、技を身に着け、礼儀や文字を学ぶ事も可能です。ただ、それはつまり住み慣れた故郷を捨て、境遇は同じながらも異なる他の孤児との共同生活をする事となります。子どもとしてその身が保護されている間は自由が常にあなたたちを堕落へと誘惑し、何も身に着けられないまま大人となって路頭に迷う事になってももう助けはありません。また、共同生活における新入りは規則やその地位、集団としてうまく馴染めない事は珍しくありません。つまり逃げ場もないという事になります。

 その二つの選択を、妹のトモエ様とよく話し合って決めてください」


 アイリス様と一緒に行動するという選択はなかった。

 第三の選択を尋ねようと口をあけ、グッと堪えて頷く。


 家を守って猶予を失うか、猶予を作って家を失うか。


 何かを得るには対価が必要であり、願いどおりに叶うモノではなく、等価でもない事を知ったから。

 そして助けてとアイリスたちに願った言葉を叶えてくれた選択だったから。


「わかりました。返事はいつまでですか?」

「三日後まで。事後処理がいろいろとありますので、この村に滞在させていただきます」


 イヨが一礼して部屋を退出した後、アイリス様とトモエが入れ替わるようにして入ってきた。そして、楽しそうに話す二人をみても今は不思議と心が温かく感じる。もう手に力がこもるモヤも無かった。


 ……あぁ、俺は何もかも足りなかったんだ。


 そう理解できたとき、ふとまたあの時の言葉を思い出した。


 この世界はいつも自由で平等だ。そして世界が自由で平等であるが故に個性を持つ人は不自由と不公平を強いられる。

 だから、人は知識を学び、技を持ち、礼節を磨く。そして、磨いて得た力は人と人を繋ぐ信用となり、将来の抗えない運命も変える術となる。


 今だからわかる。その言葉に込められた意味が、願いが、すべき事が。そして伝えたかった事が。

 けれどもこれはすべて結果的な話なのかもしれない。


 だからその後、俺とトモエはよく話し合って決めた。




 そして、更に数日後。

 ソウという初めて見る大きな城塞都市に入り、協会でお世話になる事を選んだ。

 協会の中でも師走様はとても偉い人で、しかもココを直接運営しているらしい。俺たちに最初に助けの手を差し伸べてくれた人が運営者。その話だけでも十分なほど心強さがあり、無様な姿を見せられない場所でもあった。


 父のような農民になるか。ソラのような武を磨くか、イヨのように賢人を目指すか、ヒミコのような優秀を形にするか、それともアイリスのような和を重んじるか。

 一芸を磨くのは容易な事ではないし、万能を目指したいという欲張りな本音はある。


 一からやり直すそんな俺が最初に出来る事。


「ありがとうございました」


 アイリスたちにそう別れを告げ。アイリスに向かって言う。


「離れ離れになっても、遠くに居ても友達だから」


 次にまた会えるかはわからない。協会の門から姿が見えなくなるまで見送った。

 そして、協会の人に案内され、新たな場所とこれから共に暮らす人たちを前にトモエが俺の服をつまんだ。


「はい。みんな静かに。これから生活を一緒にする新しい仲間を紹介します。自己紹介をしていただけますか?」

「はい」


 興味で見る目、ただ義務的に見る目、興味ない目、警戒している目。一度、トモエに微笑みかけ、再び前を向くと一歩前へ出る。


「はじめまして。よろしくお願いします。…………」


 そう自己紹介を始める。

 また出会った時には今度こそ友達として胸を張れる存在となれるように。助けてから助けるになれるようにと。


長すぎた。前編、後編に分けるか無駄に悩み閑話休題なので一括。

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