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2月14日の紅
「ちょっと待って」
「なに?」
呼び止められて僕は平静を装って振り替える
放課後の渡り廊下はそれにりに人が歩いている
僕が彼女の声を聞き間違えるはずがない
僕のとなりに追い付いて歩きながら彼女は学校指定の鞄のチャックをあけた
今日はよく晴れた2月14日だ
地元の公立中学校
同学年は200人で5クラス
地域の小学校が5つ集まってもこの人数である
ただ1学年に1クラスしかない小学校からきた僕にとってはクラス替えなるものは一大イベントである
ようやくなれたクラスメイトからまた半数以上は知らない人達と1年間を過ごすことになる
僕は彼女に出会った