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吾輩は犬である。

作者: 林集一

 

 吾輩は犬である。人の名前は捨てた。


 そして、尊厳は電柱に置いてきた。



 ……ってこれ明治の話だった。


 彼は平成の世に千円札の人として知られた。句座を並べたかの正岡子規は坂の上の雲で笑っているだろうか。


 りテイク!




 私は全裸の人間に赤色や青色の刺身を乗せていた。次々と積み上がるその生々しさにドキドキし、〆に檸檬を据付けた。


 爆破。


 そうしたらあのキチガイの丸出しも木端微塵だろう。



 ……ってこれ大正だった。


 次に訪れた昭和の時代。太っちょと子供が空に放たれて、駅に仕掛けられた檸檬を傘で突き刺し、多くの人が傷を負った。


 彼らは今、元気に笑っている。



 りテイク!



 接写親方と申すはただいま剃髪致してパイパン紳士録に名を連ねたります~がらぴいがらぴい風車。


 ってこれ享保だった。


 道は振り返られるだけ続いている。父、祖父、曾祖父、どの世界にも昔の私は居て、透く、頂き、香るのだ。


 りテイク?




 そもそも平成って何があったのだろうか。


 注がれたビールの泡。


 新陳代謝の逆剥け。


 ステンレスの貰い錆。




 目の前にある お 前 の 掌。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 思わずクスっと吹き出しました。 [一言] こんばんは、林さん。上野文です。 御作を読みました。 詩のことはよくわかりませんが、コミカルでいいなあっと思いました。面白かったです。
[一言] 企画にご参加頂きありがとうございます。 最初の夏目漱石しか分からんかったです。 余にも独特の世界なので質問を交えた感想書きます。 ググって見たけど大正の爆破事件とは何でしょうか? 昭和…
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