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後天的に特化した生物
「まあ、人間の自然な状態って意味で考えれば生まれたばかりの赤ん坊は親に庇護されるから、そもそも先天的と後天的の区別が曖昧にならざるをえない部分はあるな」
「人間にとって不自然な状態や状況な条件で出した結果を研究の成果とするのは乱暴な理論だよね」
「親の庇護下に入る事が前提の赤ん坊を親の手元から離した状態で観察を行っても、それは特殊な状況下に置かれた状態での観察だから参考にならないと言われたら、何も言い返せないだろうな」
特殊な状況下に置かれた人間が取る行動なんてのは、結局のところは特殊な状況下に置かれた時特有の行動でしかないって可能性は普通に捨てきれないからな。
「そうだね。それこそ人間は言葉を発する生き物だけど、言葉なんてのは典型的な後天的に身に着けるものだからね。そういう意味でも人間は後天的に能力を手に入れる事に特化した生き物だと捉える事も出来るよね」
なるほどな。後天的に能力を授かる事に特化した生き物か……人間をそう捉えた事は無かったな。確かに人間社会を成立させるには様々な能力が必要になる。これらを先天的に用意すると言うのは……中々無理がある話だな。だが、もしもこれらの能力を後天的に、かつ戦略的に選択出来るとしたら……足りない人材や役割に割り当てる事が可能と言う事になるな。




