作戦会議
「おい、その服装はおかしいだろ」
「そうか? 普通だろ」
俺が着替えを終え再び合流すると、オリヴィエはすでに着替えを終えていた。
「そうよ、よく似合ってると思うわよ」
「お兄様もよく似合っておりますよ!」
「ありがとう」
「いったい貴様は何が不服なのだ?」
オリヴィエは何も気づかずに俺に質問してきた。
「……オリヴィエ、一応確認のために聞いておくが、お前はどういう戦い方をしなければならないかわかっているのか?」
「私を馬鹿にしているのか? 貴様が前衛で敵二人を相手に暴れ回り、私が後衛で隙を見せた相手を即座に爆撃しながら戦うという基本的戦法だろう。どうすればこんな簡単な作戦を忘れることが出来るというんだ?」
「じゃあ何で前衛で戦う俺が民族衣装で後衛で戦うお前が道着なんだよ! 普通逆だろ!? しかも俺はそれらしい武器なのにお前はレイピアだろうが!」
そう、道理で俺より先に着替えが終わったはずだ。なんとこいつは動きやすい道着を着ていたのだ。
「そんなこと言っても動きづらいだろ」
「じゃあ俺に対しても動きやすい道義を用意しておけよ!」
「だが同じ服装だとオリジナリティに欠けるだろう? それに対してペアルックだと言えば聞こえは良いかもしれんが、私はそういう言い訳は好まん」
いや言い訳って誰に言い訳するんだよ!? いらねーだろそんな気遣い。
「だったら俺を道着にしてお前が民族衣装着ればいいだろ!」
「着付けがわからなかったのだから仕方ないだろう」
「それぐらいほかの奴に聞け! それがいやなら俺に聞け俺に。俺が着られると思ったんなら俺に聞く選択肢があっただろ、教えるから」
「それは駄目ですよ!」
「なんでだよ!?」
俺の至極真っ当な、少なくとも俺の中では当然の主張をカルラが否定してきた。
「何でって当たり前でしょう! だってそれを教えるということは彼女の着替えを見るということになるんですよ!?」
「いやそこは普通に服の上から更に着込めば良いだけの話だろ!」
「ですがもし本番になって着付けがわからなくなったとか言いはじめたらお兄様がそれを直すことになるんですよ!? そんなことを許せるはずがありません!」
「そ、そうですよ! 本番前にそんな……あ、慌ただしい事態になってしまったら大変なことになってしまいますよ! それを考えれば天蓋さんの発言はよろしくありません」
なんでこの二人はそんな頑なに否定してくるんだ。
「じゃあ二人とも道着で……」
「それは駄目です」
「論外です。お兄様」
「何なんだお前らは……」
もう別に良いだろ……本選だぞ? 何でそこまで見た目にこだわるんだ? つーか今俺が言い終わる前に即答してきたな。
「まあまあ、用意したのがこれだけなんだから今更文句を言っても仕方無いじゃない。それより相手選手に対しての作戦を考えなさいよ」
「それはまあ、もうそれをするしかないんだが」
「だったら早く割り切る! はい、切った!」
エリーが二回手を叩き、無理やりこの話題を払拭してきた。
俺はブツブツ文句を言いながらもトーナメント表を確認しながら次の話題に切り替えた。
「次の相手はアンティキティラ魔工学院の生徒みたいだな。全学年安定した試合で勝ち上がっている学校だ、ちなみに戦い方はひたすらデータを集め、徹底的に対策を立ててくる傾向にある。正直戦うならデータの少ない早い段階で戦いたかったから、第三試合でぶつかったのは僥倖と言えるだろうな」
「しかも魔工は最新式の魔道具を使ってくるから全試合楽しみなのよねー」
「なんにせよ相当な頭脳派チームだからな、変な挑発に乗って要らない情報をぺらぺら話すなよ?」
「わかっている。こちらの基本的戦法は相手も知っているからな……どうする? あえての奇策で行くか?」
どうすべきか、手の内を読まれても俺の戦い方は知らないわけだから、持久戦でくる可能性が高いな。




