高級レストランならいるだろうな
投稿が間に合わなかった。
「流石に高級ホテルだけあってレストランも高級そうだな」
俺達はディナーを奢って貰うためにホテル内のレストランへと移動した。内装は絢爛豪華とは程遠い質素なもので揃えられているが、それがかえって高級な雰囲気を醸し出していた。実際に高級な素材が使われている。
「た、高そうなレストランですね」
「ここのレストランってグルメ雑誌にでてるやつよね?」
「お、お手柔らかに頼むよ」
確かにこういう高級店は値段の方も高級そうだな。
「安心しろ。このレストランは宿泊客しか利用できない事になっている。だから値段そのものは安く設定されているんだ」
「そ、そうなんだ?」
「流石にこういう店は詳しいな、オリヴィエ……もしかして泊まった事があるのか?」
「家族で何週間か泊まったことがある」
何週間も泊まり込みとは富裕層は優雅なものだな。
「それじゃあ安心だな」
「早く食べにいこう」
気を取り直してレストランへ入った。時間もちょうど夕食の時間だったため、非常に混んでいた。宿泊客専用という性質上、客は全員学園関係者だけということになる。ここだけみると修学旅行でも楽しんでいる用にしか見えないだろう。
俺達は店員の言われるがままにテーブルへ案内され、そこに座った。
「じゃあ取り敢えずメニューを見てみるか」
「ね、ねえ?」
「なんだ?」
エリーが小声で話しかけてきた。座る位置を考えると対角線上にいるため、他の客に迷惑かけないようにするための配慮だろう。
「制服で来ちゃったけど良いの? こういう店ってドレスコードとか厳しいんじゃ」
「……逆に聞くが、学生にとって制服以上に真面目な服装なんて無いだろ?」
「あー、確かにそうね……」
「だから気にせずに注文すれば……おい、随分な値段だぞオリヴィエ」
メニュー表を見ると、そこにはとてもではないがリーズナブルとは程遠い値段がかかれていた。
「いや、最高品質のステーキがこの値段なら安いだろう」
「い、いやーこの値段を全員分はちょっと」
「お前ら自費で払え……ないか。仕方ないな……ここは俺が……」
「私が払っておく。安心して食べろ」
俺が奢ろうと言い終わる前にオリヴィエが全員に聞こえるように言った。
「え? いいんですか?」
「構わん」
「えーと、それじゃあ何を頼もうかしら」
しばらく時間が経過したが、誰も注文を決めることが出来なかった。そもそもメニューに書いてある料理を読んでもいまいち想像がつかなかったからだ。
「何が何だかわからないです……」
「人間の言語じゃないわねこれは」
「仕方のない奴らだ……少し待っていろ」
そう言うとオリヴィエは店員を呼び出した。
「ご注文はおきまりでしょうか」
「悪いが席を移したい。奥の部屋に案内してくれ」
オリヴィエは店員に白い手紙のようなものを渡した。それを見た途端にどこかへ歩いて行ってしまい、奥から偉そうな人が出てきて奥の部屋へ案内された。
「これ、あれじゃないか? VIP席」
「ありえるな」
「じゃああの席には金持ちが集まってるってことよね?」
「まあ、今日は学園関係者だけだと思うが」
しかし、学園関係者の金持ちか……非常に嫌な予感がする。そしてその予感は見事的中した。当然の話だ、金持ち限定ならこの男がいないはずがない。食事の時間が被ったのは何の因果か。
「あ、あの人って確か」
「まあ、いるだろうな」
「……! な、なんで君たちが!?」
ナタクを含めた生徒会メンバーが勢揃いしていた。ということはおそらくだが、カルラも誘われていたはずだが。
「オリヴィエがいるんですからここへ来られた理由は明らかでしょう」
「あ、ああ、そうだね。その通りだ……君達も一緒にどうだい? 勿論代金は気にしなくて構わない」
「だ、そうだが……どうする?」
「えーと、皆の意見に任せるわ」
他も同じ意見だったのでご馳走になることにした。
「ところでカルラ、お前もここに誘われたんじゃないのか? 何で断ったんだ?」
「私はカルラちゃんを誘ったんだけれど、用事があるから来れないって言われたわよ」
「え、カルラさんそんなに大切な用事があったんですか!? 早く済ませないと駄目ですよ!」
「さくらちゃんのアレって天然? わざと?」
「……見当もつきません」
本当に大切な用事があるなら俺達と話をしている暇なんてあるはずがない事くらいわかると思うが……さくらの場合本当にわかっていない可能性があるな。




