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NoCK  作者: ハートビートモンキー
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意を決したハルト!狩猟長の登場

少し森の中に入ったところにある池「エメラルド」。その中にリュウキがいるというハルトの言葉から、大人たちの言いつけを守らずに無断で森の中へ入ったハルトとツバサ。その言葉は真実となり、集まることが出来た3人は、村へ戻る途中であった。


 木々の間から光がさす。この世界にはシキが存在している。誰が考えたのかは分からないが、今はハルというキセツらしい。爽やかな風が葉を揺らし音を立て、それにつられる様に森の鳥たちが鳴いている。


 リュウキ、ツバサ、ハルトの3人がいた池から村まではすぐである。しかし、この小さな村に「子供たちが森に入っていった」という目撃情報があれば、村長や狩猟長などの”おえらいさん”に伝わるのには十分長い。


「100%アンタたちが悪いんだから私は怒られないわよ」

 ツバサが言う。

 ハルトに立ちふさがれ、3人は村の手前で立ち止まっていた。


「まだばれてるって決まったわけじゃないだろ・・・。」

「あんな走ってたんだからばれてるに決まってるじゃない。小さい子たちが外で遊んでたし。」

「くっ!いいか、俺たちいつも3人一緒だよな。怒られるなら一緒に怒られようぜ罰受けようぜ!」

「いやよ。私はあなたを引き留めようとして森の中に入らざるをえなかっただけなんだから。・・・大人たちは私に甘いし。」

「ずりぃぞ!その甘さを活かして俺を助けてくれよ!!」

「いやよ。自分の武器は自分にしか使わない。」

「ひでぇ!ツバサだって森を楽しんでたくせに!」

「そうね、楽しかったわ。」

「くそっっ!!!!!!・・・リュウキ、諦めて一緒に怒られようぜ。俺らは!友達だろ?」

「あー、うん。」

「よっし!裏切るなよ。」


 リュウキのぼんやりとした返事に少し不安を抱きながらも、意を決したハルトは村に向き直り、3人は村に向かって歩き出した。



「・・・・・・帰ってきたか。」

「はい。」

「はい。」

「・・・・・・・・・・・・・はい。」

 森を抜けると、腕を組み馬小屋の前の木箱に腰をかける狩猟長、イサムに3人は出くわした。イサムは村一番の筋肉バカで、獲物を狩るためだけにあるかのような図太い体を持っている。その筋肉と氷魔法を駆使し、1日に2,3匹魔獣を仕留められればいいところ、十何匹もしとめた経験があり、31歳という若さで狩猟長に選ばれた。独身だ。


「まぁ、事前に大人に言ってあったリュウキを除き、お前ら2人はなんで森に?大人に言ってないだろう?」

「えっ?」

 ハルトは目を見開く。そして、勢いよくリュウキの方を見ると、きれいな涼しい顔がそこにあった。


「あの・・・狩猟長。リュウキが言ってあったって一体どういうことですか・・・?」

「あぁ?そのままの意味だが。君んとこの親御さんから、リュウキがエメラルドに行くと言っていたと伝えられている。」

 ハルトは気づいたのだった。リュウキが大人たちに無断で森の中に入ったという根拠がないことを!

「お前っ!!!騙したな!一緒に怒られようって誓ったじゃないか!!!」

「俺は別に一緒に怒られてもいいかって」

「その一緒はただの怒られてる人のそばにいる人だ!!俺は一緒に罪を償おうって意味の一緒を言ったんだ!!」

「そうか。じゃあ無理だな。」

「うぅ・・・」

「・・・・リュウキ。用が済んだならお前は行っていいぞ。俺も罰を与えるのに魔力を消費するから無駄に使いたくない。」

「分かりました。」

「待って私も!!私も無実です!コイツが言うことも聞かずに森の中へ入っていったのを私は引き留めようとしただけなんです!許してください!」

 キュルンと言わんばかりの上目遣いでイサムを見つめるツバサ。その様子を引いた目で見つめるハルト。


「・・・・そうか。ツバサが言うなら本当だろう。それにあり得ない話ではないからな。なぁハルト?」

「うっ。」

 日々の悪行がハルトの脳裏に浮かぶ。


「まぁそうだな。今回は特別に許してやろう。」

 特別な今回が一体何回あるのだとハルトは心の中で悪態をついた。


「だが、森は危険なところだ。君たちが安全に帰ってこれる保証なんてあまりないんだ。その可愛いおかo・・・・可愛い君たちが傷ついたら大変だ!もう二度と無断で森に行くんじゃあないぞ?」

「はいっ!ありがとう狩猟長様!」

「あぁ、いいとも。」

「はぁ・・・・。分かったよもう。全部俺が悪いんだ。ごめんなさい、モウニドトシマセン。」

「よしっ!よく言ったぞ!認めることは大事だ。さぁ罰に移ろう。2人は行っていいぞ。」

「テンポよすぎだ!」

「まぁ大体予想はついていたからな。今回は特別に、もう二度としたくないと、ココロから思えるような罰を与えよう。」

「はっ!?なんだよそれ!?」

 青ざめるハルトを横目に、リュウキとツバサは本来の目的である「鍛錬所」に向かうのであった。


「いやああああああああああああああああああ」


 ハルトの断末魔が村中に響く。







狩猟長イサムから罰を免れたリュウキとツバサは、鍛錬所に入り約束の特訓を始める。ここで明らかになるリュウキの力とは!


次回「鍛錬所!一目置かれるリュウキの力」

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