魔王と仮定しようと思う。
世の中のほとんどのアニメやライトノベルや漫画、もっと言えば人生、全てに共通して「物語」という物が存在する。ある程度話の流れがあって、どこかしらで区切りがつく。大きな困難や仕事、課題や問題などを乗り越えたタイミングがそれだ。それで物語が完結してしまうこともあるが、大抵はそのまま進み、また大きな困難にぶつかる…まあそんな感じだ。ただ、どんな物語にも終焉というものがある。終焉の元の意味の通り、物語を形成してきた人間が死んでしまったり、その人物が目指してきた目標を達成すると終わる。そんなこともある。それが良い終わり方だとしたら、物語を強制的に終わらせてしまうのは悪い終わり方…それを引き起こす存在を戦場でひたすらに倒して行く。それが
「戦場の旅人達」
なのだ。
前述した物語を強制的に終わらせる存在。今回は魔王と仮定する。見た目がそれっぽいからそうしただけだ。深く考えないで欲しい。魔王とはRPGにありがちな存在である。まぁそんなことはみなさんわかっていると思うが、魔王というものはそういう世界にいるからこそ面白いものだ。じゃあ皆さんがいるような現実世界を終わらせる存在としてその魔王のようなやつが現れたら?
「フハハハハハ!なんだかよく分からんがこの世界に来ちまった!とりあえず全部俺の物にしてやる!」
「なぁに言ってんだ。お前。」
六人の旅人達が現れる…とか…言われてる。まあ当然ながらこの話も物語だ。なので、簡潔に説明すると、この物語は
六人の旅人と呼ばれている少年少女たちから始まる物語…
と言ったところか。
「なんだぁ?貴様ら…」
「質問に回答している暇はないんだ。すまないな。早速で申し訳ないが、死んでくれないか?」
「死ねと言われて死ぬバカなどおらんわ!貴様らが死ねぇ!」
魔王は禍々しく巨大な手で襲いかかる。六人はどうするか。簡単である。そんな単純に拳で潰そうという思考ならば、持ち合わせている武器やら特異な能力やらでその手を切り落とせばいい。そんな脳筋思考であるが、充分有効な手段であると言える。
リーダー格の少年。名を剣の師と書いて剣師と呼ぶ。名の通り剣を自在に操る。その巧みな剣術でとりあえず手首の付け根にスパりと刃を入れる。スパり、という表現を使ったが、スっと切れたわけでは全くなく、皮膚の部分までは入ったが、骨の部分には上手く入らなかった。仕方ないので一度剣を引き、他の五人の後ろに下がった。一応リーダーなので指示をする。
「瑠花ねぇ!今の剣の状態じゃちょっと厳しいから頼んだ!」
完全に丸投げであるが、瑠花ねぇと呼ばれた長髪の女性は嫌な顔一つせず、ニコリと剣師に一瞬だけ笑いかけてから右腕に力を集中させる。
紹介が遅れたが、この女性は但木瑠花。副リーダー的な存在だが、なんと霊を操れる。今まで集めてきた霊の魂だけではあるが、墓に行けばそれなりの魂は集まるらしく、剣豪の力を借りることも出来る。右腕に集中する理由は単純。右腕から剣を召喚…では無いのだが、霊魂を素材に何度でも生み出し、また解体できる。そして、ひとつ息を吐き、一気に斬りかかる。
今度はしっかりと、スパッといった。
「うおぉ!?我の右手が!?」
魔王は体がデカイ分、色々な反応が遅い。右手を斬られるのに隙を与えすぎているのだ。一気に斬られるのを避けることが難しい。
ここまで二人でこうどうしていた。では、残りの四人はどこに行ったのだろうか…
「良いか?三人とも。剣師と瑠花が行動している間に、わたシ達は背中をつく。それで良いな?」
魔王の攻撃のあいだに四人は裏に回っていた。今作戦を話していたのが帳之愛美。
能力は…悪事を働いたものにその場で制裁すること。特殊な性質を持った本を使って制裁する。
「理解しました。ですが、帳之さんはトドメを刺す役割ですよね?我々の中で攻撃できる方は本当に限られていますよ?」
敬語の男は河辺凜人。誰にでも敬語で喋る。愛想の良さそうな好青年だ。能力は瞬間移動。制限はなしの最高すぎる能力だ。しかも異世界に行けてしまうらしい。
「俺がやる。お前らじゃ頼りねぇ。」
河辺と違って性格の悪そうなこの男は池野修也。いかにも不良って感じの男だ。能力って程でもないがひたすらに怪力で、一蹴りで壁を壊せる。クッキーが好き。
「私もやるよ。私には銃があるし。」
軽く金属音を発しながら銃を構えた少女は南芽衣。物凄く器用で、ピッキングや銃の取り扱い、機械いじりなど様々なことが出来る。ちなみに大手企業の社長令嬢であるが、今はこのグループに所属している。
これで六人の旅人の紹介が終わった。それでは「物語」に戻ろうか。
「分かった。ジゃあとりあえずわたシは最後を瑠花と一緒にシめるから、河辺は脱出の準備、南と池野でぶっ潰せ。いいな。」
三人は頷く。そしてすくっと立ち上がり、それぞれのやるべきことを始める。池野は蹴りと突きで攻撃を繰り返し、南は池野に当たらないように短機関銃を撃ちまくる。この攻撃は魔王にとっては結構な攻撃だったようで、魔王は呆気なく膝をつき、瀕死の状態になった。ここで登場するのが帳之。
「Sanctions time.」
制裁の時間。そう言い、本を開く。
「我々の世界の破壊者よ。裁きを受け、転生せよ。」
「good bye.」
その言葉と共に赤い光のようなものが魔王の心臓の部分を突き刺し、魔王は完全に絶命した。瑠花が急いで遺体に近づき、右手をかざす。
「いい戦いだったよー?」
そう言い、魔王の魂を自らの力へと変えた。
すると、なぜか魔王の体はきれいさっぱりなくなってしまった。跡形もなく。
「いやー。こんなやつがいきなりこの世界に現れるなんてな。世界移動の手間が省けたけどな。あ、このバケモンは原子レベルに分解したから。まあこいつも炭素とかだし、シャー芯にでもして、使ってやるか。」
そう言い放ったのは剣師だった。ここで初めて紹介するが、剣師は剣を操ることだけが能力という訳では無い。原子を自在に操り様々なものを作り出すことが出来るのだ。簡単に言えば、シャー芯からダイヤモンドを作ることが出来るような力ってことだ。
「じゃ、帰りますか。河辺、よろしく。」
とまぁ、こんな感じの六人の旅人は帰路についたのであった。