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崩天蛇神の秩序維持  作者: てるてるぼうず
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大会当日

「とうとうこの日がきたな……」


 風霊祭当日、会場は開会式まで一時間以上空いているというのにほとんど満員の状態だった。

 これが学生生活で初の晴れ舞台と思うと感慨深いものがあるな。


「おーい! こっちだ天蓋!」


 遠くで俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。声のする方へと歩いていくと剣術部の先輩たちや他の大会参加メンバーたちが集まっていた。


「おはようございます」

「おう、おはよう。天蓋、お前の荷物はもう控え室にまで運んであるから開会式が始まる前に確認しておけよ」


昨日預けておいた武器たちだな。流石に当日全ての武器を列車で運ぶのは目立つ以前にそもそも列車に乗せてもらえない可能性すらあるからな。


「ありがとうございます」

「……一応聞いておくが、本当にあの武器を全部使うのか?」


 全ては……流石に使い切れないな。試合の回数にもよるが、いくらなんでも二十試合もやるとは思えんし。


「全て使い切るかどうかはどのチームが勝ち上がってくるかによりますので使わずに終わる武器のほうが多いと思いますよ」

「相手に応じて一々武器を変更するのか? こういうのは自分にとって一番信頼できる武器を使うもんだぞ?」


 それはまあそうですが、俺の場合そこまで思い入れの強い武器はないので適度に使い回すのが有効ですね。


「いや、中には天蓋みたいに武器をころころ変える奴も少なからずいるんだよ。自分の手の内を隠すこともできるしな。だとしてもあれだけの武器を使おうって奴はお前だけだと思うがな」


 もう一人の先輩がフォローを入れてくれた。


「生徒会のナタクだったか? 複数の武器を使う奴と言ったら」

「あいつは全ての武器を携帯しているか転送魔法で切り替えていくタイプだから若干違うな。そういうのじゃなくて相手によって戦術を変えるタイプと言った方がわかりやすいかもな」


 確かにあいつはどこからともなく武器を取り出すらしいな。実際に見たことはないが。


「そういうタイプには見えないんだが」

「人は見た目にはよらないということですよ」

「まあそんなことはどうでもいいか、さっさと控え室まで移動するぞ。何せ一学年に三組、都合九組十八人が登録すときには集っていなければならないからな」


 遅刻したら参加資格を失う訳だからな……かなり早めにきてよかった。

 控え室に移動するとすでに大半の人が集まっていた。


「ウィル? なんでお前達までここにいるんだ? 参加選手じゃないだろ」

「生徒会長が特別に通行証を僕達に渡してくれたから入れたんだよ」


 そうだったのか。しかし意外と簡単に入れるものなんだな。


「おいお前か!? こんな阿呆みたいな量の荷物を持ってきたのは!」


 他の参加者が指差した方向を見るとなるほど、確かに俺の武器が大量に山積みになっていた。


「はい、全部俺のです」

「お前バカだろ!? こんなにもってきやがって! 戦争でも始めるつもりか!?」


 流石にそこまでの火器はないはずだが。


「もしかしてこれ? とんでもない弓って」


 エリーが弓を眺めながら俺に聞いてきた。確かにあの時話題になった弓だ。


「その通りだ。試しに引いてみるか?」


 そう言いながら弓に弦を張って渡した。


「え、いいの?」

「ああ、矢は渡せないがな」

「よーし! ……ウッソでしょビクともしないじゃない!」


 エリーは必死に弓を引こうとしていたが全くと言ってもいいほど引ける気配がしなかった。まあ無理もないが。


「お前が引いていた弓は弓力十キロ程度だからな、その五倍以上の弓力なんだから引けなくて当然だ」

「そんなに違うものなのかよ?」


 そう言いながらゲイルが試してみるが結果はエリーと同じだった。他の連中も順番に試したがついに引くことができたのはカルラだけだった。


「……あんたどんだけ馬鹿力なのよ!?」

「金剛力といってもらおうか、カルラも出来た訳だからな」

「むしろカルラが引けるのがおかしいだろ……その華奢な体のどこにそんな力があるんだよ?」


 実際のところは俺より桁違いの力があるけどな。


「それは勿論お兄様の妹なのですから当然です。お兄様に恥をかかせるようなことなど出来るはずがありません」


 それは出来るようになった理由にはなりえても出来る理由にはならないだろ。


「そ、それはそうとこっちの箱には何が入っているの?」


 その箱は確かオリヴィエの私物が入っているはずだが。


「知りたいか? その中には大会で着るための衣装が入っている。勿論天蓋、貴様の分も用意しておいたぞ。採寸は済ませたからな」


 これ全部衣装なの!? しかも俺の分って俺も着替えなきゃならないのかよ!?


「衣装って、一試合毎に着替える量よね?」

「そうではない。こいつの使用する武器に応じて衣装を用意した。たとえば大鎌を使うときはこの死神を思わせる衣装をきてもらう」


 滅茶苦茶ウキウキでボロボロのマントと髑髏の仮面を持ち出して説明し始めた。

 これは着ないとか言ったら殴り合いの喧嘩になりかねないな。

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